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ぐっすり眠ってスッキリ目覚める7つの方法

プレジデントオンライン / 2020年3月20日 11時15分

睡眠コンサルタント 友野なお氏

人は眠らなければ生きていけない。起きている間のパフォーマンスを上げるには、質の高い眠りを、適切な時間だけ取りたいもの。最新研究の成果は?

■適正な睡眠時間は7~9時間

適正な睡眠時間がどの程度かは人によって違いますが、ほとんどの人は成人で7~9時間の睡眠時間が必要で、足りないと心臓病やがん、糖尿病、うつ病などの発生率が高くなります。一定期間中の死亡率や各種病気の罹患率と睡眠時間の調査では、日米とも7時間前後を底として、それより短くても長くても数値が悪くなっています。

毎日3時間ほどの睡眠しか取らなくても生活に支障が出ない「ショート・スリーパー」も人口の5%未満存在しますが、そうなるのは遺伝的な要因が大きく、誰でも慣れれば短時間睡眠型になる、ということではありません。普通の人が6時間睡眠を2週間続けると、集中力や判断力などの脳の機能が丸1日徹夜したのと同レベルまで低下してしまいます。

ところが厚生労働省の調査などを見ても、日本の成人の平均睡眠時間は4割が6時間未満で、特に40代、50代には睡眠時間が足りていない人が圧倒的に多いのが現実です。

睡眠では長さに加え質も大切です。短い睡眠時間しか取れなくとも、その中で少しでも睡眠の質を高めることが生産性や健康を保つポイントで、そのために日々の生活の中で気をつけるべきことがあります。

特に重要なのは、起きたら真っ先に太陽の光を浴びることです。これには「体内時計を地球の自転に合わせてリセットする」「睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、体を活動モードにするセロトニンの分泌を促す」という効果があります。起きてすぐやるのがポイントで、朝、太陽の光を浴びると、約14~16時間後に「眠くなるスイッチ」が入ります。ガラス越しでもいいので、窓から1メートル以内に近づいて、太陽の方角に顔を向けます。曇りでも雨でも、15秒以上見れば効果が出ます。

朝の習慣でもう1つ大事なことは、起床後1時間以内に乳製品、卵、大豆食品などのタンパク質を摂ることです。タンパク質に含まれるトリプトファンが、活動ホルモンのセロトニンをつくる材料になるのです。バナナもトリプトファンを含むため、効果があります。さらにバナナにはセロトニンをつくる過程で必要となるビタミンB6や糖質も含まれています。

■不眠を招く現代の習慣

現代の生活ではパソコン作業のように、脳を酷使する一方で体をあまり使わないことが不眠を招いています。質の良い眠りのためには、よく笑うこと、人と話すこと、できるだけ動いて体を疲れさせることを心がけましょう。

また午後3時までに、20分以内の短い昼寝をすることで、眠気が取れ、仕事のパフォーマンスが上がり、免疫機能が高まるなど健康効果もあることがわかっています。

理想は昼食後にコーヒーかお茶を飲み、歯を磨いて、デスクに戻って20分ほど座った状態で目をつぶり、浅い眠りを取ることです。コーヒーやお茶に含まれるカフェインは摂取してから30分後に覚醒作用が出てくるため、昼寝からの爽やかな目覚めをサポートしてくれます。

夜眠る前の習慣についてはどうでしょうか。たとえば入浴のタイミングです。38度から40度までのぬるめのお湯なら就寝の1時間から1時間半前ぐらいに入るのがベストです。熱いお風呂の場合は、2時間前くらいに前倒しします。

■スムーズに寝付く就寝環境

寝付きをよくするためには、周囲の環境を整えることも大切です。視覚・聴覚・嗅覚・温熱感覚・触覚を「睡眠五感」と呼びますが、中でも影響が大きいのが視覚で、照明が明るいと安眠が妨げられます。寝室の明かりは就寝1時間前から暗めにし、色も白よりオレンジなどの暖色系に切り替えます。

パソコンのモニターなどから出るブルーライトは覚醒作用が強いため、寝る前の使用は避けましょう。スマートフォンは顔に近づけて使うため特に影響が大きいので、就寝前30分間は使わないこと。どうしても必要な場合は画面を暗くするとか、ブルーライトをカットするアプリを使うといった対策をします。

冬の季節には、寒さ対策も重要です。肺に冷たい空気が入ると、睡眠の質が低下してしまいます。寝室は室温が16度以上、湿度も50%以上になるよう調節しましょう。寒いからといってパジャマのうえにフリースなどを羽織ったり、防寒用の下着をつけて寝たりすると寝汗を助長し、かえって冷えにつながります。

暖房にエアコンを使う場合、部屋の空気が乾燥しがちなので、できれば加湿器を併用してください。風の出ないオイルヒーターもいいですが、冷たい空気は下に溜まるので、サーキュレーターや扇風機などで寝室の空気を循環させるとより効果的です。寝るときに口呼吸になってしまう人は、喉を痛めないようマスクをつけるのも1つのアイデアです。

寝具には、軽くて保温性の高い羽毛布団がお勧めです。電気毛布は一晩中つけていると乾燥を招いてしまうので、就寝時には消すようにします。湯たんぽを使うとか、寝る前に布団乾燥機をかけることも安眠を助けます。

■晩酌は就寝の2時間前まで

男性のビジネスパーソンでは、40代、50代になって急に眠れなくなる人が少なくありません。生理的な問題に加え、部下が多くなったり大きなプロジェクトを担当したりといった、仕事上のプレッシャーやストレスも関係しているようです。

そうした不安からくる不眠を解消するのに有効なのが「香り」です。心臓病で入院中の患者さんにラベンダーの香りを嗅いでもらったところ、不安感が解消し、睡眠の質が上がったという報告もあります。オレンジやベルガモットなど、リラックス効果があるとされる香りの中から自分が好きなものを選び、枕に吹きかけるなどして使うといいでしょう。

アルコールを摂ると寝付きはよくなりますが、睡眠の質は落ちます。寝酒はやめ、晩酌も睡眠の2時間前には切り上げてください。

▼睡眠コンサルタント・友野さんが推奨! 快眠をもたらす7つの方法
①目覚めてすぐ15秒の日光浴
②朝食にタンパク質かバナナを摂る
③日中はよく笑う、よく話す、体を動かす
④20分以内の軽い昼寝をする
⑤就寝1時間~1時間半前に低温で入浴
⑥寝室の照明を落とす、暖色系にする
⑦「ラベンダーの香り」でリラックス

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友野 なお(ともの・なお)
睡眠コンサルタント
行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。現在、先進予防医学の博士(医学)課程に在学中。

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(睡眠コンサルタント 友野 なお 構成=久保田正志 撮影=大沢尚芳)

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