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米中貿易戦争で日経平均は1万円台になる恐れがある

プレジデントオンライン / 2020年2月23日 11時15分

ファンドマネジャー 大竹愼一氏

■米中貿易戦争の次は、金融、通信、ITが主戦場となる

米中貿易戦争が過熱するなか、2019年6月29日に、G20大阪サミットで米中首脳会談が行われ、12月に両国の貿易交渉は第1段階に達した。20年1月13日には合意文書署名のため中国副首相が渡米したが、まだ不透明感は拭えない(20年1月14日現在)。

これを受け、本書『米中壊滅』の共同著者である、米国在住のファンドマネジャー、大竹愼一氏は、この先の米中貿易戦争を、このように予想する。

「米中は貿易戦争の激化をひとまず回避しただけだ。両国の関税上げ合戦は更に続き、最後は米国が勝つ。中国がやられて、米国も相当、痛い思いをし、惨勝となるだろう。そして、貿易戦争の次は、すでに始まっている金融、通信、ITが、主戦場となる」

金融では、送金や金融商品の売買規制が出てくる。送金には通信が必要不可欠だが、米国はその通信を禁止し、米国にある資産を移動させないようにするだろう。具体的には、華為技術(ファーウェイ)の幹部や中国共産党のトップ、中国企業のトップの米国資産を凍結することだ。

■欧州の経済にも暗い影を落とす

米中貿易戦争の余波は、日本、米国、欧州の経済にも暗い影を落とす。世界の工場といわれる中国は、サプライチェーンの末端だ。その中国が関税上げでダメになれば、自ずとこのサプライチェーンを変えなくてはならない。

大竹愼一『米中壊滅 日中スワップ協定なんてとんでもない』(徳間書店)

「随分前から、米国企業は、サプライチェーンを、自国やベトナム、インドなど、アジアに変えてきた。だから、そんなに米国企業は焦っていない。しかし、日本企業は何の準備もせず、日本電産においては、全世界の受注が約30%減となり、今になって焦っている」(大竹氏)

一方、欧州、特にドイツは、中国の一帯一路政策にべったりで、最も酷いことになる。米中貿易戦争の影響で、①欧州→②日本→③米国の順で、ダメージは大きい。

「しかし、その米国経済は国内要因でも減速し、19年から20年にかけ、景気は悪化。米国が減速すれば、日本、欧州、途上国にも、大きなマイナスのインパクトとなる。私が注目しているのは、マネーサプライ(通貨供給量)だ。米国が金利を引き下げ低金利となり、マネーサプライが上昇すると、日本のマネーサプライとの差が拡大する。その場合、相当な円高、日本株安となるだろう。これは、マネタリストの理論だ。20年は1ドル=90円の円高となり、日経平均株価は1万円から1万3000円くらいまで低下する可能性がある。日本は消費がアップしなければ、景気は良くならない。消費税増税は愚の骨頂」と、大竹氏は語る。

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大竹愼一
30年以上活躍する辣腕ファンドマネジャー。Ohtake,Urizar&Co.社長。著書に『ブレないトランプが世界恐慌を巻き起こす』ほか多数。

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千葉 日比魚(ちば・ひびな)
マネージャーナリスト
1965年、青森県生まれ。上智大学文学部社会学科卒業後、QUICK、ロイター通信社などを経てフリーランスとなる。金融・マネー記事を中心に執筆。

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(マネージャーナリスト 千葉 日比魚 撮影=尾関裕士)

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