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あなたは「メガ・ギガ・テラ」の違いをすぐ説明できるか

プレジデントオンライン / 2020年2月16日 11時15分

■「○○1000mg配合」ってそんなに凄いの?

前回、ねずみ講の計算式で指数を使った。指数とは、ある数字を何回かけ合わせるかを示し、2乗、3乗……と数字を大きくするときに使う。2を3回かけ合わせる場合、「2³=8」と表し、その「3」が指数である。

指数はそもそも、日常では使わないような大きな数字を日常的に使う数に変換するツールだ。たとえば、「10000000000000000」。これは億、兆の次の位である1京だが、0が多すぎてわかりにくい。そこで「1×10の1016」のようにシンプルにまとめようというのが指数の発想だ。10の16乗というのは、0が16個つくということ。10の1乗は0が1個(10)、10の2乗は0が2個(100)、10の3乗は0が3個(1000)つくというふうに覚えておくとわかりやすい。

とはいえ、「日常生活で指数を使うような大きな数字を扱うことはめったにないよ」と思うかもしれない。しかし、実は指数のなかにはコンパクトにまとめすぎたために隠れてしまっているものがある。

「キロメートル(km)」の「キロ(kilo)」が代表的だ。これは「1km=1000m」という単位の変換を表している。キロメートル(km)のキロ(k)は「10³倍(×10³)」を表す記号だから、「1km=1×10³m=10³m=1000m」となる。

メートル(m)自体は長さの単位で、それを補強するのがキロ(k)という指数の単位だ。「10³m」ではわかりにくいので、キロ(k)という記号を使い、わかりやすく表しているのである。ある場所までの距離を示す際、「10000m(10⁴m)」というよりも、「10km」と説明したほうが理解しやすいだろう。

スマートフォンやパソコンで日常的に使っている「メガバイト(MB)や「ギガバイト(GB)」の「メガ(Mega)」や「ギガ(Giga)」も同じだ。データサイズ(容量)を表す単位「バイト(Byte)」に対し、「1MB=1000000B」「1GB=1000000000B」という単位の変換を行っている。MBのMは「10⁶倍(×10⁶)を表す記号だから、「1MB=1×10⁶B=10⁶B=1000000B」となる。GBも同様だ。

■小さな数字を大きく表すときにも使われる

指数がおもしろいのは、大きな数字をコンパクトにまとめるだけでなく、小さな数字を大きく表すときにも使われることである。

「○○1000mg配合!」――。栄養ドリンクや健康食品で栄養成分の多さを表示している商品をよく見かける。数字が大きいほど「なんだか効きそう」「体によさそう」という気になる。ところが冷静に考えると、1000mgというのは1gと同じ分量だ。しかし、「○○1g配合」と書かれていても、「たったの1gか」「大したことなさそう」と感じないだろうか。

1000mgの「ミリ」は「milli」で「10-³倍(×10-³)」を表す。10をマイナス3乗するという意味だ。したがって、「1000mg=1000×10-³g=1000×0.001g=1g」となる。同じように数字を小さく表す代表的な単位が「センチメートル(cm)」の「センチ(centi)」。センチは「10-²倍(×10-²)」を表す記号で、「1cm=1×10-²m=10-²m=0.01m=1/100m」となる。

このように私たちが日常なにげなく使っている用語にも、指数が隠れているのだ。指数を隠す身近な用語を表にまとめた。意外に知らないものもあって興味深いのではないだろうか。

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佐々木 淳 海上自衛隊数学教官
1980年、宮城県生まれ。東京理科大学理学部第一部数学科卒業後、東北大学大学院理学研究科数学専攻修了。代々木ゼミナール講師を経て現職。著書に『身近なアレを数学で説明してみる』がある。

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(海上自衛隊数学教官 佐々木 淳 構成=田之上 信 写真=iStock.com)

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