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全ての「頭がいい人」に当てはまる唯一の共通点

プレジデントオンライン / 2020年1月23日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taa22

「頭がいい」とは、どういう状態なのか。現役東大生の西岡壱誠氏は、「頭がいい人は、勉強や仕事を始めるときに具体的な目標を定めている。そうすると、本当に『頭がいい人』と見られるようになる」という――。

■東大生の頭の良さはどういうところにあるのか

頭がいいというのは、どういう状態のことなのか?

こう質問された時に、皆さんはどのような回答をするでしょうか。

「頭がいい状態」には、「記憶力がいい」とか「思考力がある」とか「頭の回転が速い」とか、いろんなものがあると思います。おそらく100人いれば100通りの答えがあるでしょう。

そのどれもが正しいわけですが、しかし基本的には「頭のいい人みんなに共通する要素」があるわけではありません。

記憶力はないけど当意即妙な返しをする頭の回転の速さを持っている人、テストでいい点は取れて本を読むのは得意だけどその知識を活用する思考力はない人……。

「東大に合格するほどの学力を持った人たちはこれが優れている」と1つに決められるものはほとんどありません。

「頭がいいというのはどういうことか」という質問の回答は、なかなか1つには決められないのです。

しかし、1つだけ例外があると僕は考えています。

今日は、東大生の頭の良さがどういうところにあるのか、頭がいいというのは結局どういう状態をいうのか、1つ結論を出してみたので、みなさま少しだけお付き合いいただければと思います。

僕は今でこそ東大生という立場の人間ですが、もともと高校時代の成績は偏差値35でした。多くの人に「いやいやそんなわけないじゃん!」と言われるのですが、事実なのだから仕方ありません。

■「頭がいい」とは「目的意識がはっきりしている」こと

「でも、勉強してなかったからその成績だったんでしょ?」

と言われるのですが、そんなことはありません。ちゃんと、まじめに、毎日机に向かって一生懸命勉強していたのですが、全然成績が上がらなかったのです。

じゃあ、そんなバカだった時の自分と、東大に受かる勉強をしていた自分と、どういう違いがあるのか?

その答えは非常にシンプルで、「目的意識の差」です。

例えば数学の勉強をする前に、

▼数学の勉強を今日はやろう!

と考えている状態では、絶対に成績は上がりません。この意識で勉強・仕事をしている人間は必ず結果を出すことはできないのです。

東大生は、こんな状態で勉強を行うことはありません。

▼数学の問題集の、このページからこのページまでを終わらせよう
▼数学のこの分野の勉強の、基礎をしっかり復習しよう

といった具合に、目的がはっきりしている状態になってから初めて「よし、じゃあこの目的を達成するために頑張ろう!」と考えるのです。

はじめの問いに対する回答、「頭がいい」状態というのは、僕は「目的意識がしっかりしている状態」のことだと思います。記憶力とか思考力とか判断力とか、そういう能力以前の問題で、「自分は何をするべきなのか」をはっきりさせることができる人間というのは、結果を出し、目的を達成でき、当意即妙な返しのできる「頭のいい」人なのです。東大生は、これが優れているのです。

■目的がしっかりしていると結果に差が出る

もう少し詳しくお話しします。

目的の違いというのは、結果に対して大きな「差」を生みます。

例えば、「数学の勉強を今日はやろう!」と考えている状態だと、何が達成されればその勉強が終わるのか全然わからないですよね。100問解いても「やった」ことになるし、たった1問解いても「やった」ことになってしまいます。進捗がどれくらいだったかにかかわらず、「今日はなんとなく勉強したなー」となんとなく思って終わってしまいます。

その点、「このページからこのページを終わらせよう」と考えている状態だと、達成されるべきことが明確なので、進捗がどれくらいなのかがすぐわかります。「10ページか。もう2ページは終わらせたかったな、明日はもっと頑張らなきゃ」と、次につながるようになるのです。

これは、勉強に限った話ではありません。会議をするときでも、「今日の会議のゴールは何か」「何を話し合うために集まっていて、何が達成されればクリアなのか」ということをしっかり考えたほうが、「なんかよくわかんないけど、今日はこんな話について語ろうぜ!」とふわっとした会議をするよりも何倍も効率的なのです。

僕は東大の団体で会議を主催することが頻繁にあるのですが、その度に「仕切りが悪い」「もっと会議のゴールをしっかり決めてから会話をするべきだ」と東大生に怒られてしまっています(笑)。

■アイデア出しでも目的をはっきりとさせる

もちろん、雑談をベースとした会議をしたほうが進捗が出る場合もあると思いますが、それは「目的」をはっきりさせた上での話。目的を達成させるために、雑談をベースにした会議をしたほうがいいのであればそちらを選ぶべきだというだけの話です。目的(ゴール)があって初めて成り立っているのです。

これは、アイデアを出すときにも同じことが言えます。

「何か新しいアイデアを出さないと!」と考えている時に、多くの人は「なんとなく」でアイデアを出そうとします。一体どういうアイデアが求められているのかがわからない状態でアイデアを出そうとしているのです。

これでは、「なんとなく数学やろう」「とりあえず雑談しよう」と同じです。「消費者に対してどんな価値を提供したいのか?」「買った人がどういうメリットを得られる商品のアイデアが必要なのか?」そういう問いを自分にした後でないと、アイデアなんて出てくるわけがないのです。

■目的を定めると努力する方向が見える

目的というのは、いわば全ての「ゴール」です。カーナビでいうのならば「目的地」。目的地がしっかりしていない状態で車を運転していても、近所はぐるぐる回れるのですがいつまでたってもどこにも行けません。

そして目的がしっかりすれば、自分に足りないものを補えます。もし目的達成のために暗記が必要なのであれば暗記をすればいい、思考力を鍛えたほうがいいのであれば思考が鍛えられるような問題を解けばいい、表現力を磨いたほうがいいのであれば作文をやればいい。

「頭がいい」というふうに見えている人というのは全て、先天的に全部を才能として得ていたということではなく、目的を定め、そのために努力して必要なことを身につけているだけの話なのです。

どんなに記憶力が優れている人でも、目的を達成するのと全然違うあさっての方向の行動をしていたら「頭がいい」なんて誰からも思われないはずです。目的の設定の仕方こそが、その人の頭のよさを決定するファクターなのです。

■正しく目的設定する力は「慣れ」によって磨かれる

それでは、どうすれば「正しい目的設定のできる頭のいい人間」になれるかと言えば、これは「慣れ」ではないかと僕は考えています。目的設定というのは、何度も設定することで自然と磨かれていくものなのではないか、と。

例えば勉強について、初めはどんな目的を定めればいいかわかりませんよね? でもその中に「とりあえずわかりやすくて具体的にするために、目的の設計に数字を入れてみよう」と考えると一歩前に進めます。

西岡壱誠『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア』(マガジンハウス)

3ページだろうが2時間だろうが、何でも数字が入れば具体的になりますし、それが終わった後で「3ページは少なかったから6ページにしよう」「2時間は多いな、1時間半だな」と、目的がより正しい方向に向かっていきます。

そして努力を続ければ、「数字以上のものもきちんと決めよう」と考えるようになり、「ここの部分をしっかり復習できるようにしよう、そのためにこういう問題を解こう」と、どんどん目的から逆算して日々の勉強を棚卸しできるようになるのです。

会議の目的も、最初は「とりあえずこのことについて喋れれば」というレベルだったのが、「3つ案がブレストできればOK」というようなものや「この施策についての合意を得る」などに、どんどん発展していきます。とにかく目的設定の数をこなしていくと、その精度も上がってくるのです。

いかがでしょうか? 人間というのは怠惰なもので、「目的」がない状態でただ漫然とスケジュールをこなして生きているほうが楽なものです。しかし、それではいつまでたっても結果を得ることはできません。きちんと目的というものと向き合って進んでいっていただければと思います。

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西岡 壱誠(にしおか・いっせい)
東京大学4年生
1996年生まれ。2浪が決まった崖っぷちの状況で、東大の試験で問われる「発想力」や「思考力」を高めるノウハウを編み出し実践した結果、みるみる成績が向上。東京大学経済学部に合格を果たす。現在は、全国4つの高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施し、高校生に勉強法を教えている。近著に『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)、『東大で25年使い続けられている「自分の意見」の方程式』(KADOKAWA)など。

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(東京大学4年生 西岡 壱誠)

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