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コロナ休校で急増中「勉強しなさいバトル」を避ける3つの方法

プレジデントオンライン / 2020年3月12日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hakase_

安倍首相の要請で始まった「一斉休校」で時間を持て余す子供が増えている。塾講師の松本亘正氏は「時間があるからといって、子供に普段やらない勉強を無理強いすると、親子関係が悪化する恐れがある。この時期に家庭学習を促すうえで、おさえてほしい3つのポイントがある」という――。

■コロナ休校のせいで「親子バトル」が急増している

「コロナ休校」によって、春休みは1カ月の長期休暇になった。

私は中学受験専門塾の講師として、この1カ月が後々大きな差になると考えた。だから、今回、塾生には休講分の教材だけではなく、学習日の目安を入れた特別課題を出した。

なぜ「学習日の目安」を入れたのかというと、家庭内バトルを減らすためである。

長時間、子供が家にいる。親は仕事に行っているから管理ができない。子供はちゃんと家でやるべきことはやっているだろうか。この時点で、すでに、親には不安がある。仕事しながら、気が気じゃない。

帰宅すれば、カチンとくる。「え、何で? 何でこれだけしかやっていないの?」。子供は子供だ。社会が緩めば自分も緩む。結果、課題消化率も低くなり、だらける。当然、親は小言の一つも言いたくなるだろう。

■共働きより片働き世帯のほうがバトルが壮絶なワケ

それだけならまだよい。

たとえば片働き世帯であったり、在宅勤務だったりすると、親子が一緒に自宅にいることになる。すると、親子関係はさらに悪化しやすい。

だらだらと過ごすわが子を目にして、つい怒りにまかせて“口撃”してしまう場面もあるだろう。それは当たり前のことである。親の期待値は高いもの。その分、現実とのギャップが怒りに変わるのである。

普段から放任主義の子育てであれば感情も抑制できる。一方、管理したいが時間の制約でできないと思っているタイプは危険である。特に、後者のタイプに向けて、家庭内バトルを減らす方法をお伝えしたい。

■家庭内バトルを減らす方法1「日付入りの課題を設定する」

一斉休校により1カ月ちかい時間ができたことで、親は大きすぎる目標を立ててしまいがちである。だが、「苦手教科を克服させるぞ」などと気負うと、かえって失敗してしまう。

そうではなく、まず1日。その日に何をやるか書き出す。千里の道も一歩からだ。バトルが起こりそうなら高い理想は引っ込める。数週間のスケジュールをまとめて作るのもやめよう。絵に描いた餅になってはならない。つくっても2、3日分だ。そこで進捗具合を確認して、また2、3日分つくる。その繰り返しをおすすめしたい。

紙に書く
写真=iStock.com/Jardul
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Jardul

学校の宿題や塾の課題があるのなら、どこまで何をやるか、1日ごとにスケジュールを立てる。そしてどこまでやればOKか決める。勉強が終われば、漫画を読んでもいいし、YouTubeを1、2時間視聴してもよい。自由時間だっていつも以上に確保したほうがいい。体を動かす時間も設けたい。

学習計画は子供本人が立てられるならそうしたほうがよい。小学6年生や中高生なら可能だろう。親が決めたことであれば逆らいたくなる。だが、自分で決めたことには自分で責任を持つことになり、「家庭内バトル」も避けられる。

■家庭内バトルを減らす方法2「課題は確実に越えられる量に抑える」

親が子供に期待をかける気持ちは理解するが、過度な期待をするべきではない。第一、社会を揺るがす今回のようにイレギュラーな事態である。普段できていないのに、こんなときにコツコツと取り組めるわけがない。「時間がもったいないから追加の課題をやらせよう」という親もいるがやめたほうが良い。

子供からすれば、決めたことをやったのにさらに課題を出されたら、芽生えたやる気もうせてしまう。もし追加するにしても、スケジュールを新たに作るときに、さりげなく増やす。あるいはスケジュールを子供に作らせるのであれば、「もう少しだけ増やしてもいいんじゃない」とアドバイスすればいい。

大事なことは、親が勝手に命令して腰折れになってしまわないことだ。

■家庭内バトルを減らす方法3「処理能力を鍛える勉強に特化する」

時間があるからといって、高い理想を掲げてもうまくいかない。では、具体的にどうすればいいのだろうか。こうした場合、おすすめは計算や漢字などのドリルだ。

教育の概念、一生懸命勉強している少年
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

家庭学習ではどうしても一人で勉強する時間が多くなる。できるだけ子供一人で勉強できるもの、親の関わりが少なくて済むものを選ぶ必要がある。よって記述式の問題集はスパッと諦めたほうがよい。

学習のテンポをつかむことも重要だ。深くじっくり考えるものはなかなかはかどらない。そうなると勉強に飽きてしまう恐れがある。また小学生の段階では、自主学習を器用にすすめるのは難しい。一人で取り組むのであれば、さっと解けるものをたくさんやらせるのが効果的である。

■親がイライラしなくてすむ、コロナ休校向けの国語ドリル

小学生向けの「国語」の場合、以下の2冊の問題集をおすすめしたい。

(1)低学年向け「ドリルの王様 文章読解」(新興出版社)

小学1~3年生におすすめ。記号やぬき出しの問題が中心で、記述問題は少ない。記号や抜き出しの問題は、答えが一つしかない。このため採点時に迷わずに済む。

正解と不正解の基準がはっきりしているため、低学年でも自分で採点できるし、親が採点する場合でも、「家庭内バトル」を避けることができる。

(2)高学年向け「学習塾トップ講師がすすめる 読解力アップ直結問題集」(実務教育出版)

小学5~6年生におすすめ。読解の基礎を、段階を踏んで学べる。ほとんどの問題が指示語の内容や接続詞の使い方を問うもので、正解がハッキリしている。さらにすべての問題には「例題」と「解説」がついており、一人でも学習しやすい。採点して○か×かの確認をしたらそれでおしまい、つまり「やりっぱなし」とはならないのが本書の魅力だ。

これらはあくまでも一例だ。問題集はこの2、3週間で確実に終わる1冊を選ぼう。何冊も購入して終わらないということだけは避けたい。

なお、中学受験を意識した国語学習をしたい場合は、私が代表を務める塾が毎朝アップしているユーチューブのコンテンツ「0時間目のジーニアス:おもしろくてためになる語彙動画」を見るといいだろう。難関校の国語の入試問題で実際に出題された「馬が合う」「鵜呑み」といった重要な語彙を楽しく覚えられる。

上記は主に小学生向けだが、中学生向けにもひとつ。家庭教師のトライが提供しているサイト「トライイット」だ。ユーチューブで配信されており、登録不要で視聴できる。私は「中学社会」(歴史・地理・公民)の解説をしている。歴史分野は中学受験向けにも活用できるので小学生にもおすすめだ。

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松本 亘正(まつもと・ひろまさ)
中学受験専門塾ジーニアス代表
1982年、福岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学在学中の2004年に中学受験専門塾ジーニアスを設立。東京、神奈川に7校舎を展開し、首都圏の中学を中心に高い合格実績を誇っている。著書に『合格する親子のすごい勉強』(かんき出版)、『中学受験 合格する歴史の授業』上・下巻(実務教育出版)などがある。

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(中学受験専門塾ジーニアス代表 松本 亘正)

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