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年商1億!「浪速のビラ配り女王」伝説の集客術

プレジデントオンライン / 2019年12月23日 17時15分

山田氏(左)「相手のYESの意思を引き出すまでがビラ配りだ!」

■早稲田の学生をカモにする方法

飲食店舗や講演会の集客方法といえば、フェイスブックやツイッターなどのSNSを駆使するケースが主流となっているが、スマホ普及率が8割を超えるこの時代に極めてアナログな方法で人集めに成功している人物がいる。

「必要な時間は3分。居酒屋の客引きから、講演会の集客、SNSアカウントのフォローまで。私にとって、お客様を呼ぶ方法は1つだけです」

そう語る山田直美氏の集客手段は、なんとビラ配り。現在、企業向けにビラ配りの方法をコンサルティングする彼女は、たった1人で自身が経営する大阪・梅田の居酒屋に1年間で5000人の集客に成功した「浪速の集客女王」だ。その手腕を活かし、現在は、リラクセーションサロンを含め3店舗を経営し、美容室や飲食店向けにビラ配りの方法をコンサルティングするほか、セミナーの集客代行などで、年商は1億円ほどだ。

「正解がわかれば、もっとも効率がよいのがビラ配りなんです」と山田氏。

その方法は、ビラ配りの常識を覆す手法の連続だった。

「ポイントは大きく3つ。店舗に来ていただくお客様でも、セミナー集客でも、ビラ配りの正解は一緒です」

1つ目は「お客様の気分を考える」。

■吉祥寺から元気発信してます

「商店街ならば、道の邪魔にならないことは大原則です。実は、ビラ配りはその日にもらっていただけなくても、毎日同じ場所に立ち続けることで、『君、いつもいるよね』とある日声をかけられて手に取っていただけるケースが少なくないんです。顔を覚えてもらう意味でも、通路の邪魔にならず、街の風景に溶け込むのは重要です。また、ビラを配るときに地名を入れて自己紹介するのも記憶に残らせるコツです。『新宿のマスコットガールです!』『吉祥寺から元気発信してます!』など、セリフはなんでも構いません。

もちろん、ビラを配る場所や時間が違えば、テンションも変えます。21時台ならば、飲んだ帰りのサラリーマンが多いですよね。そういう場所では少し明るめに話しかけます。『だーれだ?』と笑顔で話しかけて、自分がどこから来たのか、どこに所属しているのか自己紹介をしたうえでビラを渡すと、ノリノリで受け取ってくださる方が多いです」

2つ目は「必ず会話をする」。

「大学生向けに開かれる就活セミナーのビラ配りをしたことがありますが、早稲田大学の前で、3日間ビラ配りしただけで100人の参加者を集めることができました。このときの成功のコツはとにかく会話を続けたこと。ビラを受け取った方が明らかに学生さんでも、『早稲田の学生さんですか?』と声をかけます。相手からの『はい』を引き出せば、会話が成立しますよね。

次に、『五反田ってご存じですか?』と続けます。『知っています』と言われたら、チケットを見せながら五反田でセミナーがあることを話します。一方的な説明をせずに、『10月19日ってなにしてますか?』と質問して相手のスケジュールを聞いていきます。ビラを手に取ってもらった時点で“ノルマ”が終わったと思う方が多いですが、これが一番ダメ。相手のYESの意思を引き出すまでがビラ配りです」

ここで、山田氏は「当日来られる」という人だけにビラを配るという。来られないという人には、LINE@やツイッターをフォローしてもらい、見込み客になってもらう作戦だ。

3つ目は「絶対に『ありがとう』と『いまお時間いいですか?』『もしよかったら……』を言わない」。

「これらはビラを配るときの常套句ですが、こちらが配っているビラの中身はお客様が絶対に満足していただける店舗やセミナーなんです。ならば過剰に下手に出る必要はありません。お得に利用できる“プレゼント”を配っているという意識を持つのです。逆にビラを受け取った相手が『話を聞いてあげた』という意識になってしまっては、こちらの優先順位は落ちてしまいます」

山田氏いわく、ビラ配りは「客の感触を直接確かめながら集客を確約できるベストな手段」。デジタル全盛のこの時代でも、逆転の発想で超アナログでも勝てる戦略はあるようだ。

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山田直美
1973年、京都生まれ。教材販売会社のトップセールスレディを経て、NYに留学後、2003年、1人で居酒屋を開業。ビラ配りだけで1年間に5000人の集客に成功。現在はビラ配りプロとして企業や店舗のビラ配り支援、コンサルティングを行う。

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鈴木 俊之(すずき・としゆき)
編集者・ライター
1985年生まれ。12年法政大学卒業、出版社入社。月刊誌編集部を経て15年独立。専門分野は金融、起業、IT、不動産、自動車、婚活、美容など。

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(編集者・ライター 鈴木 俊之)

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