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部下を目の前で管理したい昭和上司に、リモートワーク導入を促す秘策3つ

プレジデントオンライン / 2020年2月19日 6時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/imtmphoto)

「家でサボる気じゃないの?」「出社しなかったら、定例ミーティングはどうするの?」。働き方改革が叫ばれるなかでも、リモートワークへの根強い不信感を持つ“昭和的上司”は少なくないようです。経験とスキルを複数社で活かすプロ人材のプラットフォームを提供するサーキュレーション代表取締役の久保田雅俊さんに、プロ人材に学ぶリモートワーク推進のポイントを伺いました。

■1.「なぜリモートワークをしたいか」を言語化できるか?

「どうすれば上司を説得できるか」の前に立ち止まって考えたいのが、「リモートワークをすることのメリットをきちんと説明できるか」という点です。

「私はリモートで働きたいんです! なんで許してくれないんですか?」。

これではおそらく上司は説得できないし、できなくて当然です。

リモートワークの有用性は、すでにいくつも実証され、定義されはじめています。メディアをみれば、さまざまな事例、メリットがわんさか出てくるでしょう。ただし、それは世の中で言われていることであって、個別の会社に当てはまるとは限りません。

「うちでリモートができるかどうか」を決めるのは、リモートワークの有用性と会社の有用性との掛け合わせなのです。けれど、この2つが自社でうまく噛み合うかどうかは、上司はもちろん、人事や経営陣にだってまだ確証がないはずです。

■デメリットもセットで提示する

そうしたなかでリモートを実践したいと思うなら、きっとそこにはリモートによって両立したい何かがあり、理由があるはずです。その中身を、まずきちんと言語化することが大事です。それも、Will(こうしたい)ではなく、Give(こういう貢献ができる)の視点で考え、伝えることがキモ。

たとえばミーティングへの出席。オンライン参加になっても問題がない理由や、どのようなアウトプットを出せるかを、自分の視点からだけでなく、チームや上司の視点から説明できるかどうか。

100%メリットばかり、とはいかないでしょう。その場合も、その難しさを理解したうえで、リモートをする際の課題点まで提示できたら、上司もいっしょにどうやってその課題を埋めていけばいいかを考えてくれるはずです。週1日から導入するなら、どの曜日だったら可能か。どんなミッションだったら成果がでるか。こうしたことがともに設計できれば、上司と対立することなく、リモートワークへのドアが開けるのではないでしょうか。

■2.上司の「チェック欲」を満たす行動ができるか?

私は、個人で進められる仕事は、すべてリモートワークが可能であると考えています。これからは「リモートワークはできる」という前提で、会社や上司が仕組みを構築していくことが求められるでしょう。

実際にリモートワークを中心に、複数の会社に貢献しているプロ人材の働き方を見てきましたが、彼らが共通して実践していることはプランニングとチェックの仕組みづくりです。

リモートで管理するということは、すなわちウェブ上で勤怠や成果をマネジメントしていくということ。オンラインの管理システムを導入していない企業では、「見えないと管理できない」という上司の不安が大きく、なかなかリモートワークを推奨できないという現実もあるようです。近くにいて目で見ていればマネジメントは万全か、といえば必ずしもそうではないはずなのですが……。

こうした上司に対してはとくに、「管理したい」という上司の“チェック欲”を満たすことがリモートを推進するための鍵になるため、先回りしてチェックまで仕組みの中に組み込んで提示していくのです。さらに、チェックを受けたあとのネクストアクションまで明確化できる仕組みがあると万全でしょう。

勤怠管理システムの導入ももちろん重要ですが、リモートで働くワーカー側にできる行動はさらに大切です。プランニングとチェック、そしてネクストアクションを能動的に伝えられているかどうかは、自分次第ですぐに取り組めるTipsだと言えます。

■プロ人材にこそ、リモートワークがマッチする

よくリモートワークは、管理型マネジメントを受けている人に有用性が高いと言われています。けれど、実際は、自己管理型の人ほどリモートワークに向いているだろう、と私は考えます。上司がつくるTO DOリストで動くのではなく、自分でリストをつくって提案し、能動的に動いている人です。

そして、自分が関わる仕事の進捗をオープンにし、それを提供し続けられる人。それも一時的にではなく、サステナブルにできるかどうかは大きなポイントですね。

こうした方々はまさにプロフェッショナル。リモートワークを進めることにも自信を持ってほしいと思います。個人としてはもちろん、チームや上司にとってもメリットがある、相互に高い生産性を発揮する働き方ができるはずです。

■3.まずはトライアルからスタートしよう

はじめての仕組みづくりは、試行錯誤がつきものです。上司がリモートワークに可能性を感じていたとしても、「実際に運用できるかどうか」と二の足を踏んでしまうケースも少なくないでしょう。

まずは一度、トライアルから始めて、検証していくのがいいのではないか、と思います。その際、「リモートの際は、こういうふうにチェックしてください」と、マネジメントのプランまで明示できたら強いでしょう。そして、ネクストアクションも同時に伝えます。「もしリモートが可能なら、こういうふうに仕事をしたいと思います」と、ビジョンを伝えるのです。

もし、トライアルすら許してくれない上司だとすれば……、その会社、一回考えましょう。どれだけリモートワークで貢献できるかを伝えても、なかなか会社の温度感として難しい、まだまだ長い時間がかかる、という企業もあるでしょう。その場合は、自分のキャリアに必要なほうを選択するべきです。頭のかたい上司の説得に時間を使うより、会社を出てキャリアを発展させる選択をしたほうがいい場合もあります。

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久保田 雅俊(くぼた・まさとし)
サーキュレーション代表取締役
1982年生まれ、静岡県出身。新しい働き方を追い求め、学生起業、家業の清算、会社員としての管理職、パラレルワーク、社内起業を経験する。学生時代に複数の事業を立案し学生起業家となり、パラレルワークを実現。21歳のときに、地元の進学塾を経営していた父親が意識不明となり、10年間に渡って、父親の介護を余儀なくされる。父親が経営していた企業は継続不可能となり、自身の手で会社の清算をすることとなる。その経験から企業経営には「金」以上に「人の経験・知見」が必要であるという考えにたどり着いた。2014年株式会社サーキュレーションを設立。プロフェッショナル人材の経験とスキルを複数社で活かすプラットフォーム(プロシェアリング)を運営している。2020年現在、経営プロフェッショナルのネットワークは1万3000人、導入企業は1500社を超える。

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(サーキュレーション代表取締役 久保田 雅俊 構成=浦上藍子 写真=iStock.com)

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