理系社長はなぜ右脳センスと話し方を鍛えたか
プレジデントオンライン / 2020年1月19日 6時15分
■朝活に通って“デザイン思考”を強化
野村総合研究所で女性初の執行役員となった北川園子さん。2児の母として、仕事、家事、育児に毎日全力で走り続けていた日々もあったが、学び方の基本は変わらず、「本を読む」→「プロに聞く」→「実践・体験する」の3ステップ。自分の腹に落としこんでみないと何事も納得できないという。
そんな彼女が朝活で行っている“学び”の1つが「グラフィックファシリテーション」。これは、会議やワークショップなどで話される内容を、イラストやさまざまな視覚表現を使いながら“見える化”していくこと。その結果、場を活性化させ、共感を促すことができると、最近注目されている。
「私は論理的思考は得意ですが、デザイン的思考に乏しく、ビジュアルで情報を共有できたら、部下とも相互理解が深まり、アイデアを生み出しやすくなると思ったのです」
先日参加したワークショップでは、イラストを1つ選び、それを使って自己紹介をした。「私はハートを選び、『会議や議論の場を愛ある場所にしたいから』と理由づけ。するとある人はコンセントの絵を選んで『私はこの場を自分のチャージの場にしたい』って言ったのです。『うまい!』と感心しました(笑)」
組織の中でも、上から目線の上司の物言いでは、部下は率直な意見が言いづらい。柔らかなコミュニケーション術として、この手法を取り入れたいと北川さんは語る。
■与えられた課題はギフト。ゲーム感覚で楽しむ
さらに、もう1つ学んでいることがある。それは「話し方」。「最近、大勢の人の前で話す機会が増えてきたんですね。その際、自分では強いパッションを持って話しているつもりでしたが、共感力と影響力が低いと指摘されて……」。そこで社内のアナウンサー経験者にプライベート指導を依頼。「まず指摘されたのは『自分をどう見せたいか?』ということ。“見せる”だなんて考えたことがなかったので、目からウロコでした」
対話をするとき、“伝える”ことが第一となりがちで、聞き手からの見え方を考えることはあまりない。でも「説得力があるとか、『私にもできる!』という動機づけを与えたいとか。まずは見せたいイメージをつくり、話し方を変えるだけで、伝わり方が全く異なるんです」。
さらには主張したいことを一方的に言葉で発すればいいわけではない。聴衆を前にした講演では「皆さんはどのように感じますか?」と問いかけをしてみたり、1対1のときは対面ではなく横に並び、サポートするように話す。北川さんの場合、まず家族に実践してみてフィードバックをもらう。家族は率直で忌(き)憚(たん)ない意見をくれるのがありがたい。
「以前『360度評価』や部内アンケートでの自分への指摘事項がパワーポイントの資料で配られた際、『アンケートのコメントを生で見たい』とリクエストしたんです。皆の声を直接感じることができ、それを読んでいると、“ギフト”がたくさんちりばめられている気がしました」
家族や部下からの、時には厳しい指摘も次のステージへ行くための贈り物。素直に反省して復習して実践して、を繰り返す。「せっかくすてきなギフトをもらったのだから、お返しをしたいじゃないですか。そんな思いで日々学んでいます」
30代前半 クリティカルシンキング、ファシリテーション、コミュニケーション。
43歳ごろ リーダーシップ論、組織論、コーチング。
46歳ごろ 社会心理学、マインドフルネス、ダイバーシティ。
49歳(現在) 経営や人前での話し方。グラフィック。色彩検定。茶道や着付け。
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野村総合研究所 執行役員
1970年生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、野村総合研究所入社。証券リテールフロントシステム三部長、金融ITイノベーション事業本部副本部長などを経て、2019年より現職。
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(野村総合研究所 執行役員 北川 園子 文=水島彩恵 撮影=神ノ川智早)
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