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夫が役職定年で年収400万円台でも働かない専業主婦妻の働かせ方

プレジデントオンライン / 2020年2月13日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/g-stockstudio

お悩み:54歳会社員、妻51歳専業主婦。役職定年で、年収880万円が520万円に。子どもは大学生と高校生。住宅ローンの残債は2000万円(返済月額13万円)。今さら転職できないし、妻も働くことには消極的。

課長時代の年収は880万円。予期していなかった役職定年を迎えて年収半減。比例してやる気も半減してしまうのが、人情というもの。思い切って転職もありか?

■「どっちが嫌ですか?」がキラーワード

「転職してもうひと花咲かせようにも、この年ではよほどの専門能力がないと年収ダウンするだけでしょう。慣れ親しんだ会社で定年を迎えることを考えたほうがいい」

こう語るのは、数多くの会社員家庭の相談を受けてきたFPの畠中雅子氏。となると、世帯収入を維持するためには、「妻に働いてもらう」という選択肢が浮かんでくる。しかしずっと専業主婦だったのに働く気になるものか。

「そんなときは必ず『どっちが嫌ですか?』と私は聞きます」と畠中氏。つまり定年前後に住宅ローンの返済が終わる人生と、年金でもローンを返し続けてカツカツの老後人生、どちらが嫌か。脅しているようだが、こう話すと切羽詰まった事情を妻にも納得してもらいやすいと言う。

■働かないとどうなるか

「妻も内心『働いたほうがいい』のはわかっているものです。『働かないとどうなるか』を伝えることが、最後のひと押し。妻の覚悟が決まります」

このとき「10年間だけ」などと期間を限定すると妻の社会復帰のハードルを下げる効果が。また、収入の1割は妻自身のために好きな趣味や娯楽に使ってもらうなど、妻の働きがいを提案するのだ。

思いきって年収150万~170万円くらい稼ぐと、厚生年金に入れ、老後資金を増やせる。現在の制度では、150万円までは配偶者控除、201万6000円まで配偶者特別控除が受けられる。税金や社会保険料を払っても収入を増やし、住宅ローンの繰り上げ返済などを行うのが効果的だ。傷病手当金や教育訓練給付などの手厚い保障が受けられるメリットもある。「とはいえ、人気の事務職は要求されるPCスキルのレベルが高く、専業主婦がすぐに就けるものではありません。まずは流通・小売店のパートからでしょうか」。

こうして住宅ローン返済の目途がたったら、次は教育資金に手をつける。妻が働いても大学費用を用意できない場合は、奨学金を借りるしかない。日本学生支援機構のHPで返済シミュレーションをしよう。

「肝心なのは、親子が一緒にシミュレーションすることです。親は『何かあったら困るから』と多めに借りたくなるもの。でも奨学金を返済するのは子どもですし、子どもの将来を考えれば奨学金は控えめがいい。親子一緒にシミュレーションをして、返済額をイメージしましょう」

妻にはパート、子どもには奨学金を借りてもらう。家族の協力を何とか取り付けたところで、はたと考える。夫は現状維持でいいのだろうか? 転職すればさらなる収入減、かといって仕事とは別にバイトでも始めようものなら、体を壊してしまうかもしれない。

「この段階で『長く働く』覚悟を決めましょう。定年後は65歳まで再雇用で働く。それ以降もシルバー人材センターなどを利用して仕事を見つけ、細く長く、働き続けるんです」

役職定年はほんの通過点。夫のリタイアはまだ先になりそうだ。

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畠中雅子
ファイナンシャルプランナー(CFP)
FP技能士1級、マネーエッセイスト。メディアに多数の連載を持つほか、講演、個人相談、金融機関、公的機関のアドバイザー業務も行う。著書多数。

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(エディター/ライター 東 雄介)

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