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SNSで「リアル家計簿」を見せる人が増えた理由

プレジデントオンライン / 2019年12月27日 9時15分

YouTubeチャンネルで毎月家計簿を公開しているくらまさん。

SNS上で家計簿を公開することが密かなブームとなっている。お金を貯めたくても貯められない人は、人から監視されることが一番の近道のようだ。「プレジデント」(2020年1月17日号)の特集「日本人の給料、貯金、家、年金」より、記事の一部をお届けします――。

■家計簿は人間ドックのようなもの

なぜ家計簿を公開するだけでお金が貯まるのか。家計簿をつけることは、ひとことで言うと人間ドックなんです。収支を洗いざらい出すと、家計の状態がわかる。そうすればどこが問題なのか整理でき、しっかりと貯金できるわけです。FP(ファイナンシャルプランナー)の観点から考えても、家計の再構築は家計簿をつけないことには始まりません。

ですが、家計簿を続けるのが苦手な人も少なくありません。そこで家計簿を公開することが継続のコツとなるでしょう。そもそも1人で黙々とできる人は少数派です。大半は途中で「ああ、もういいや」と怠けてしまうものです。家計簿を公開することは他人に節約の意思を公言することになる。「自分は貯金しますと宣言したのにできていない」という緊張感が生まれ、半強制的な環境を構築できます。

さらに、コメント欄を開放しておけば、「そんなの無駄遣いだ」と指摘されることもあり、さらに効果的です。叱咤激励のコメントに目をつむるのではなく、真摯に受け止めて改善していくことです。

とはいえ、私みたいに顔出しで手取りも全部公開することは、個人情報を特定されてしまう恐れがあるのであまりおすすめしません。完全に匿名でやるか、もしくは親や恋人、友達や同僚に限定で公開すれば安全です。公開するツールでいえばインスタグラムがおすすめ。写真でパッと見られて、ブログよりも手軽なため、家計簿公開のツールとして実は人気なのです。

■手取り24万円でも18万円は貯金できる

他人の目は関係ありません。見栄を捨てた結果、私の部屋の家具はダンボールです。テレビ台、パソコン台、物置台などはダンボールでできています。引っ越すときは捨てればいいし、荷物も減るので楽です。保温性もあって除湿にもなる。傷んだら本当は替えたほうがいいのですが、私は大雑把なところがあるのでガムテープでぐるぐる巻きにして補強しています。見た目も悪くないと思っており、むしろアーティスティックに感じています。

「ダンボール家具に囲まれる生活は、暖かくて心地良いです」(くらまさん)

家賃に関しては会社の手当により月5000円で済んでいます。就職活動の時点で、手厚い福利厚生がある会社に絞っていたためです。やはり固定費の負担は大きい。家賃を限りなくゼロに近づければ、貯金も節約もできるという判断をしました。

どんどん生活レベルを落として、最終的にはホームレス級に質素な生活が目標です。あらゆる欲を消し去った環境にできたら、無敵じゃないですか。平日は普通のサラリーマンで、休日はホームレス状態という二面性を出せたら面白いかなと思っています。

私は節約に命を懸けています。なぜそこまでするかというと、節約は何よりも結果がすぐコミットされるからなのです。例えば昼食を1日我慢するだけで、1000円浮く。その瞬間から利益が発生するのです。お金を貯めたいなら、まず生活レベルを下げること。そのあとで精神的に余裕ができたら、副業などで収入をアップしていけばいいのではないでしょうか。

多くの人が貯金や節約が苦手であることを、私は社会問題だと捉えています。老後2000万円問題、堀江貴文氏の手取り14万円に関する投稿問題しかり。さらに増税したからといってその分給料が上がるわけではない。私たちサラリーマンは生活がギリギリな方が多くなってきています。

この社会問題を解決するためにも、私は動画を配信しています。生活習慣に節約と貯金の思考を組み込んでもらえたらと思っています。現代ではそういったコンテンツに簡単に無料で触れることができます。節約や貯金の動画、SNSで発信している人をフォローして、日頃の情報から自分のマインドや考えを染めていけば意識は変わるはずです。

私も、もともと家計簿をつけるタイプではありませんでした。家計簿をつけるようになったのは社会人になってからです。何百万円の奨学金を背負っているというコンプレックスがあり、どれだけ稼いでも無報酬で働いているような気分でした。コンプレックスをバネに何でもやらなきゃいけないと思い、家計簿をつけ始めたのです。

1カ月に平均して18万円貯金できているので、年間で216万円。そこにボーナスも乗れば250万円は貯蓄に回せます。現在は4年間で1000万円を目標に貯金しています。始めて1カ月目の家計簿で問題視したのは、圧倒的に食費と通信費です。1日3食、食べていましたが、非常に効率が悪い。西洋における1日3食の習慣はエジソンがパン焼き機を発明したことで広まったという説もあります。つまりは消費を促すためのマーケティングなのです。

野生動物であれば1日1食、食べられるかどうかもわからないわけです。それなのに、人間は毎日のように食べているわけじゃないですか。そこで常識を疑い、1日1食でいいんじゃないかと。夜の1食生活によって、月4万円使っていた食費を2万円弱に抑えることができた。ただ、たんぱく質や野菜を取るように、栄養バランスには気をつけています。食費は変動費なので、自分の気持ち次第でいくらでも下げられます。まず節約したいと思ったら、食費の見直しが必要でしょう。

通信費については格安スマホに変えました。3大キャリアだと月7000円くらい吹っ飛びます。格安スマホにしたら月2000円になったので、月5000円、年間6万円のカットです。食費と通信費合わせて月に約3万円の節約。年間にすると約36万円です。

■経済は見栄の張り合い、あおり合い

お金が貯まらない人の特徴の1つに、見栄を張ってしまうというのがあります。経済は見栄の張り合いで回っています。どんな場所にも広告があり、見栄をあおる。見栄を張り続けるのは青天井で、無尽蔵にお金と時間が奪われます。

旅行が大好きな知人が、何百万のリボ払いがある状態でヨーロッパやアメリカに旅行へ行ってしまうのですが、その理由がインスタに写真を載せたいから。綺麗な景色や美味しそうな料理を見せることで、自分の承認欲求を満たしたいだけなんですね。

子ども部屋おじさんという言葉がありますが、住む家があるならそれはそれでいいと思っています。実家にしがみついてでも、家計に余裕を持てているのなら、それは恥ずべきことではありません。他人の目は関係ないのです。

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くらま YouTuber
節約系YouTuber。手取り24万5000円、1人暮らしをしながら大きく貯金に成功。その常軌を逸した徹底的な節約・倹約生活を動画にして「倹者の流儀」にて発信している。FPの資格も取得済み。

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(YouTuber くらま 構成=ツマミ具依 撮影=藤中一平)

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