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キャッシュレス時代で拡大する、恐るべき“家計の隠れ赤字”とは

プレジデントオンライン / 2020年3月22日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/YakobchukOlena)

キャッシュレス決済が広まる中、気づけばお金がなくなっている“隠れ赤字”の人が急増しているといいます。現金、クレジットカード、キャッシュレス決済、今日合わせていくら使ったか自信をもって答えられない人は要注意かもしれません。今のうちに支出をコントロールするコツを家計再生コンサルタントの横山光昭さんが教えてくれます。

※本稿は横山光昭『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■キャッシュレス時代に増える隠れ赤字の存在

あなたは「現金派」ですか? それとも「キャッシュレス決済派」ですか?

買い物をするときは、スマホでピッ、今や多くの人がキャッシュレス決済を利用する時代です。ポイントもつくし、簡単だし……便利でお得なキャッシュレス決済は今後ますます広がっていくでしょう。

しかし、その陰で“ある問題”が起きています。それは、“隠れ赤字”の人が増えている、という問題。毎月の家計が赤字になっていることに気づかない人がたくさんいるのです。なぜでしょうか?

原因は、お金を支払う方法が増えたことによる“混乱”にあります。

「現金」「電子マネー」「クレジット」……。

今、支払いの方法が多様化しているため、お金を管理するのが難しくなっています。現金だけなら、財布に入っている量でその増減をつかめますが、そこにキャッシュレスという“見えないお金”が加わったことで、いったい全部でいくらお金を使ったのか、わかりにくくなっているのです。

しかもキャッシュレスは、現金より使いやすい感覚があると思います。本来はスマホやカードに入っているお金も、「現金」と同じ大切なお金ですが、まだ使う人の感覚がそれに追いついていません。

これまでのお金=現金(現物)という感覚から、お金=数字(デジタル)という認識に変えていかなくては、安易に使いすぎてしまうことは避けられないでしょう。

その結果、あれ? 思った以上にお金を使っているな、と明細を見て気づく人がいま、たくさんいるのです。

■貯められるかどうかに収入は関係ない

これまで2万3000人以上の家計相談を受けてきて、つくづく思うのは、「貯金ができる人、できない人」の違いに、「収入は関係ない」ということです(もちろん、相当の高収入であれば話は別ですが)。

例えば、月に55万円の世帯収入がありながら、毎月の家計の収支はとんとんというご夫婦がいました。ボーナスはローンや税金の支払いに消えていき、貯蓄は夫婦合わせてたった数十万円……。

お互いがそれぞれに貯めていると思っていたのに、家計相談に来てみて「うちには貯金がない」という事実にがく然とされていました。

一方、世帯収入が25万円。小さなお子さんを育てながらも着実に貯蓄を増やし、「将来に備えて投資を始めたい」と相談に来る方もいます。

・収入が多いのに貯金できないという人
・収入が多い分、自然とお金が貯まっている人
・収入が少ないから、貯金ができないと悩む人
・収入が少ないけど、貯金はしっかりしています、という人

あなたはどのタイプに当てはまるでしょうか?

■払えるから払ってしまう人々

ちなみに、家計相談に乗っていて一番悩ましいのは、「収入が多いのに貯金できない」という人たちです。

このタイプの家計には、共通したある問題があります。それは出ていくお金=支出がルーズになっていることです。しかも、平均的な世帯よりも稼ぎがあるため、本人が「これは必要かも」と感じたら、払えてしまいます。

クルマがあると便利だし、見栄えがいいと気分もいいから、と新車をローンで買ってしまう。子どもの力を伸ばしてあげたいから、塾にピアノ教室、水泳教室、英会話に通わせる。

払えるがゆえに、必要かどうかを吟味せず、もったいない使い方をしてしまうのです。その結果、十分に稼いでいるのに、気づくと給料日前になると現金が手元にない状態に。

それでも「カードで払えば、まあいいか」とクレジットカードやそれに紐づく電子マネーを利用して、払えるがゆえの支出を増やしてしまいます。

■今日いくら使ったか、言えますか?

じつはこの傾向、「収入が少ないから、貯金ができないと悩む人」の家計にも共通しています。

横山光昭『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』(クロスメディア・パブリッシング)
横山光昭『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』(クロスメディア・パブリッシング)

収入が少ない分、使える額は減りますが、支出がルーズになっていることは変わりません。

同じように気づくと現金がないから、クレジットカードや電子マネーで支払い、結局、その月に何にいくら、どうして支出したのかがよくわからないまま、次の給料日を迎えるのです。

そして、お金が口座に振り込まれれば、万事OK。先月もなんとかなったし、今月も大丈夫だろう、と変わらぬ使い方を続けてしまいます。

一方、収入が少なくてもお金が貯まる人は、支出を整理し、よく見えるようにしています。何にいくら使ったか、ムダはなかったか。支出を見直すことで家計をうまくコントロールしているのです。

私は支出がルーズになっている人に、こんな質問をするようにしています。

「今日いくら使ったか、言えますか?」

狙いは、自分の支出について振り返る意識を持ってもらうことにあります。

お金が貯まらない原因は、「いくら使ったか見えなくなっていること」です。なぜそうなるのかを探ることで、家計の「視える化」を始めるためのヒントがみつかるはずです。

前述したように、キャッシュレス化により、支払いの仕方が多様化してきた今、ますます自分が何にいくら、どうして使ったのかを意識することが重要です。

「このままだとまずいかも?」

そう気づくことが、キャッシュレス貧乏になることなく、お金が貯まる第一歩となります。

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横山 光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表
お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は2万3000件を突破。各種メディアへの執筆・講演も多数。著書は60万部突破の『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は120冊、累計330万部となる。個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。

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(家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表 横山 光昭 写真=iStock.com)

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