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生島ヒロシ「相手を"素"にするプロの質問項目」

プレジデントオンライン / 2020年1月6日 11時15分

アナウンサー 生島ヒロシ氏

■素朴な疑問をぶつけるのも効果的

聞き上手になるには、ですか。実は子どもの頃は赤面症で、人前でしゃべるのが苦手だったんです。アナウンサーのなかでも、しゃべりが秀でているとは、全然思えません。

TBSの先輩だった小島一慶さんは話をデフォルメするのがうまかった。久米(宏)さんは寸鉄人を刺すようだし、古舘(伊知郎)くんはとにかくしゃべり倒す。僕は人間に興味があるから、面白い人の話を聞き出して、それをネタに自分が話す。無理やり自分からしゃべらなくとも、相手の話をよく聞いて、自分が抱いた素朴な疑問をぶつければ、話はおのずと回転していく。本当ですよ。

まずは初対面で相手を緊張させないことが重要だと思います。名刺はいいツールですね。うちのマネジャーの中山くんの名刺には「毎日が崖っぷち」と書いてある。何? と思うじゃないですか。これが話のきっかけになります。ルビがないと困る名字も使える。例えば「東さん」はヒガシさんかアズマさんか、迷いますよね。それなら「アズマじゃないです、ヒガシです」と名刺に書く。「ニシの反対、ヒガシです」でもいい(笑)。名刺1つで、距離を縮められます。

聞き手として「しめた」と思うのは、プロフィールに載ってない話を引き出せたときですね。

■あえて世間のイメージをぶつけてみる

女優の田中美佐子さんがゲストで出てくれたときのことですが、田中さんはイメージに反してフィッシングがお好きなんですって。「松方(弘樹)さんみたいな大物釣りは無理ですけどね」なんて話で盛り上がることができたときは、金脈を発見したように嬉しかった。こういうときは「田中さんといえばインドア派ですよね?」と、あえて世間のイメージをぶつけてみるのが手なんです。

すると大抵、イメージと現実というものはズレていますから、「実はそうじゃないんです、本当はこうなんです」と話してくれる。プロフィールには載っていない、思いがけない素の部分です。

失敗談ならいくらでもあります。偉い人を怒らせてしまったことだってある。でも本気で謝ればいつも許してもらえました。結婚式の司会をしていると、主賓がある大物衆議院議員だった。

それを私は「参議院議員」と言い間違えた。すぐ訂正しましたが、その議員さんがいきなり立ち上がって「おい司会者、男○○○を参議院議員呼ばわりしやがって。おまえの命はないと思え!」。結婚式のおめでたい席なのに皆シーンとしちゃいました。でも「申し訳ありません!」と後で謝りにいったら「いい謝り方だ、気に入った」と許してくれました。失敗は、距離を縮める大チャンス。本気で謝ることが大事です。

ラジオ番組では、笑える話より役立つ情報を話すようにしています。僕はファイナンシャルプランナーの勉強もしましたし、環境問題や介護も学びました。人に必要とされる情報をどんどん発信していきたいと思って、自分の興味も広げていったんです。自分に知識があれば、人の話もより深く聞くことができます。

あとは小ネタ集めも習慣にしています。僕はネットをあまり見ないので紙媒体が中心。新聞、週刊誌、専門誌。ネットの時代だからこそ、人が知らないネタは紙から拾えますよ。

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生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)
フリーアナウンサー
1971年渡米し、75年カリフォルニア州立大学ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業。76年TBS入社。ラジオ番組を振り出しにアナウンサーとして活躍。89年独立。

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(フリーアナウンサー 生島 ヒロシ 構成=東 雄介 撮影=大槻純一)

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