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貯金をしたいなら「ハムはコンビニで買う」のがいい理由

プレジデントオンライン / 2020年2月7日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bit245

「コンビニは割高」の常識が崩れつつある。必要なものを必要な量だけ購入できるため、食材を余らせるおそれがなく、コンビニ専用商品の質も向上しているからだ。消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏は「安い時にスーパーで買いだめするより、コンビニで都度買ったほうが結果的に節約になる」という――。

■「安い時に買いだめ」は非現実的

政府のキャッシュレス決済でのポイント還元事業により、「コンビニは割高」とは言い切れなくなってきた。2%の還元となるため、増税分をそっくりなかったことにできるうえ、食品などの税率据え置きの商品は増税前よりもお得に買えるからだ。

この流れに乗って、スマホ決済アプリと組んだ上乗せ還元キャンペーンも積極的に行われている。そこで、節約目線でコンビニでの買い物術を考えてみよう。

節約と聞いてすぐに思い浮かぶのは、食費や日用品の節約だろう。特に食品は、安い時に買いだめをして計画的に使い切る……という考えが根強かったが、もはやそれは古びた手法だ。専業主婦がチラシを手に安い店をあちこち回り、手間暇かけていくつもの料理で使い切るという前提があってこそ成立する節約術だったからだ。

■ハム、ベーコン、冷凍野菜が「ちょうどいい」

単身者や共働き世帯が増え、昼間に何軒も安い店を回ったり、使い切り料理に手間をかけたりするのは難しくなってきた。たとえ安くても余計なものは買わず、少々割高でも適量を買った方が節約になると気づいている人は多い。冷蔵庫の奥で廃棄を待つだけの食品を増やすよりは、正解と言えるだろう。コンビニは、そうした「適量買い」に役立つ存在だ。特に、メイン食材ではなく、使う量が少ないサイド食材なら、スーパーより安く手に入るものは多いのだ。

例えば、少量サイズのハムやベーコンなどはコンビニが便利だ。スーパーではかなりの枚数が入った1パックが300円ほどで並んでいるが、コンビニだと8枚くらいの少量パックが160~170円で買える。ベーコンも5枚入りが100円ほどのお助け価格で入手できる。また、冷凍食品もスーパーで買えば大容量だが、コンビニは少人数世帯にぴったりの適量サイズ。ブロッコリーやほうれん草などのカット冷凍野菜も、少量なら100~150円程度で買える。

■肉入りカット野菜は時短調理にぴったり

単品だけでなく、何種類かのカット野菜が入った冷凍セットもコンビニでは販売されている。中には、豚肉が入っている商品もある。スーパーで何種類もの野菜を買いそろえるのは結構お金がかかるもの。おまけに、キャベツや白菜、大根などの大きな野菜をまるごと買ったものの使い切れず、泣く泣く処分するというのは、よくある話だ。

特に単身者の場合、いろいろな野菜を取ろうとするとコストがかかる。そういう時に、この豚肉入りカット野菜セットはお役立ちだ。ラーメンの上に乗せてもよし、焼きそばの具にしてもいい。カット済みのうえ、凍ったままゆでたり炒めたりできるので時短調理にも向いている。人数の多い家庭なら、みそ汁の具に使ってもよさそうだ。袋を開けて、みそを溶いた鍋にそのまま投入すれば、豚肉が入った具だくさんのみそ汁がすぐに完成する。筆者はこのセット野菜をセブン‐イレブン(以下、セブン)やローソンで見かけた。100円程度で手に入るのだから、かなりコスパがいい。

食材だけではない。家庭の冷蔵庫で使い切れずに死蔵されやすいものの代表が調味料だ。いつ封を切ったか覚えていないようなドレッシングやソースが、ドアポケットを占領している家庭は多い。普通サイズは使い切れないと思うなら、コンビニでこれらを調達しよう。スーパー店頭の商品よりも小さいサイズが見つかるはずだ。それがコンビニプライベートブランド(以下、PB)の商品なら値段も安く、さらにお買い得と言える。

■PB商品は、お茶、ビール、日用品がお得

コンビニは独自のPB商品を持っている。セブンの「セブンプレミアム」、ファミリーマート(以下、ファミマ)「ファミリーマートコレクション」、ローソン「ローソンセレクト」が代表だ。先ほどのカット野菜などもお手頃だが、PB商品の中でも安いのは、やはりお茶系ペットボトル飲料だろう。600mlのウーロン茶に緑茶、麦茶が93円(税別、以下同じ)で買えるのはありがたい。飲料を買うなら自動販売機よりコンビニが正解だ。

また、ビール系飲料も安い。ローソンセレクトの「セレクト ゴールドマスター」は350mlが100円、500mlでも136円だ。セブンプレミアムの「ザ・ブリュー」は114円と163円。なお、プライベートブランド以外の限定商品を含めれば、セブンとローソンには100円ほどのチューハイもある。晩酌族にはかなりありがたい。

また、イオングループのミニストップではイオンのPB「トップバリュ」を扱っている。その低価格ぶりは言うまでもないだろう。

食品だけではない。洗剤などのPB日用品もお手ごろだ。食器洗い洗剤は100円程度、キッチン用漂白剤も82~84円と、ドラッグストアで買うより安い商品がある。トイレやバス用洗剤も、詰め替え用なら100円を切る。ちょっと反則ワザだが、洗剤用ボトルを100円ショップで買い、中にコンビニPBの詰め替え用洗剤を入れれば、かなり安くあがるだろう。

■コンビニに押し寄せるデジタル値引きの波

冒頭でキャッシュレス還元効果について触れたが、ことコンビニについては現金以外の支払い手段が進んでいる。クレジットカードはもちろん、各種交通系電子マネー、バーコード決済にいたってはau ペイ、d払い、ペイペイ、メルペイ、LINEペイ、楽天ペイなら大手コンビニはどこでも使える。ペイペイ、メルペイ、LINEペイなどは昨年、セブンで割引クーポン配布キャンペーンを行っていた。2月7日現在、d払いは対象のコンビニで使うと10%のdポイントを還元するキャンペーンを2月16日まで実施しており、auペイもコンビニを含む加盟店で2月10日~3月29日まで最大20%のポイント還元予定だ。

むやみにキャッシュレス手段を増やすのはオトクではないが、自分が使っているアプリのキャンペーンがある時には見逃さないようにしたいものだ。

ファミマユーザーなら、やはりファミペイはマストだろう。200円ごとにファミペイボーナスが1円つくだけでなく、クーポンの配信もある。また、dポイント、楽天スーパーポイント、Tポイントの3つの共通ポイントをファミペイアプリと連動でき、アプリ内で設定が済んでいれば支払いの際に自動でポイントがつくのは便利だ。これがないと、スマホの操作に加えて財布からポイントカードを出すというアクションが必要で、ポイント加算が面倒になるからだ。また、ファミペイでしか購入できない回数券もある。例えばファミマカフェのブレンド(100円)11杯分の回数券を10杯分の値段で買えるというものだ。キャンペーンにより、さらに割引になることもある。

■よく行くコンビニの「アプリ」は要チェック

7pay(セブンペイ)はサービス開始時点でつまずいてしまったが、セブン‐イレブンアプリのほうは健在だ。こちらもアプリを提示して買い物をすると、無料券や割引券が当たるキャンペーンがある。ローソンアプリにもさまざまな割引クーポンが届く。コンビニアプリはスマホに入れておかないともったいないだろう。

ただし、こうしたアプリのクーポンや共通ポイントは「それがあるから使う」という動機でいると、不要なものを買いがちだ。近所や勤務先近くにあるコンビニをベースにして、自分がよく買うものが割引になるならクーポンを使う、という姿勢が必要だろう。

ライフスタイルによって節約の正解は異なる。割高に見えても適量を買うのが正しいことも多い。節約生活の主役としては物足りなくても、ワンポイントのアシスト役にはぴったりなのがコンビニ。そういう視点でうまく使いこなしてほしい。

※記事の価格は指定がない限り税抜き価格

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松崎 のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト
雑誌編集者として20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『ESSE』などのマネー記事を担当。現在は雑誌やWebを中心に生活者目線で執筆中。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームでも節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術 』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない 』『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。著者公式サイト→【消費経済リサーチルーム】

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(消費経済ジャーナリスト 松崎 のり子)

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