銀行では殖えない時代。人気FPがコッソリ教える「最も正しい『お金の預け先』」
プレジデントオンライン / 2020年2月25日 15時15分
▼銀行に預けても殖えない時代、賢い「お金の預け先」は?
■「金利」よりも「手数料」に注目
現在、預貯金でお金を殖やすのはほぼ不可能。ネット銀行などを利用すれば、多少高い金利が適用されるが、それでも0.1%程度の上乗せにすぎない。銀行選びは、金利よりも付帯サービスを重視したい。
比較のポイントはATMの時間外手数料とコンビニATMの手数料。加えて家賃など定期的に振り込みをしている人は、振込手数料もチェックしておきたい。
金融機関は一定の取引条件をクリアすると、ATM手数料や振込手数料を優遇する制度を設けているが、ここにきてその条件を厳しくする金融機関が増えている。給与振込口座にしても回数制限があったりする。
そこで活用してみたいのは、労働金庫だ。労働金庫は全国に店舗があり、基本誰でも利用でき、コンビニATM等に広く対応している。ただし、エリアによって組織が区分化されているので、住所地または勤務地を管轄する労働金庫で口座開設をする。銀行、ゆうちょ銀行、コンビニなどのATMで引き出しをするといったん手数料がかかるが、後でキャッシュバックされる。また、給与振込などを利用していると月3回まで振込手数料がキャッシュバックされる(いずれも中央ろうきんの例)。
新生銀行も使い方次第では有利になる。取引状況によって、スタンダード、ゴールド、プラチナの3つのステージが設定されていて、ゴールド以上になればコンビニATMでの利用が無料になる。他行あて振込手数料も月5回無料と有利だ。月5000円以上の積立投資信託で条件がクリアできる。つみたてNISAをここで行うのもいいだろう。
「とにかくコンビニATMの手数料をゼロにしたい」と考えるなら、セブン銀行やローソン銀行に口座を開く方法も考えられるだろう。
▼「確定申告」でサラリーマンができることは?
■今から「令和3年2月」に備えよ
確定申告はサラリーマンが所得税や住民税を軽減できるチャンス。利用できるものはもれなく手続きをしたい。
まず、2019年にマイホームを購入した人は、住宅ローン控除の申告をしよう。住宅ローン控除は、最初の年は確定申告が必要だが、2年目以降は会社の年末調整で手続きができるので手間はかからない。消費税率の引き上げ後に購入した場合には、仕組みが変わっているから注意してほしい。
年間の医療費が10万円を超えた場合には確定申告すると、所得税の還付が受けられ翌年の住民税が軽減される。手続きは難しくない。医療費の領収書と源泉徴収票を用意して、国税庁サイトの「確定申告書作成コーナー」で入力すると、添付書類や申告書を作成できる。それをプリントアウトして、住所地を管轄する税務署に郵送すれば完了だ。また、医療費控除は5年間遡って手続き可能なので、忘れていた年があれば併せて申告しよう。
19年は台風などの災害に遭った人もいるだろう。被害額が一定額を超えた場合には雑損控除の対象となる。確定申告の時期になると、税理士会や自治体などが無料の相談会を開催することも多いので、被災された方はぜひ相談してみてほしい。
iDeCoの利用も節税につながる。掛け金の上限は職業などによって決まっているが、支払った金額は全額が所得控除の対象。たとえば、毎月2万円を支払っていて、所得税と住民税が10%の人であれば、年間2万4000円の節税になる。ただし、年末にジタバタしても、19年分の枠は利用できない。掛け金は月払いが基本で一括払いは認められていないからだ。年の初めに計画書を提出しておけば年払いも認められるが、今からでは不可能。20年の枠を有効に使えるように、今から加入手続きをしておこう。
▼通信費、食費、教育費……家計「節約」の秘策は?
■節約前に家計を「見える化」
私は多くの家庭で節約が必須だと考える。今行う貯金は子の学費など目的がある。老後のために備えたいならさらに節約が必要だからだ。またこのところ物価がじわじわ上がっている。消費税増税以外にも、増税時のセット値上げや「お値段そのままで容量控えめ」といった実質値上げも多くみられる。
節約を考える前にやるべきことがある。それは家計の「見える化」だ。家計簿アプリの進化でスマホがあれば簡単に記録できるようになっている。アプリに銀行、クレジットカード、ECサイト、電子マネーの4つを登録しておけば、お金の出入りはほぼ自動で記録される。残るは現金での買い物だが、これもレシートをその場でスマホのカメラで撮影すれば、読み取ってくれる。自動販売機で飲み物を現金で買った場合など、レシートがない支出もすぐスマホで入力すればいい。
家計簿アプリは数多くあるが、口座との連携機能があるものを選びたい。「家計簿Zaim」「Money ForwardME」「LINE家計簿」の使い勝手がいい。「Moneytree」「Dr.Wallet」もお勧めだ。この5つの中から自分に合うものを選ぶといいだろう。
家計の見える化ができると、利用頻度が下がっているのにお金を払い続けている支出、割高な支出、ムダ遣いの多い項目が見つかる。たとえば、ドラマや映画はネットフリックスやアマゾンプライムビデオで視聴しているのに、衛星放送の契約を続けている場合などだ。解約するだけで老後の貯蓄原資が年数万円手に入る。格安スマホも機能が充実し、今が見直しの好機だ。
もし衛星放送で最新の映画を満喫している人なら元が取れているのだから、無理に解約する必要はない。違うところで削ろう。満足度を下げずに節約できるものを探すことが大切だ。
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ファイナンシャルプランナー
フィナンシャル・ウィズダム代表。連載12本を数える人気コラムニスト。『マネーハック大全』など著書多数。
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(ファイナンシャルプランナー 山崎 俊輔 文=向山 勇)
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