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いつも引っ越し代が高くなってしまう人が知らないこと

プレジデントオンライン / 2020年3月17日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Valerii Apetroaiei

「引っ越し代」を節約するには、どうすればいいのか。消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんは、「引っ越し料金は時期によって異なる。2~3人家族なら、最も高いのは3月で、最も安いのは1月。また子育て世代なら自治体の助成制度を使うという手もある」という――。

■最も高くなるのは「3月28日の午前便」

引っ越し料金は、時期によって異なる。比較サイト「SUUMO(スーモ)引越し見積もり」が2018年に出したレポート(「引越し費用が一番安くなる時期を徹底調査。月別の引越し料金データを公開」)によれば、5月~2月の通常期価格(土日・祝日)は8万9423円。対して3月と4月の繁忙期は12万5604円と、4万円近い差がある。

同レポートによれば、家族世帯で引っ越した場合、引っ越し代金が最も安いのが4人家族で6月、2人家族と3人家族では1月となっている。一方、最も高いのは3月。入学や入社、転勤など年度替わりで混雑するからとみられる。

過去2年のデータによると、引越し希望者が最も多いのは3月の最終土曜日だという。2020年に当てはめれば28日。最も引っ越し価格が上がるのがこの日の午前便と想定される。

なお全日本トラック協会の「2020年引越混雑予想カレンダー」によると、3月20日以降が大繁忙期になっているので、引っ越し料金を少しでも安くあげたいなら、せめてそれより早く済ませなくてはいけないということだ。

時期がずらせない場合は、自治体の助成制度を探してみるのも一案だ。

例えば、東京都新宿区は義務教育修了前の子をもつ世帯が区内で転居する際、要件を満たせば最大10万円の引っ越し代実費を助成してくれる。北区では要件を満たす子育て世帯が区内でより広い部屋に移る場合、礼金と仲介手数料の合算額(上限30万円まで)を助成してくれる。

もちろん引っ越し料金が安く済んだ場合でも助成は受けられる。自分が住んでいる・転居する自治体に類似の制度がないか、一度調べてみてほしい。

※自治体の制度は年度により内容が変更されることがある。対象となる条件や申し込み方法・時期はよく確認を。

■「大手は高い、中小は安い」とは限らない

一概に大手だから高い、中小だから安いということもない。引っ越し費用は高めでも、段ボールの無料枚数が多い業者もある。

また、最初に見積もりを出す営業員の資質によっても料金は変わる。ベテランだと値段交渉における采配力が大きい印象だ。筆者は短期間で同量の荷物で引っ越した際、前回の見積もりをとっておき、その数字を元に同じ業者に交渉したことがある。引っ越し料金自体は下げられなかったが、無料段ボール枚数を増やしてくれるなどの配慮があった。同様に、複数業者に見積もりを取る時は他社の数字や無料サービス内容を提示して、交渉の材料にすればいいだろう。

■売れるものは売り、捨てられるものは捨てておく

他にもできることはある。まず、引っ越しは荷物が少ないほうが安く済む。荷物が多いほど、運ぶトラックのサイズが大きくなり、作業人数も増えるからだ。節約をしたいなら、引っ越しが決まったら、間髪入れず不用品の処分を始めよう。

メルカリがニッセイ基礎研究所の監修のもとに実施した「引っ越し実態調査」によれば、引っ越しで捨てた不要品の総数に、メルカリでの平均価格をかけあわせたところ、親子3人世帯で平均15万5010円の「機会損失額」が出た。すべてを自分で売るのは無理でも、押し入れにしまったままの引き出物や洋服・小物などを、捨てるのではなくリサイクル業者に依頼すればいい。少しでも値がつけば、引っ越し代の足しになる。

お金にならない家具は、引っ越し前に自治体の粗大ごみ回収に出しておこう。ただし、繁忙期には粗大ごみの申し込みが混雑するため、希望の日に引き取りが不可能なことがある。早めに動こう。

家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は、「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」に基づき、販売店を通じての回収になる(既定の家電リサイクル料のほかに収集運搬料等がかかる)。本来は、新しく家電を購入した時に利用するサービスだが、ヤマダ電機やケーズデンキでは店舗に直接持ち込むことも可能だ。

さすがに冷蔵庫や洗濯機は無理だが、筆者は液晶テレビを直接車で運んだことならある。そのほか、電子レンジや炊飯器など小型家電も1000円程度で持ち込めるので(小型家電リサイクル法の対象品に限る)、引っ越し前に、少しでも処分をしてしまいたい人にはお勧めだ。

※家電リサイクル料金や引き取りにかかる料金は、各社ウェブサイトで確認を。

■「スーパーでダンボールをもらう」はおすすめできない

なるべく運ぶ荷物を減らすことができたら、次は梱包だ。安い引っ越しプランを選ぶと、荷造りは業者にお任せではなく自分でやることになる。

段ボールは自分で調達したほうが安いという考え方もある。だが、スーパー等でもらってくるのは、あまりお勧めできない。段ボール箱が不揃いだと、荷物の仕分けがやりづらく、荷解きの効率が悪くなるからだ。もしネットやホームセンターで購入するなら、なるべく引っ越し業者の段ボールサイズと同じものを選ぶようにしよう。

■家具や家電をレンタルにして、身軽になる

いざ新居に荷物の運び込みが終わり、ある程度落ち着くと、新しく家具や家電・生活用品を購入しようとなるだろう。ここでも出費がかさむ。数年後に引っ越しをするつもりなら、家具や家電はそこに住む間だけの消耗品と割り切るのはどうだろう。すべてを買いそろえるのではなく、家電はレンタルし、こまごました生活用品は均一ショップや低価格雑貨などでまかなうのだ。

大物レンタルにはさまざまなパターンがある。例えば、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジをセットで借りるプランもあれば、毎月定額を支払うサブスク方式もある。部屋によって合うサイズやデザインが異なる家具は、期間を区切ってレンタルし、住まいが変わる時には返却するという方法もある。レンタルなら家具や家電の処分に費用が発生することもないし、引っ越しの際も身軽になれる。

引っ越し料金を安くあげるためにポイントとなるのは、第一に時期、第二に荷物の量、第三に転居に伴う買い替えや処分費用だ。すべてでなくても、どれかを抑えることで節約につながるはずだ。

すぐできるのは、普段から不要品をせっせと処分することと、押し入れに突っ込んだままの段ボール箱があるならためらわずに捨てること。そこからスタートしてはどうだろう。

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松崎 のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト
雑誌編集者として20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『ESSE』などのマネー記事を担当。現在は雑誌やWebを中心に生活者目線で執筆中。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームでも節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術 』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない 』『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。著者公式サイト→【消費経済リサーチルーム】

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(消費経済ジャーナリスト 松崎 のり子)

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