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誰もが振り返るイケメンだが浪費癖があり借金300万円、離婚するべきか

プレジデントオンライン / 2020年3月27日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/courtneyk

誰もが振り返りたくなるようなイケメンという自慢の夫。しかし浪費癖がひどく、こっそり300万円の借金を作っていた。妻は離婚を決断するべきか。教育コンサルタントの嶋津良智氏は、「夫婦の価値観の違いに向き合わない限り、不和は続いてしまうだろう」という――。

※本稿は、嶋津良智『なぜ、突然妻はキレるのか?』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

■なぜ身近な相手にイライラしてしまうのか

私は仕事柄、多くの相談者さんから夫婦の悩みを打ち明けられます。そこから見えることは、妻のイライラは、夫であるあなたとの価値観の違いから生まれるものがほとんどだということです。価値観とは、「個人個人が自分のなかにもっているものの見方や考え方」のことです。もっと平たく言えば、その人にとって「何が重要で、何が重要ではないか」ということ。つまり、価値観の違いは物事に対する重要度の違いです。

たとえば、妻にとって結婚記念日はとても大切で、毎年お祝いしたいと思っているとします。でも当日、夫はすっかり忘れていたりする。すると、妻は「結婚記念日を忘れられるなんて、信じられない!」となって怒る。これはこの二人の記念日に対する重要度の違いなのです。

同様に、なんにでもきちんとしている人は、物事にゆるいパートナーが気になります。お金に細かい人は散財する人が気になります。時間を守る人は時間にルーズなパートナーが気になります。

人の価値観は、生まれ育った環境や個人の性格や人との出会いなどにより培われていくものですから、まったく同じ人なんていません。冷静に考えれば価値観は違って当たり前だとわかると思うのですが、夫婦になると、身近な分だけ自分の価値観に合わない相手についイライラしてしまうのです。

ここで、夫婦間に起こりやすい代表的な「価値観の違いあるある」を挙げてみましょう。できたら、これから結婚・再婚する人にも知っておいてほしい部分です。

■浪費家タイプ? 節約家タイプ?

「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉もある通り、夫婦の金銭感覚=お金に対する価値観があまりにも違う場合も日常的にイライラが起こりやすいものです。身近な話だけでも、「普段使うものは安いもので構わない夫、よいものを長く使いたい妻」「ほしいものはすぐ買う夫、よくよく考えないと買わない妻」「見栄を張って後輩におごる夫、基本割り勘が当然と思っている妻」「外食が大好きな夫、外食は贅沢だと考える妻」などたくさんあります。

お金の問題は、ギャンブルや借金にまで発展すると離婚原因になることも多いものです。ある女性は、夫の浪費癖にイライラしていました。誰もが振り返りたくなるようなイケメンの夫は、妻の自慢でもありましたが、新婚生活がスタートし、しばらくすると、彼女は見かけないブランドバッグや時計を頻繁に目にするようになりました。そのペースは半端ではなく、10万円以上もする高級品が毎週のように増えていったのです。

「そんなに買い続けて、家計は大丈夫?」と注意しても、彼は「僕の稼ぎからだから大丈夫」といってやめようとしません。共働きの彼らは結婚する前、家計について取り決めをしていました。家賃は夫もち、光熱費と食費は彼女もち、車のローンは夫、二人の将来のための保険や貯金はそれぞれ各8万円などです。その他のお金はそれぞれが自由に使うスタイルです。

そこに、彼の借金が発覚します。その額300万円です。彼の年収は500万円、妻の年収は300万円。夫婦二人で暮らすには十分な金額でしたが、ブランド品を買い続ける夫はそれでは足りず、妻に隠れて借金をしていたのです。

■借金や浪費は癖になって繰り返しがち

しかも、夫は300万円の借金を延滞し続け、遅延金を含めて借金は380万円に膨れ上がっていました。妻に問い詰められて「もう二度と借金はしません」と誓ったのですが、妻が借金を肩代わりした後、また2カ月もしないうちに100万円以上のお金を借りてしまったのです。夫はブランド品や高級時計だけでなく、妻に内緒でギャンブルにも手を出していました。

そんな状況ですから、もちろん、貯金なんてありません。結局のところこの二人は、離婚に至りました。借金癖や浪費癖のある人というのは、癖になっているのですから、根本の原因を解消しない限り繰り返す傾向があるといいます。

本当に自分の浪費癖を直したいと思うのであれば、専門家に頼るのも一案ですし、妻に一切のお金の管理をお願いしてお金の元栓を締めてしまうくらいの徹底した対策が必要な場合もあります。給料をおろせる銀行のカードは妻に渡し、週払いのお小遣い制にするなどです。

また、共有クレジットカードにして、使うたびに妻にメールが届くような設定をして、自分の出費が度を越さないように監視してもらうようにする手もあります。浪費がストレス発散になっているとしたら、お金のかからないストレス発散法を一刻も早く探すべきでしょう。

■趣味へのお金のかけ方もすれ違いの原因に

趣味に対してどれだけお金をかけるかについても同じことが言えます。他人から見ると、なぜこのようなものにお金をかけるのか理解できないものであっても、本人にとってはかけがえのない人生の楽しみであることはよくあります。

ある男性の趣味はゲームです。携帯ゲームに没頭するのが息抜きであり、唯一の趣味だと言います。ただ、妻からは「いつもスマホばっかり見ている」と小言を言われています。最近は、「いくらゲームに使っているわけ? 貯金に回してほしい」「帰ってきてもゲームばかりで、育児に参加しないので腹が立つ」と風当たりが強くなってきていました。

前述した妻のイライラエピソードのように、夫のスマホ依存にイライラしている妻は多くいますから、あなたも他人事ではないかもしれません。

長時間のプレイに対する妻の不満は、「パソコンやタブレットばかり見るのではなく、もっと会話をしてほしい」といったコミュニケーションを求める声ではないでしょうか。あまり一人の世界に没頭せず、妻や子どもとのコミュニケーションもとる時間を意識したり、過剰な課金についても、「いくらまで」と夫婦で決めるなどしたほうがあなたも気持ちがよくゲームができるのではないでしょうか。

■フィギュアオタクの夫と「棚一つ分」という取り決め

ある男性は独身時代に萌え系アニメキャラクターのフィギュアを膨大にコレクションしていました。結婚して妻と一緒に住むとき、それらも一緒に入居しようとして相手の怒りを買ったといいます。そこで、交渉し「棚一つ分まで」という制約をつけて他は全部捨てたそうです。

彼はいまでもそのルールを守ってなんとかやりくりしているそうです。お金が関わってくることや大事な趣味については、どこで折り合いをつけるか、二人で話し合うほうが賢明です。

これも本来は結婚する前に話し合うほうが何かとスムーズですが、すでに結婚していて、夫婦でお金の話し合いをしたことがない人は、これからでもライフプランを立てながら未来のお金について考えて損はありません。

結婚資金、子どもの教育費、家の購入費、旅行費、老後資金、いざというときのための貯蓄といった具合に、人生のイベントや大きな支出が必要な項目を考えると、あなた自身が、そして妻が何を望むか、そのためにそれぞれにいくら必要なのかがわかってきます。

たとえば、子どもの教育費は、幼稚園から大学まで、一人当たり平均1200万円程度必要といわれています。公立か私立かによっても違いますが、子どもの数が増えれば当然かかる費用も増えてきます。無駄遣いをして妻に怒られている場合ではなく、夫婦でしっかり現実を見据えていくことが大切だと気づくはずです。

■子どもをもつ? もたない?

ライフプランとも関わってきますが、子どものいる人生を望むか、いなくてもよいと考えるか、その価値観によって夫婦の生き方は大きく変わります。

妻は子どもがほしいのに、旦那に子どもはいらないと言い切られたら、出産年齢にリミットのある女性には大問題です。反対に、子どもがほしいと思う男性と、そう思わないという女性もいます。自分は三人兄弟だから三人ほしい夫と、子どもは一人で十分という妻といったように、子どもの数について意見が違う場合もあるでしょう。

子どもをほしい、ほしくない、その理由はそれぞれで、デリケートな問題を含むこともありますが、夫婦だからこそ本音で話すべき事柄です。ほしくてもできない以前の問題で、子どもがほしい、ほしくないという考えは結婚前に相手に伝えておくべき事項だとも思います。

嶋津良智『なぜ、突然妻はキレるのか?』(フォレスト出版)
嶋津良智『なぜ、突然妻はキレるのか?』(フォレスト出版)

ある結婚3年目の夫婦の話です。30歳の妻は一日でも早く子どもがほしいと思っていますが、夫は「もう少しお金が貯まったらつくろう」と濁していました。妻の焦りは日に日に増し、毎日イライラしています。夫がなぜ子どもをもつことに積極的になれないかというと、子ども中心の生活になるし、お金もかかる。しょっちゅうイライラしている妻を見て、思い通りにならない子どもができたら余計にイライラして自分にも当たり散らすのでは、と恐れていました。

このケースは、まずそれぞれが、お互いの幸せや二人の幸せを慮ることがなく、自分の気持ち、自分の幸せを主張し合って平行線をたどっている、特に夫が妻の女性として子どもがほしいという切実な思いにちゃんと向き合っていないことが気になります。実際に夫が心配しているお金の問題を含め、出産後の生活がどのように変化するかなど、二人の間で話し合うべきです。

■「産後クライシス」に陥る夫婦が増えている

たとえば、子どもが生まれたらどのように育てたいのか、そのためにはいくら必要か、妻がイライラを溜め込まないように土曜日はエステや美容院の日にしよう、夫も金曜の夜はジム通いをして一人になる時間と健康づくりをしようなど、建設的な話をしてみることです。

「子どもは生まれてみたらかわいいと思うもの」と言ったりもしますが、実際は大変なことも多いものです。二人だけの生活とは様変わりします。特に女性は出産することで肉体的にも消耗しますし、ホルモンバランスの変化などで感情のコントロールがしにくくなり産後鬱うつになるような方もいます。不安を煽るつもりはありませんが、産後、育児のハードさから夫婦関係に亀き裂れつが生じる「産後クライシス」に陥る夫婦が増えているのも事実です。

子どもが生まれたら生まれたで、子育てについて夫婦の意見が分かれたりしてケンカやイライラを互いに募らせることも多くあります。これから子どもをもつという方で、妻との意見の違いに直面している夫は、互いの幸福を高めるよいチャンスというふうに捉えて、いまこそ妻としっかり向き合うことをおすすめします。

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嶋津 良智(しまづ・よしのり)
教育コンサルタント
日本リーダーズ学会代表理事。リーダーズアカデミー学長。1965年、東京都生まれ。日本唯一の上司学コンサルタントとして、講演・企業研修・コンサルティングを行う。著書に『怒らない技術』(フォレスト新書)や『だから、部下がついてこない!』(日本実業出版社)など。

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(教育コンサルタント 嶋津 良智)

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