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東大生が「勉強は参考書より動画がいい」と断言する3つの理由

プレジデントオンライン / 2020年3月10日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mangpor_2004

スマホで動画を見ながら勉強をする人が増えている。現役東大生の西岡壱誠氏は、「参考書で勉強するよりも効率がいい。その理由は3つある」という——。

■「受験生の頃の勉強は動画で」と語る東大生

最近では、勉強の方法としてスマホで動画を見ることが浸透してきました。

YouTubeでは「中田敦彦のYouTube大学」が人気を博しています。学び直しをしたい人たちが視聴しているようです。また、中学生や高校生向けに勉強法を教えるチャンネルも増えています。

YouTube以外にも、スマホで良質なインプットをするための動画サービスが多く存在します。月額980円(ベーシックプラン)で授業が見放題になる小・中・高校生向けオンライン学習サービスのスタディサプリや、社会で活躍する実業家の話をオンラインで聴くことができるNewsPicksアカデミア、視聴者参加型でさまざまな社会人向けの授業を見ることができるSchooなどです。

東大生の中にも、「動画で勉強する」ということの価値を非常に高く感じている学生は多く、受験のとき塾に行かずにインプットは動画で済ませたと語る東大生や、大学に入ってからもYouTubeでの勉強をずっと続けている人もいます。

■1.一度ザッと見て、勉強する準備ができる

僕は、このような「動画」による学習の流れはこれからどんどん浸透していくと考えています。角川ドワンゴ学園のN高等学校をはじめとする通信制の学校では、対面の授業ではなく動画の授業で単位を取得している高校生も出現していますし、塾ではなくスタディサプリでの勉強で東大に合格したという学生もいます。

また、新型コロナウイルスの影響で学校が休校になり、スマホの動画による勉強が浸透し始めています。

僕は東大生の仲間と、コロナウイルスで休校になった学生のために、平日10時~15時まで生配信で授業を行う「スマホ学園」というYouTubeチャンネルを運営しています。そこでは100人以上の学生が毎日のように集まって動画授業を聞いてくれます。

彼ら彼女らは、動画で学ぶことに抵抗感がないのです。このような動画による勉強の流れは、今後どんどん加速していくことでしょう。

では、そんな動画授業には一体どんな利点があるのか? どうすれば動画授業の強みを活かした勉強ができるのか? 今日はそれについてみなさんにお話ししたいと思います。

まず動画授業の利点として一番はじめにあげたいのは、「ザッと流せる」ということです。

東大生は、本を読むときも、動画を見るときも、勉強するときも毎回そうなのですが、まずはその項目をザッと流し見するのです。例えば本なら、わからないことがあるのを前提として一度全部を読み切ってしまう。それにより、「よくわからないけど、全体像はなんとなくわかったぞ」と大ざっぱに理解をします。難しい言葉で言うなら「マクロな視点でその項目を眺める」のです。

理解していないことを前提とするこの行為ですが、これをやっておくだけで実は学習効果というのは段違いになります。例えばドラマを見ていても、先の展開がわかっていれば「あ、このシーンってこういうことの伏線なんだな」というのがわかりますよね? 逆に、先の展開がわかっていないと、「これってどういう意味なんだろう?」とわからなくなってしまいます。

■2倍速で流し見したあとにじっくり見る

一度ザッと全体像をつかむというのは、要するに「流れ」を理解する行為です。これをやっておけば、細かい「ミクロ」な部分もどんどん理解することができるようになるのです。

動画授業は全体像をつかむのに最適です。しかもYouTubeなど多くの動画サービスでは再生速度を変更することができます。私のおすすめは2倍速で、動画をザッと流して見ることです。一度見てから、あらためて動画を見ていくことで、理解が深まります。

東大生の中には、「スタディサプリの伊藤賀一先生の日本史の授業を、学校の行き帰りでラジオのようにずっと聞いていたことで、日本史の勉強を本格的に始める時に非常に役に立った」と語る人もいます。

また「YouTubeの本の要約の動画をザッと聞いてから本格的に本を読んだらよく理解できるようになった」という東大生もいます。一度ザッと流せるということの利点は、非常に大きいのです。

■2.わからないところだけをピンポイントで勉強できる

次は、「ピンポイントな勉強ができる」という点です。

例えば、「微分積分がわからないから動画で勉強しよう」などと、大ざっぱに勉強する場合はいいのですが、「微分積分の、この公式の、この部分だけがわからない!」という時もあるはずです。

そういう時に、一から微分積分の授業を聞いているのは非効率的ですよね。

そこで動画授業の出番です。僕が高校生に勉強を教えるときは、必ず一度テストを受けてもらって、その中からできなかったポイントのみを抽出し、生徒に「じゃあこの動画の、○分○秒からの授業を受けるといいよ」というコーチングを行います。

これと同じように、YouTubeの動画では、概要欄やコメント欄に「○分からこの話が見られるよ」と書いてあることがあります。そこをタッチすれば、ピンポイントでその動画を見ることができるのです。このようにして勉強をしていけば、わからないところだけを重点的に、そして効率的に学び直すことができます。

■3.できないところからの「戻り学習」ができる

本や動画で勉強していて、「うーむ、ここから先がよくわからないな……」と、つまずいてしまったとき、どうすればいいのでしょうか。

対処法はたったひとつ。「できないところまで戻る」ということです。理解できていないポイントを探し、そこをクリアしないことには、どうしても先には進まないのです。

ここで厄介なのは、そのポイントが往々にして学年やレベルが1つ前のところにあるということです。高校2年生の勉強でつまずいた時に、高校2年生の教科書を開いて「あ! わかった!」となる人はまれです。高校1年生の教科書を見ないと、場合によっては中学の教科書を開かないとわからないのです。

そして多くの人は、そこまでさかのぼって勉強することができない。先生にそこまで聞くのは恥ずかしいし、そもそも古い教科書などは捨ててしまっているかもしれない。だから、勉強でつまずいてしまうのです。

■いずれは誰もが動画で学ぶ時代に?

そこでいくと、中学の勉強だろうが小学校の勉強だろうが、入門編だろうがなんだろうが、動画ではいくらでも戻ることができます。例えば「とある男が授業してみた」というチャンネルは、中学生向けの動画をメインに配信しています。東大に合格した僕の友達は、高校生の時わからないことがあったら、この動画で中学生向けの授業まで戻って勉強していました。

西岡壱誠『東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法』(文藝春秋)
西岡壱誠『東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法』(文藝春秋)

わからないところまで戻って勉強し直すことができるし、先生に聞いて恥ずかしいということもない。動画にはそういう利点があるのです。

これは社会人の方でも同じことが言えるかもしれません。ニュースで聞いている経済や政治の話でわからないことがあった時には、学校で習う「現代社会」という科目の勉強までさかのぼった方がいいかもしれませんよね。

しかし、教科書を引っ張り出してきて勉強をし直すということはハードルが高い……。そういう時に、動画でその部分を扱うものを見直すというのもありなのです。

いかがでしょうか? 僕はこれから先の未来、「教えるのがうまい人の動画」がもっともっと世の中に出るようになって、誰もがスマホで動画を見ながら学ぶ世界がくるのではないかと考えています。その時に、この3つの「動画で勉強するときの利点」を活かしていただければ、より多くの人が結果を出すことができるようになると思います。ぜひみなさん、試してみてください!

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西岡 壱誠(にしおか・いっせい)
東京大学4年生
1996年生まれ。偏差値35の無名校から東大を目指すものの、2年連続で不合格に。二浪中、独自のスマホ勉強術を駆使して東大合格を果たす。自身のノウハウを全国の高校生に教える傍ら、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生チーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーも務める。『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』など(東洋経済新報社)など著書多数。

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(東京大学4年生 西岡 壱誠)

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