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「スマホで家計簿」がきちんと続く人の記帳習慣

プレジデントオンライン / 2020年1月7日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fatido

家計簿は紙とアプリ、どちらでつけるべきか。ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏は「家計簿アプリを使えば、口座引き落としやカード払い、電子マネーなどでの支払いをすべて自動記帳してくれます。現金払いでもレシートを撮影すればほぼ自動で記帳できます。使わない手はありません」という――。

※本稿は、山崎俊輔『大人になったら知っておきたい マネーハック大全』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

■「苦しい」「辛い」「反省」がいらないスマホ家計簿の効能

家計簿をつけている人とつけていない人とでは、つけていない人のほうが多数派です。アットホームの調査によれば男性の記帳割合が27.1%、女性の記帳割合が42.9%となっていて、平均すると35%ちょうどになります。おおむね3人に1人くらいです。

家計簿をつければ、お金の流れを見える化できます。記帳すべきかどうかといえば、記帳したほうがいいに決まっています。しかし断念した経験がある人もたくさんいると思います。

家計簿が続けられないという問題、マネーハックの発想でなんとかならないものでしょうか。

■家計簿を続けられない6つの理由

私は家計簿を続けられない問題の最大の理由は「誤解」だと思います。みなさんの家計簿のイメージといえば、次のようなものではないでしょうか。

◎記帳が面倒
◎時間がとれない
◎計算したくない
◎端数合わせが大変
◎使途不明金がいやだ
◎反省しなくちゃいけない

おおむね「苦しい」「辛(つら)い」といったキーワードに集約されるイメージです。

ところがこれらすべて「スマホ」を使えば解消されるとしたらどうでしょうか。実はこういうマイナスイメージは本来の家計簿の目的ではないからです。

■「自動記帳で楽」「自動集計で楽」スマホの家計簿を使わない手はない

家計簿のマイナスイメージである「面倒」の理由は紙の家計簿を想定しているから起こる現象です。スマホとフィンテックを活用することにより、家計簿はこんなにラクになります。

1 家計簿アプリを使えば記帳は自動化できる

オンラインバンキングを連携し、銀行口座、クレジットカードや電子マネー、楽天やAmazonなどのECサイトのアカウントをひも付けると、それらの購買履歴や入出金履歴を自動的に記帳できるようになります。使ってみるととても便利です。

そもそも銀行口座から自動引き落としされている水道代、クレジットカードから引き落とされたスマホの料金を「手入力」すること自体が面倒で非効率です。そういうことは自動化させればいいわけです。

現金で払った場合もレシートをカメラ撮影して半自動化した入力が可能になっています。1000万画素のカメラは自撮りではなくレシート撮影のためにあるのです。

2 集計と分析は自動化できる
山崎俊輔『大人になったら知っておきたい マネーハック大全』(フォレスト出版)

スマホアプリですから、集計は完全に自動化されます。「日別」「週別」「月別」「費目別」「前月との比較」などなど、計算を電卓で叩くのは完全に不毛な行為です。そんなことは機械にすべてやらせてしまえばいいのです。

スマホアプリなら自動集計したうえで、グラフ化も自動で行ってくれます。スマホのCPUの演算速度を考えればまったくたいしたことではないのですが、私たちにとってはこれくらい便利なことはありません。

これだけでも「紙の家計簿」は捨てて「スマホの家計簿」に切り替える価値があります。

■スマホ家計簿なら「端数合わせ」は必要ない

3 端数合わせは自動化したうえで無視する

紙の家計簿のもうひとつの難点は端数合わせでした。というか端数合わせをする辛さが家計簿を断念させる理由のひとつだったと思います。

端数合わせについてはまず合計は自動的に計算されますから、計算ミスを疑う必要はありません。記帳漏れをなくせばいいわけですから、まめに記帳をすれば気にしなくてよくなります。

写真=iStock.com/wutwhanfoto
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/wutwhanfoto

また、端数合わせが家計簿の目標ではないと発想を逆転させてみてはどうでしょうか。本来の目標は家計の把握と将来の支出の改善を行うことです。だとすれば1日数円程度の端数はほどほどのところで無視してもいいのです。

この3点だけで、ずいぶん気が楽になるのではないでしょうか。眉間にしわを寄せる家計簿なんてやめて、「ラク」をして「楽しく」続けたほうがいいのです。

■家計簿を夜中にまとめてつけるのはNG

記帳をするスタイルについてもマネーハックしてみましょう。みなさんの家計簿のイメージは「毎日、夜にまとめて」か「週末にまとめて」つけるものでしょう。実際スマホ家計簿になってもまとめて週末につける人は多いそうです。

しかしこれ自体が「紙の家計簿」の呪縛にとらわれている証拠です。そもそもあなたのスマホは朝から晩まであなたと一緒に過ごしているわけですから、あなたは家計簿を毎日持ち運んでいるようなものです。夜につけるというルールはありません。

むしろ発想は逆転して「買ったその場でつける」か「買った数時間以内につける」をルール化してしまうほうがマネーハック的です。

例えば下記のタイミングを記帳時間に変えてみます。

◎朝の通勤電車の中
◎職場の席でパソコンの起動待ち時間
◎昼休みのランチを注文した待ち時間
◎トイレ(個室)に座った直後
◎会計のレジが長いときの待ち時間
◎帰りの通勤電車の中
◎寝る直前

■スマホ家計簿なら「帰宅してからまとめてつける」の発想が消える

いつもならニュースやSNS、ゲームをやる時間の「ちょっと数分」を削って家計簿アプリを起動します。そして「前のアプリ起動時からの未記帳分」を記帳してからSNS等に戻るのです。

毎日何度も起動すれば「未記帳分」は数時間さかのぼるだけですみます。これは「一度当たりの記帳時間を減らす」ことになりますし「記帳忘れを防ぐ」ことにも絶大な効果があります。「帰宅してからまとめてつける」の発想を、「そのつど小刻みにつける」に変えてしまうことでつけ忘れもなくなり、記帳の負担も軽減することになるわけです。

なお、すべての購買履歴を記帳できるなら、10円単位でつけてもかまいません。「1円合わせ」が家計簿の仕事と誤解している人が多いのですが、そんなルールはありませんし、現金と電子マネーと銀行の預金残高を完全に一致させるのはほとんど困難です。

それよりも「1カ月のお金の流れが分かればよい」と割り切り「続けることのほうが価値がある」と考えるほうがマネーハック的です。

端数を丸めて記帳したら1日10円の誤差が出たとします。しかし1カ月あたり310円にしかなりません。実は「自販機で買った150円のジュース2本」を未記帳しただけで、誤差は同程度になります。

ですから「ぜんぶ記帳はするが、端数は適当に記入」でいいのです。

同様に「スーパーマーケットの買い物合計額のうち、食費と日用品を分ける」ようなこともざっくり分けておけば大丈夫です。

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山崎 俊輔(やまさき・しゅんすけ)
ファイナンシャルプランナー
1972年生まれ。企業年金研究所、FP総研を経て独立。執筆活動、講演を多数行っている。著書に『スマホ1台で1000万円得する! マネーアプリ超活用術』(PHP研究所)など。

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(ファイナンシャルプランナー 山崎 俊輔)

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