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「○日○時までしない」で妻の性欲は引き出せる

プレジデントオンライン / 2020年1月20日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rattankun Thongbun

セックスレスから抜け出すにはどうすればいいのか。医師のエレン・ストッケン・ダールとニナ・ブロックマンは、「セックスをする日時をあらかじめ決めておくのも一つの手だ。それ以外のときはセックスのことを考えずにすむので、性欲が自然と戻ってくる」という――。

※本稿は、エレン・ストッケン・ダール、ニナ・ブロックマン著、池田真紀子訳『からだと性の教科書』(NHK出版)の一部を再編集したものです。

■女性の性欲はコントロールできる

さまざまな実験から、“女性の性欲は頭のなかにあり、それを操作することは可能である”ことがわかっています。だけど、どうやって?

エミリー・ナゴスキーがわかりやすく説明してくれています。体のてっぺんから指示を出す、気配り上手の指揮官としての脳を想像してみましょう。指揮官は体や周囲の環境から送られてくるシグナルを休みなく受け取り、解釈し、組み合わせて、微調整をほどこしながらイメージを作っています。神経系とそこから脳に向けて発せられるシグナルは、0と1からなるコンピュータの情報のように、とても単純な構造をしています。

たとえば“進め”(興奮)と、“止まれ”(抑制)のシグナルが同時に送られてきたとしましょう。脳は、興奮のシグナルと抑制のシグナルのバランスを調べ、その瞬間、体に向けて発するべき指示を判断します。もしみなさんがブレーキペダルを思いきり踏んでいるとしたら、同時にアクセルペダルを踏んだとしても、何も起こりません。結果は前と同じ――みなさんは停止したままです。

意識的にであれ無意識的にであれ、みなさんを性欲から遠ざけている理由がそれぞれブレーキペダルに少しずつ力をかけていると想像してみてください。たとえばストレス、鬱状態、自分の体に対する自信のなさ、罪悪感、オーガズムを得られないのではとの不安。一つひとつの力は小さいけれど、全部が集まると、ブレーキペダルは床に届くくらい深く踏みこまれ、ものごとは完全に止まってしまいます。

■性欲がわくこと/わかないことのリストを作る

ブレーキにかかるこの大きな力を取り除くには、もっと強力な“進め”のシグナル――たとえば愛や快楽のような――を脳に送りこまなくてはいけません。報酬は努力より大きくなくてはなりません。たとえば相手に夢中になっているときなら、放っておいてもそうなることもあるでしょう。

しかし、自然にそうならないのなら、“進め”のシグナルが優位に立てるようお膳立てし、“止まれ”のシグナルをできるかぎり弱めなくてはなりません。とてもぼんやりした話に聞こえるかもしれないけれど、実際にはミステリーでも何でもない話です。

初めの一歩は、性欲とは自然に湧いてくるものではないし、生まれつきのものであって変更はできない性質というわけでもないという事実を認め、受け入れること。その次に、自分にとって性欲のスイッチをオンにするもの、オフにするものが何であるかを考えます。ナゴスキーの言うとおり、まずはリストを作るところからやってみましょう。

▼その気をなくさせるものは?
眠ろうとしていたのにセックスをすること――睡眠不足で翌日に差し支えるのではと心配になるから。落ちこんでいるときや悲しいとき。その気がないときパートナーから誘われること――またしても彼/彼女を拒まなくてはならないから。二人の関係の将来が見えないこと。焼きモチ。次にどうするか予想がついてしまう、決まりきったセックス。パートナーに自信を持たせるために、わたしもいかなくちゃいけないというプレッシャー。ストレス。やらなくてはならなかったのに昼間できなかったことを思い出して心配になったとき。自分が醜く思えるとき。シャワーを浴びていなくて、不潔に思えるとき。ベッドで携帯電話をチェックしているとき。

■リストができたら「条件」をそろえていく

▼その気にさせるものは?
時間がたっぷりあって、急がなくていいとわかっているとき。おしゃべりなしの短時間のセックス。オーガズムの連想。自分の体に自信が持てるとき。官能的な本や映画、ポルノ映画の鑑賞後、エクササイズのあとのセックス――エンドルフィンが満ちあふれて、まだ体が火照っているから。白昼にするセックス。何も見えない漆黒の闇。洗濯したてのシーツ。愛されているという実感。褒め言葉。新しい環境。安心できる環境。自信にあふれた彼/彼女。自信に満ちた自分。背中をくすぐられたとき。ベッドで新しい何かを試すこと。わたしがベッドでしたいことがパートナーの理想と一致しているとき。

さて、リストが書き上がったところからが勝負です。バランスが“進め”にかたむくように状況を整えなくてはいけません。つまり、できるかぎりたくさんのブレーキを取り除き、同時にできるだけ多くのスイッチがオンになるような条件をそろえていきます。

■セックスの予定をあらかじめ入れておくのも手だ

決まった相手がいるなら、あなた一人で理想的な条件を整えるのは無理でしょう。パートナーを巻きこみ、あなたをその気にさせるもの、必要なものが何なのかを彼または彼女に伝えることです。

停滞期に入っているカップルの場合、セックスセラピストに相談すると、しばらくのあいだセックスを完全にやめてみようとすすめられることがあります。

また、ガイドラインを設定することを提案する場合もあるでしょう――たとえばセックスをする日時を決めて、ほかの予定を入れないようにしてみてと言われます。なんだか少しもセクシーじゃないように聞こえるけれど、実際には理にかなったアドバイスです。

いついつまでセックスはしないと決めることによって、セックスのことを考えずにすむ時間を持つことができるからです。するとやがて性欲が自然に戻ってきます。何かをほしがれと強制することはできません。性欲を感じるべきだという意識も、ブレーキの一つになるのです。

■欲求は人との関係性の中にある

エレン・ストッケン・ダール、ニナ・ブロックマン著、池田真紀子訳『からだと性の教科書』(NHK出版)

セックスをしない時期を設けるといっても、パートナーとの親密な時間を持つことまでやめる必要はありません。実際には、多くのカップルが反対の結果を経験します。何かをしなくてはというプレッシャーを感じることなく、ただ寄り添ったり、触れ合ったりするゆとりが生まれるおかげです。自分に優しくなりましょう。寛大になりましょう。もしもパートナーがそれを大切なことと思ってくれないとしたら、問題の本当の根っこはそこにあるのかもしれません。

100年の経験を持つドクター・ザスマンは、とても大切なことを指摘しています。性的欲求は真空では生まれません。欲求は人との関係にきっちりと編みこまれています。そして人との関係には、自分自身との関係も含まれています。即効薬はないとしても、わたしたちのほぼ全員が性欲を感じる能力を備えているのです。

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エレン・ストッケン・ダール 医師
ノルウェー在住。当時医学生だった2015年に開設したブログ「性器」がノルウェー最高のアクセス数を誇る健康情報ブログに成長し、『からだと性の教科書』(NHK出版)のもととなった。原著GLEDEN MED SKJEDENはノルウェーで発売後にたちまち話題を集め、36カ国で刊行決定の世界的ベストセラーとなる。

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ニナ・ブロックマン 医師
ノルウェー在住。当時医学生だった2015年に開設したブログ「性器」がノルウェー最高のアクセス数を誇る健康情報ブログに成長し、『からだと性の教科書』(NHK出版)のもととなった。原著GLEDEN MED SKJEDENはノルウェーで発売後にたちまち話題を集め、36カ国で刊行決定の世界的ベストセラーとなる。

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(医師 エレン・ストッケン・ダール、医師 ニナ・ブロックマン)

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