要約サイトで人気だった「2月のビジネス書」ベスト20
プレジデントオンライン / 2020年3月4日 15時15分
第2位:『Think Smart』(ロルフ・ドベリ著、安原実津訳、サンマーク出版)
第3位:『科学的な適職』(鈴木祐著、クロスメディア・パブリッシング)
第4位:『5Gでビジネスはどう変わるのか』(クロサカタツヤ著、日経BP)
第5位:『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(望月智之著、クロスメディア・パブリッシング)
第6位:『世界「倒産」図鑑』(荒木博行著、日経BP)
第7位:『「繊細さん」の本』(武田友紀著、飛鳥新社)
第8位:『売れない時代にすぐ売る技術』(大原昌人著、サンマーク出版)
第9位:『SELFISH(セルフィッシュ)』(トマス・J・レナード著、バイロン・ローソン共著、糟桃代訳、秦卓民監修、祥伝社)
第10位:『うしろめたさの人類学』(松村圭一郎著、ミシマ社)
第11位:『うまくやる』(熊野森人著、あさ出版)
第12位:『ニューヨーク大学人気講義 HAPPINESS(ハピネス)』(スコット・ギャロウェイ著、渡会圭子訳、東洋経済新報社)
第13位:『ひとりの妄想で未来は変わる』(佐宗邦威著、日経BP)
第14位:『人口減少社会のデザイン』(広井良典著、東洋経済新報社)
第15位:『ベゾス・レター』(スティーブ・アンダーソン/カレン・アンダーソン著、加藤今日子訳、すばる舎)
第16位:『最高の集い方』(プリヤ・パーカー著、関美和訳、プレジデント社)
第17位:『ビジネスを変える100のブルーオーシャン』(日経BP総研編著、日経BP)
第18位:『売上を、減らそう。』(中村朱美著、ライツ社)
第19位:『事業を創るとはどういうことか』(三木言葉著、英治出版)
第20位:『僕らはSNSでモノを買う』(飯髙悠太著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2020年2月の閲覧数ランキング
■リーダーは、もっと部下に仕事を任せた方がいい
今月の第1位は『できるリーダーは、「これ」しかやらない』でした。2017年に産業能率大学が実施した「上場企業の課長に関する実態調査」によると、58.9%が「3年前より業務量が増えた」と回答しています。働き方改革の影響で業務時間が短くなっている中、プレーヤーとしての業務に追われ、マネジメントに十分な時間を取れていないリーダーが多いようです。
本書は多忙を極めるリーダーに対し、「もっと部下に仕事を任せよ」とアドバイスします。とはいっても、ただ仕事を任せるだけでは「放任」になってしまいますし、細かく指示しすぎても部下のやる気を損なってしまう。大事なのは、「部下やメンバーが、挑戦を楽しんでおり、仕事を通じて成長を感じている状態」を実現させることです。
本書では、リーダーとしての振る舞い方や部下のやる気を引き出す方法が、実例を交えながらわかりやすく紹介されています。リーダーとして悩みを持っている方はもちろんのこと、自分のマネジメントに自信がある方にも、ぜひ読んでもらえればと思います。きっと新たな発見があるはずです。
■「思考の罠」から脱して、人生の失敗を減らす
第2位は『Think Smart』。日本でもベストセラーとなった『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』の著者ロルフ・ドベリ氏の新刊です。
私たちは、さまざまな「思考の罠」にとらわれています。大事なことを後回しにしてしまったり、誤った思い込みをしてしまったりするのは、その最たる例でしょう。これらの原因は、人間の進化の過程で構築されてきた思考・行動パターンにあります。思考の誤りを学び、大事な場面で「すべきではないこと」を排除するだけで、人生の失敗の数は確実に減らせます。
本書が紹介するのは、「思考の罠」から解放されるための思考法です。成功を収め、幸福になるための方法は、なかなか見つからないかもしれません。ですが失敗を避けるための方法は、本書を読めばわかります。ここに書かれている52の思考法を実践することで、人生の質は間違いなく向上するでしょう。思考のメカニズムを学び、よりスマートに人生を楽しんでみませんか。
■「自分にぴったりの仕事」を選ぶための本
第3位は『科学的な適職』。人間の幸せを大きく左右するもの、それはキャリア選択です。ではどうすれば、自分にぴったりの仕事を見つけることができるのでしょう。
「何が自分にとって適職なのか」を科学的なデータに基づき、具体的に示したのが本書です。たとえば「好きを仕事にする」というのは、誰もがよいと思えるやり方ですが、サイエンスライターである著者・鈴木祐氏によると、実はそれこそ間違いのもと。本書では「適職」についての考え方を根本から見直し、合理的に仕事を選ぶための方法が紹介されています。その方法は、よくあるキャリア選択のアドバイスとは一線を画するものです。
仕事選びに関する視野が広がるだけでなく、間違った選択をしないための方法や、選んだ仕事にやりがいを持つための心構えもわかる一冊です。これから就職をしようとする人はもちろんのこと、転職や副業、独立を考えている人に、ぜひ読んでもらえればと思います。
■世界中の倒産企業を擬人化して解説
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
第6位の『世界「倒産」図鑑』は、世界中の倒産した企業を擬人化し、イラストやグラフを使って紹介したもの。それぞれの倒産事例が系統別に分類されており、どういう失敗のパターンがあるのかが、わかりやすく解説されています。
今から考えると、「なぜそんな意思決定をしてしまったのか」と不思議に思う事例もあります。ですが当事者の立場に立ち、同じ環境で最適解を導き出せたかを考えると、そう簡単ではないことがわかるでしょう。
そういう意味で本書は、ビジネスの現場にいる私たちにとって、これ以上ないほど示唆に富んだ一冊といえます。倒産した経緯だけでなく、そこから学ぶべき教訓が「倒産に学ぶ3つのポイント」として紹介されているので、自社の戦略をチェックする際にも使いやすいです。
個人のキャリア戦略を考えるうえでも、多くの学びがあります。目を通しておいて、損はしません。
■企業内でイノベーションを起こすための方法
続いてご紹介したいのが、第13位『ひとりの妄想で未来は変わる』。本書における「妄想」とは、「こんなことができたらいいな」とか、「こんな世の中になったらいいな」という思いを指します。一個人だとなかなか「妄想」を現実にするのは難しいですし、新しく仲間を集めて起業をするのもハードルが高いです。
本書が提案するのは、独立してイノベーションを目指す「アントレプレナー」ではなく、企業内でイノベーションを起こす「イントレプレナー」になること。著者・佐宗邦威氏は、外資系企業と国内企業の両方を知っている立場から、その具体的なやり方を提示します。かなり泥臭い話も含まれており、極めて実践的な内容です。
企業内で新規事業を立ち上げることになったら、ぜひ本書を手にとり、繰り返し読んでみてください。「モヤモヤ」を抱えるビジネスパーソンの、道しるべとなってくれるはずです。
■1日100食、お昼のみの営業を貫く飲食店
最後にご注目いただきたいのが、第18位の『売り上げを、減らそう。』です。先日の「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」ではイノベーション部門を受賞し、総合でも第2位に選ばれています。
本書の著者・中村朱美氏は、「国産牛ステーキ丼専門店 佰食屋」の経営者。「売上が全てを癒す」という従来の考え方の真逆をついたタイトルにまず驚かされますが、決して売上を「捨てた」わけではありません。1日100食限定でお昼のみの営業、売り切れ次第終了というシステムを採用しているのは、あくまで「社員の働きやすさ」と「会社の利益」の両方を実現するためなのです。
働き方改革が叫ばれて久しい今、労働力人口の減少の進展とともに、業績至上主義は限界を迎えつつあります。本書はこれからの「豊かさ」について真剣に問い直し、新たな働き方や経営のあり方を提示します。経営者はもちろんのこと、よりよい働き方を目指す全て人におすすめの本です。
先月から引き続きランキングに入ったのは、『SELFISH(セルフィッシュ)』(第4位→第9位)、『Think Smart』(第16位→第2位)の2冊でした。どちらも普遍的なテーマを扱っており、多くの方の興味を引きつけたと考えられます。来月はどのような本が上位に入るのか、引き続き注目してまいります。
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(flier編集部)
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