プレゼン王が説く「左脳、右脳、背中押し」のワザ
プレジデントオンライン / 2020年1月20日 11時15分
■7つの視点を意識して話をする
上司に企画を提案したり、プレゼンをするのは緊張するものです。そんなときにおすすめなのが7つの視点を意識して話をするというテクニックです。
具体的には「①自信を示す」「②興味を引く」「③驚きを与える」「④納得感を高める」「⑤信頼させる」「⑥共感を得る」「⑦決断を促す」です。
その際に大事なポイントは、言いたいことを言うのではなく、相手にどう伝わるか。相手がどう考えるかを計算して言い回しを選びましょう。
上司に説明するとき、まずは自信を持って話すこと。新しい企画を提案するとき、「絶対に売り上げをアップさせます!」とは言い切れないと思いますが、この提案には自信がありますという空気を出すことが大切です。たとえば、思い切って、「業界トップの○○社を倒しましょう!」と大きなスケールで話をすれば、上司も「お! 今回は自信ありそうだな」と思ってくれるはずです。
次に興味を引きます。基本的には「ちょっと、ジラす」ということです。たとえば「実は今お話ししてもいいのか悩んでいるんですけど……」と切り出すと、上司も「何なに?」となります。結論を言う前にちょっとモヤッとしたことを置くと相手の興味を引き、話を聞こうとしてくれるようになるでしょう。
■人口、GDP、平均年収、出生率、平均寿命などを使う
興味を引いたら、今度は驚きを与えます。要は意外なことを話すのです。たとえば、「今日は承認をいただかなくて構いません。ただ、アドバイスだけはいただけますでしょうか」と言えば、上司も「え?」となる。すごくいい提案でヤル気も感じるのに、ガツガツ押してこないな、どうしたんだ? と感じさせて驚きを与えるのです。
次に、提案に対して「なるほど」という納得感を高めます。たとえば大きな数字を使うと効果的です。「日本の労働人口は6800万人ですから、したがって……」「中国のGDPが12兆ドルだと考えると……」など具体的な数字で説明すると、上司は「コイツすごいな、ちゃんとわかっているな」と納得する。多くの数字を覚える必要はありません。日本と米国、中国など主要国の人口、GDP、平均年収、出生率、平均寿命などざっくりしたものが頭に入っているだけでかなり説得力が増します。
そして、信頼。たとえば、あえてデメリットを話すというのはいい手です。人はプラス面だけを強調されると疑いたくなります。そこで「部の予算の半分を使うことになりそうですが」「マネジャーは少し苦労すると思いますが」などマイナス面を話すと、きちんと考えているなと信頼感が出ます。
■ロジックだけでなく、共感のような心理的側面も重要
さらに、共感です。これは忘れがちなので要注意です。理屈がわかり、納得もしたけれど、共感できないということがあります。人は感情に左右されるものです。共感を得るためには、本気度を示すのが1つです。これはしない人が多いので刺さりやすい。ハッタリでもいいので、「私は本気で取り組み、必ず成功させます!」と言い切る。人ごとではなく自分ごととして責任を持って実行する覚悟を示すのです。そうすれば上司も、「多少の不安はあるけれど、任せてみるか」と思ってくれるはずです。
最後に、決断を促します。これも相手が上司だからか忘れがちですが、背中を押すということです。たとえば、「この企画、早く始めたほうが勝つはずです」と上司の背中を押す。その際に、お願いするのも大事なテクニックです。「お願いします! やりましょう!」と言われると、上司も案外、「ノー」と言いにくいものです。
別の表現になりますが私は「プレゼンの構成は左脳、右脳、背中押し」と言っています。左脳は納得感を高めることで、右脳は共感を得ること、背中押しは決断を促すことです。上司への提案やプレゼンはどうしてもロジカルなテクニックを重視しがちですが、共感のような心理的側面も重要です。
最後に、図に上司のタイプ別に特に効果的なワードを紹介しましたので、参考にしてみてください。そして、ここまでご紹介した言い回しはごく一例です。さらに詳しく知りたい方は、私の著書『プレゼンの語彙力』を読んでみてください。
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コクヨ経営管理本部シニアエキスパート
ワークスタイルコンサルタント。著書に『プレゼンの語彙力』『コクヨの1分間プレゼンテーション』など多数。
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(コクヨ経営管理本部シニアエキスパート 下地 寛也 構成=田之上 信)
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