1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

夫より妻が稼ぐ「東大卒」主夫の金言「男のプライド、捨てられますか?」

プレジデントオンライン / 2020年2月12日 9時15分

■スーツで家事する主夫も

妻が一家の大黒柱として働き、夫が家事・育児の全面を担う。そんな新たな家族の形が出現している。

“東大卒主夫”としてメディアで活躍中の堀込泰三さんは、「10年ほど前は、日中買い物をしているだけで奇異な目で見られ、子どもを病院に連れていけば『お母さんはどこですか』と聞かれたものですが、少しずつ世間の視線は柔らかくなってきている」と語る。

東大大学院を卒業し、大手自動車メーカーに就職した堀込さんだが、妊娠した妻の職場に育休制度がないことが判明、代わりに2年間の育休を取得し「主夫」生活がスタートした。その後、仕事に復帰するも、海外赴任中の妻子との離れ離れ生活に耐えられず退職。専業主夫時代は自らの収入が0円となり、妻の扶養に入ったという。

日本では2017年度に、妻の扶養に入っている国民年金の第3号被保険者の男性は約11万人。もちろん彼ら全員が「主夫」とは限らない。だが「秘密結社主夫の友」には、全国の「主夫」からの声が続々と集まってくる。

「主夫になった背景はさまざまですが、多く聞こえてくるのは、『思った以上に主夫生活は楽しい』というものです。確かに同世代が着実にキャリアを積み上げているのを見ると羨ましい気持ちがないわけではありませんが、何物にも代えがたい喜びもあるんです」

■初めて『パパ』と呼んでくれた

一番は子どもの「初めて」に立ち会えることだ。「初めて笑った、初めて寝返りをした、初めて『パパ』と呼んでくれた。そんな瞬間に立ち会えたときの喜びはひとしおですね」(堀込さん)

葛藤もある。最大の障壁は「男は一家の大黒柱であるべき」という自他とものプライドをどう捨て去るか。

ある男性は病気を機に主夫になったものの、そんな自分が許せず毎日スーツを着て家事を行っていたという。「義父から『いつ働くんだ』と責められたと聞きます。しかし今では頭を金髪にして覚悟を決め、名物主夫として人生を謳歌しています」(堀込さん)

ちなみに「主夫」の定義は、専業・兼業を問わず、「主体的に家事・育児を行う」心構えを持っていること。“イクメン”と呼ばれていても、家事育児を「手伝う」意識の人間は「主夫」とは呼ばない。

国は男性の育児休暇取得を推奨するが、18年度の利用者はわずか6%程度。

「世の男性にはぜひ2カ月の育児休暇を取ってほしいですね。最初の1カ月で大変さを知り、次の1カ月で家事・育児の楽しさを味わえます。その後『専業主夫』になるかどうかは別として、夫婦が同じ経験をすることで、その後の家族の幸福度は確実にアップするはずです」(堀込さん)

----------

堀込泰三
主夫
1977年千葉県生まれ。東京大学大学院を経て自動車メーカーでエンジン開発に携わる。2007年長男誕生時に2年間の育休を取得。その後、翻訳家として在宅で働きながら2児を育てる。14年に「秘密結社主夫の友」を結成し、CEOに就任。著書に『子育て主夫青春物語』。

----------

----------

三浦 愛美(みうら・まなみ)
フリーランスライター
1977年、埼玉県生まれ。武蔵大学大学院人文科学研究科欧米文化専攻修士課程修了。構成を手がけた本に『まっくらな中での対話』(茂木健一郎ほか著)などがある。

----------

(フリーランスライター 三浦 愛美)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください