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「集中力を高める」脳の回転数を上げる論理力トレーニング

プレジデントオンライン / 2020年2月12日 9時15分

出口 汪氏

■どうすれば効率よく頭が使えるか

これまで予備校の授業や、書いた参考書を通して100万人以上の受験生に大学受験のイロハを教えてきました。幸いなことに毎年、東大や京大をはじめ難関大学に多くの教え子が合格し、これまで培ってきた考え方は間違っていなかったと実感しています。

大学受験の世界ではいかに効率よく記憶、インプットするかで結果に大きな差が生まれます。では、どうしたら効率よく覚えることができるのでしょうか。それは「論理力」の習得が大きく影響しています。

物事には何事も一があって、次に二があってというように段階があります。何事もまずはその土台を理解すること。そうすれば、効率よくインプットすることができるのです。

そもそも人は理解したものでないと記憶できません。理解せずに詰め込むと、面白くないうえにすぐに忘れる。実は、記憶力というのは論理力とほぼイコールなんです。

いまの時代、日々多くの情報が流れてくるので、すべてを記憶するのには限界があります。私自身の体感としても、覚えることに集中できる時間は最大でも60分。ですから、覚える意味のないものは最初から無理に覚えないようにしています。新聞やオンライン記事などの情報もタイトルや小見出しのみに目を通し、何を伝えたいのかに焦点をあてて把握する。常に「この話の核は何か」を意識して目を通しているのです。そのうえで、いざ本の原稿を書いたり、授業の準備をするなどアウトプットする際に詳細な情報が必要になったら、そのときは調べればいいのです。

■論理力の最もいい鍛え方

核となる情報を記憶するには、人に話すことや書くことが効果的です。例えば、本でも映画でも、面白いと思うポイントを見つけ、それを人に話してみる。人に説明しようと思ったら、当然、自分の中で理解し、情報をきちんと整理できないと伝えられません。どこに一番感動したのか、何が一番自分に引っかかったのか。自分はこの作品をどこまで理解しているのかということがわかり、自分の足りないところが見えてきます。インプットしても、それが使えない知識だったらほとんど意味がない。記憶しようと思ったら、その知識を反復しないと頭に入りません。理解、記憶、実践の繰り返しが、記憶の定着につながるのです。

論理力を鍛えようとしたときに1つの方法として挙げられるのが読書です。しかし、読書で論理力を鍛えようと思った場合、ある程度「歯ごたえ」のある論文的な文章である必要があります。普段よく目にしている新聞やインターネットなどの記事は情報にすぎず、論理力を鍛えるのには不向きです。

そこで、お勧めしたいのが、大学受験の問題集を解くことです。社会人なのになんでいまさらと思う人もいるかもしれませんが、お勧めするのは大きな3つの理由があるからです。1つは、大学の入試問題は、古い文献も新しい文献も読んでいる大学の専門家による選りすぐられた文章と問題になっていること。2つ目は、設問があるので、理解できたかどうかを試すことができる。3つ目は、自分で文章を選べないことです。自分の関心のない分野の文章や、初めて知る内容の文章題のほうが力はつきますし、思考力も養成されます。

いまは人生100歳です。50歳でもう1度学び直さないと100歳まで持たないでしょう。年齢とともに記憶力はどんどん落ちていくので、その状態で新しい知識を詰め込んでも効果は薄い。そうなる前に効率のよい頭の使い方を知ることで、その後の人生もより開けてくるのではないでしょうか。

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出口 汪(でぐち・ひろし)
代々木ゼミナールや東進ハイスクールで現代文講師を務め、『出口汪現代文入門講義の実況中継』がベストセラーに。2000年に教材開発や出版を行う水王舎を立ち上げ、現在は会長。

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(出口 汪 構成=小野ヒデコ 撮影=宇佐美雅浩)

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