読書家が注目する「12月のビジネス書」ベスト20
プレジデントオンライン / 2020年1月8日 11時15分
第2位:『知識を操る超読書術』(メンタリストDaiGo著、かんき出版)
第3位:『時間革命』(堀江貴文著、朝日新聞出版)
第4位:『他者と働く』(宇田川元一著、NewsPicksパブリッシング)
第5位:『日本社会のしくみ』(小熊英二著、講談社)
第6位:『東大集中力』(西岡壱誠著、大和書房)
第7位:『印象はしゃべらなくても操作できる』(木暮桂子著、サンマーク出版)
第8位:『苦手な人を思い通りに動かす』(グレッチェン・ルービン著、花塚恵訳、日経BP)
第9位:『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治著、新潮社)
第10位:『21 Lessons』(ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳、河出書房新社)
第11位:『諸葛孔明 人間力を伸ばす7つの教え』(姚磊著、金光国/李夢軍/高崎由理訳、日本能率協会マネジメントセンター)
第12位:『ロウソクの科学』(ファラデー著、三石巌訳、KADOKAWA)
第13位:『禅マインド ビギナーズ・マインド』(鈴木俊隆著、松永太郎訳、サンガ)
第14位:『ビッグデータ探偵団』(安宅和人/池宮伸次/Yahoo!ビッグデータレポートチーム著、講談社)
第15位:『1分で話せ』(伊藤羊一著、SBクリエイティブ)
第16位:『会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン』(川野泰周著、すばる舎)
第17位:『「値づけ」の思考法』(小川孔輔著、日本実業出版社)
第18位:『僕は偽薬を売ることにした』(水口直樹著、国書刊行会)
第19位:『アパレル・サバイバル』(齊藤孝浩著、日本経済新聞出版社)
第20位:『世界一シンプルなモノの売り方』(青木毅著、きずな出版)
※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2019年11月の閲覧数ランキング
■「礼儀正しさ」が職場のパフォーマンスを上げる
今月の第1位は『Think CIVILITY』でした。本書を読むと、「優秀な人」のイメージが変わるかもしれません。
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一般的に優秀な人というと、発言力が強く、周りをグイグイ引っ張って仕事に邁進(まいしん)する人が想像されます。また、役職が上の人間は、ある程度威厳があったほうがいいと考える人もいるでしょう。ですが本書によると、それは誤った考えなのです。
著者クリスティーン・ポラス氏は、活気ある職場づくりをモットーにさまざま活動をするなかで、礼儀正しさこそがすべてのカギだと悟りました。礼儀正しさはその人の評価を向上させるだけでなく、職場全体のパフォーマンス向上にもつながります。
礼節の大切さはわかっていても、忙しさからおろそかになってしまうこともあるかもしれません。ですがそれを守るための努力がどれだけ大切なのか、本書を読むとあらためて実感できるはず。自分自身や周囲の人たちの礼節が気になったとき、ぜひお読みいただければと思います。
■時間がなくても本を読むことはできる
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第2位は『知識を操る超読書術』。本書で語られるのは、1日に10冊から20冊を読むというメンタリストDaiGo氏の読書術です。
といっても「速読」をすすめる本ではありません。実は「速読」は、科学的に効果がないとされています。代わりに本書で推奨されているのが「スキミング=拾い読み」。読む本や読む箇所を減らし、読むべき場所を集中的に読んでアウトプットすることで記憶に定着させるという方法です。
「1ページ目から順に読んでいくのが本の正しい読み方だ」と私たちは教え込まれてきました。ですが本書に書かれている方法を実践していけば、もっと軽やかに本と接することができるようになります。「本は読みたいんだけど時間がない」という人は、まずこの本から読みはじめてみてはいかがですか。その後の読書体験が変わるはず。
■他人に振り回されるほど、人生は長くない
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第3位は『時間革命』でした。11月の月間ランキングでも第4位にランクインしており、多くの方に注目されていることがわかります。
「ホリエモン」の愛称で親しまれている堀江貴文氏が最も大事にしているもの、それは「時間」です。「時間は人生そのもの」であり、「時間こそが誰もが平等に手にできる、唯一の資産」、「その価値を最大化することに、すべてを注ぎ込まなければいけない」と熱く語る堀江氏。本書では、自分の時間を増やして人生の質を上げるための具体的な方法が書かれており、日々「時間がない」と感じている人にとっては大いに参考になるでしょう。
「ホリエモンだからできるのではないか」と感じる人もいるかもしれませんが、書かれていることはとてもシンプルで、誰でも取り入れられるはず。他人に振り回されるには、人生は短すぎます。人生をより色濃く、充実したものにしたいのなら、読むべきは本書です。
■組織の「わかりあえなさ」を解消する
ここからは4位以下の書籍から、注目の書籍をご紹介します。
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まずは第4位『他者と働く』から。組織においては、ノウハウが通用しない問題が次々と出てきます。しかも当事者同士の間に溝ができているのに、そのことに気づけていないという状況もよくあります。
なぜ組織では正論が通らないのか。組織における「わかりあえなさ」を解消する方法はあるのか。本書はそうした疑問に答えてくれます。とりわけ革新的なのが、組織の未来を明るくする方法を、心構えではなく再現性の高いメソッドとして提示しているところ。また「不快感」「違和感」「居心地の悪さ」といった、心のざわつきに耳を傾けることの大切さにも言及しています。
実践と研究から生まれた著者・宇田川元一氏の言葉には、深い含意があります。よりよい未来を切り開きたいと考えるすべての方にお読みいただきたいです。
■『ホモ・デウス』のハラリ氏が「現在」を問う
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第10位の『21 Lessons』にも注目です。『サピエンス全史』で人類の「過去」を、『ホモ・デウス』で人類の「未来」を描いたユヴァル・ノア・ハラリ氏が、人類の「現在」について問いかけています。
本書では、まずテクノロジーの発展が社会制度やイデオロギーに与える影響について検討し、それを踏まえたうえで、私たちはどう生きるべきなのかが語られます。本書に登場する21の論点は「自由」や「平等」のような政治思想から、「雇用」や「ポスト・トゥルース」といった社会問題、「謙虚さ」や「意味」といった哲学的議論までさまざまですが、どれも明快に語られており、非常に興味深い内容となっています。
日々の生活から少し離れ、人生の意味や意義について思考を深めたい人におすすめです。いつもとは違うレンズを通して「現在」を見つめることで、普段気づけなかったことが見えてきます。
■1本のロウソクから、科学のおもしろさを知る
最後にご紹介するのが、第12位『ロウソクの科学』。今年のノーベル化学賞に選ばれた旭化成の名誉フェロー、吉野彰氏が愛読したことで注目を集めた古典的名作です。
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本書に収録されているのは、「ファラデーの法則」で知られるファラデーの、クリスマス講演の内容です。1本のロウソクを通して、科学の面白さ、自然の法則、そして人間同士や人と世界との交わりを伝えるその手腕は、さすがとしか言いようがありません。現代の理科で採用されている実験も多く、少年少女たちの心をつかむような工夫が盛りだくさん。幼少期に吉野氏が本書を読んで、科学のおもしろさを知ったというのも納得の内容です。
ファラデーが伝えたいメッセージは、現代にも十分に通じるものです。学生時代に戻ったつもりで、科学のおもしろさにいま一度浸ってみてはいかがでしょうか。
今月のランキングでは、先月も読まれた書籍がいくつもランクインしました。『時間革命』(第4位→第3位)、『諸葛孔明 人間力を伸ばす7つの教え』(第12位→第11位)、『会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン』(第6位→第16位)の他、2019年上半期ランキング第1位だった『1分で話せ』も、再び第15位まで順位を上げています。2020年初の月間ランキングはどうなるのか、注目したいところです。
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(flier編集部)
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