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五輪陸上リレー銀メダリストが舌を巻く「僕より速い45歳サラリーマンの練習法」

プレジデントオンライン / 2020年3月2日 11時15分

大阪ガス 地域活力創造チーム マネジャー 朝原宣治氏

■1年かけてすごくいい練習ができている状況

僕は本格的に陸上を始めたのが遅く、高校生になってから。特に陸上の強豪校でもなかったので、いわゆる部活の顧問の先生が勉強しながらつくってくれた練習メニューをこなしていました。大学時代は、よくいえば自主性に任せる、悪くいえばほったらかしの「同志社流」。でも代々受け継がれてきた、それなりにいい練習プログラムがありました。

しかし僕が強くなるにつれ、レベルの高い選手や指導者に会えるようになり、練習方法のよしあしの判断が徐々にできるようになってきました。

練習方法が激変したのは、社会人になり、ドイツでプロのコーチに見てもらうようになってから。走る以外にもウエートトレーニングをしたり、当時日本にはなかったコーディネーショントレーニングという体の動かし方の練習をしたりする。さらに体幹トレーニングをしてからメーンの練習に入るなど、いろいろな点で進んでいました。そのうえ、僕がついたコーチがとにかく練習量をこなすべきという考え方だったので、練習量が大学時代の3倍ぐらいに増えた。それまでは1回の練習時間が実質1時間半ぐらいだったのが、3時間から4時間ぐらいになりました。

3年ぐらいドイツで過ごしたあと、今度は冬だけ米国のテキサスに行きます。その頃はもう30歳近くになっていたので、ドイツ時代のような激しい練習はできない。それを見越して、コーチは「試合から逆算して何をすべきか」という効率のよいトレーニングをする人でした。つまりこちらも年齢を重ねた分、練習量を確保しないといけないのですが、1日の練習量が多すぎると次の日までにリカバリーができなくなる。

そうなると結局、トータルで見たときの練習量が少なくなってしまう。なので、「今日はもうこれ以上やるとまずい」というところでちゃんと終わらせるという練習に変わったのです。それこそメーンの練習は1.5時間くらいになった。いちばん効果が得られるトレーニングを毎日しているので、トータルすると、1年かけてすごくいい練習ができている状況になる。そういう意味では、非常によく考えられたプログラムだったと思います。

■45歳で、僕より足の速い人の練習法

結局、トレーニングは質と量の掛け算です。練習量が少なかったら、生活時間のどこかを削って頻度をあげるしかありません。

僕は現役を引退しましたが、2018年からマスターズ選手権などに出場して走っています。しかし選手時代とは体がまったく違うので、18年は3回も肉離れを起こしてしまいました(笑)。それで、週1回、体づくりをして、やっとケガをしない体になったけれど、やはり週に1回ではタイムが伸びません。

ほかのマスターズの選手たちの話を聞くと、やはり仕事があるから時間がない。いつ練習しているかというと、早朝。水口政人さんという僕より速い45歳の人は、毎日3時に起きて4時から1時間、坂道ダッシュをする。それから仕事に行く生活を5年間続けているという。

やっぱり練習は量と質の掛け算なので、トータルの量がどうしても必要になってくる。それを考えると、僕のように週に1回ドカンと練習するよりは、30分でもいいので必ず1日1回は走るような習慣をつけるほうがいいでしょうね。

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朝原 宣治(あさはら・のぶはる)
大阪ガス 地域活力創造チーム マネジャー
北京五輪陸上男子4×100mリレー銀メダル。2019年12月アジアマスターズ陸上競技選手権、45-49歳クラス4×100mリレーで世界新記録を樹立。

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(大阪ガス 地域活力創造チーム マネジャー 朝原 宣治 構成=長山清子 撮影=松本昇大)

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