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妻の実家で感じる居心地の悪さを回避する方法

プレジデントオンライン / 2020年2月2日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/visualspace

■居心地の悪さを改善するには?

「妻の実家に帰るの、億劫だなあ」とボヤく男性の皆さん。年末年始恒例のお悩みかと思います。

どうにも気疲れする、何もすることがなく居心地が悪い、妻がリビングからいなくなると場が持たない、「遠慮せずにもっと食べてね」を断れず、無理やり食べなくてはいけない状況が辛い……。そんな話を聞くことも少なくありません。

この居心地の悪さを心理学的に解明し、回避できる方法はあるのでしょうか。

妻の実家で感じがちな居心地の悪さを、心理学用語の「ダブルバインド(二重拘束説)」という概念で説明してみましょう。

ダブルバインドとは、矛盾するメッセージによって言語や非言語、文脈など2階層の論理レベルに拘束されて、かつその状況から逃げられない。この3条件が揃うと、ストレスを受けることを指します。

「妻の実家」に当てはめると、義理の両親から「自分の家のようにくつろいでね」「何もしなくていいから」と言われる(①言語層)、しかし言われた通りにくつろいでスマホばかり見ていると微妙な空気が流れる(②文脈層)。

さらに、妻の実家との関係は、男性にとって「切ることができない」=つまり逃げられない(③)、加えて、その状況をストレスと感じることも許されない(③)という、抑圧したストレスが生じるダブルバインドが堅固に成立しています。

じゃあどうすればいいのか。実は妻も、夫の実家に行ったときには同じダブルバインド状況に置かれます。しかし妻はこれを上手に突破しています。

妻たちは、「何もしなくていいから」という①言語層に従わず、ぐいぐいと料理を並べたり、台所に入って茶碗洗いをしたりする。これによって、ダブルバインド状況を阻止しているのです。

ただし、何もしなくていいという言葉に従ったら、後から何を言われるかわからない、という性役割における社会的文脈も発生するかもしれませんが。

妻たちは完全オンモードでいたらいたで、「ほら、うちの母が何もしなくていいって言ってるんだから、くつろげば?」なんて薄ボンヤリしたことを言う夫にイライラしている面も(おっと、もはや心理学の知見ではなくただの愚痴かもしれませんが)。

■休暇であってもオンモードでいる

結論として、この帰省によるダブルバインド状況を突破するには、自分の実家に帰るときは“オフ”、パートナーの実家に帰るときは休暇であっても“オン”。そういうものだと割り切ることです。

したがって、妻の実家にいるときは、男性はオンモードでいれば居心地の悪さを改善できます。「何か僕ができることありますか?」と聞いたり、「~しましょうか?」と申し出ましょう。「くつろいで」と言われても何かをするのが得策です。

そのとき、妻がオフモードであっても「なんで君もやらないんだ」などと巻き込まないでいただけると完璧ですね。

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生田 倫子 臨床心理学者
神奈川県立保健福祉大学准教授。著書に『ブリーフセラピーで切り抜ける対人トラブル即解決力』ほか。趣味は競技ダンス。

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(臨床心理学者 生田 倫子 構成=池田園子)

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