強硬路線を取る「交渉のプロ」、オブライエン氏
プレジデントオンライン / 2020年1月16日 11時15分
■自制の利く調和型
米トランプ政権の4人目の国家安全保障問題担当の大統領補佐官。前任のボルトン氏と比べると「地味」な印象だが、堅実な仕事ぶりに定評がある。2018年5月から人質問題担当特使を務め、トルコやイエメンで拘束された米国人解放に尽力した。スウェーデンで暴行容疑で拘束された人気ラッパーのエイサップ・ロッキー氏を釈放、帰国させてトランプ政権の株を大いに上げた。
自分より目立つ男が嫌いなトランプ氏にとって、我の強いボルトン氏は「ケミストリー(相性)があわない」。その点、オブライエン氏は共和党の伝統的強硬外交路線を重視し、中国、イランにも警戒心を忘れない一方で、自制の利く調和型。米中関係についても「トランプ大統領は香港で進行中の危機に対して目をふさぐことはない」とけん制しながら、通商協議については年内の第一段階合意への可能性を仄めかす。
元弁護士でモルモン教徒。ブッシュ・ジュニア政権下では当時国連大使のボルトン氏とともに国連改革に取り組んだ。民主党政権時代のクリントン元国務長官の下で国務省高官を務めたこともある。抜擢にはポンペオ国務長官の強い推しがあった。
反米デモが盛り上がるイランや、香港問題と通商協議の駆け引きのさなかにある中国、北朝鮮の核問題など微妙な外交・安全保障問題への取り組みに、その潤滑油的役割が期待されている。日本にとっては、厳しい人質交渉で成果を挙げてきたオブライエン氏に、北朝鮮の拉致被害者奪還を協力してほしいところだ。
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アメリカ大統領補佐官
1966年生まれ。カリフォルニア州出身。UCバークレー校法科大学院で法務博士(JD)を取得。国連勤務、米国務省勤務などを経て現職。
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(ジャーナリスト 三河 五朗 写真=時事通信フォト)
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