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「How do you do?」に堂々とおうむ返しする残念な人々

プレジデントオンライン / 2020年3月27日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Image Source

初対面の人に英語で話しかけるには、どう言えばいいのか。『外資系1年目のための英語の教科書』の著者マヤ・バーダマンさんは、「『How do you do?』に対して『How do you do?』とおうむ返しをするのは避けたほうがいい」という――。

※本稿は、マヤ・バーダマン『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■今回のテーマ:「丁寧な挨拶をする」

初対面の挨拶はあなたのfirst impression(第一印象)を決定づける大きな要素です。実際、第一印象は7秒、あるいは30秒で決まる、といった説をForbesやBusiness Insiderなどの記事でよく目にします。

たったそれだけの時間でどう振る舞うべきか悩むかもしれませんが、以下の点を意識すれば丁寧でありながら形式的ではない挨拶ができ、良い第一印象で相手との関係をスタートできるでしょう。

【The Essentials ―本当の基本―】

1:おうむ返しを避ける
2:完全なセンテンスで話す
3:挨拶にプラスαを

■「How do you do?」に「How do you do?」と返すのは不躾

1:おうむ返しを避ける

出会ったときの挨拶として、How do you do? という表現を習ったかもしれません。これは古い表現でも間違いでもなく、使っても問題ないのですが、やや違和感があるのはHow do you do? の返事として同じようにHow do you do? と返すことです。

機械的ですし、工夫がなく、相手が違和感を覚える可能性があります。日本語では、「はじめまして」の挨拶に「はじめまして」と返事をしても問題はないので、ここに英語との違いがあります。相手がこの表現で挨拶をしたら、おうむ返しをせず、次のように他の表現で挨拶しましょう。

How do you do? に対して it’s a pleasure to meet you.
イラスト=2g(「外資系1年目のための英語の教科書」より)
●Do’s
How do you do? に対して it’s a pleasure to meet you.
●Don’ts
How do you do? に対して How do you do?
2:完全なセンテンスで話す

些細なことではあるのですが、心がけるだけで話し方の印象が少し変わります。初対面の人と会ったときの最初のひとことというと、次のような表現を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

Nice to meet you.
(はじめまして。)

実はこのフレーズは、次のようにIt isが省略されたものです。

(It is) nice to meet you.

実際、会話ではこのようにIt is(もしくは省略して It’s)などを省くことがあり、こうすると少しカジュアルな雰囲気になります。このIt is(またはIt’s、It was)を省かず完全なセンテンスで言うほうが、少し丁寧に聞こえます。大幅に印象が変わるわけではありませんが、なるべく丁寧な言葉遣いをしようという姿勢は相手に伝わります。

〈Not bad〉〈Better〉
Nice to meet you. ➡ Itʼs nice to meet you.
Pleasure to meet you. ➡ Itʼs a pleasure to meet you.
Pleased to meet you. ➡ Iʼm pleased to meet you.

■英文で「今後ともよろしくお願いいたします」のニュアンスの使え方

3:挨拶にプラスαを

どの言語でも同じですが、挨拶がその後の様々なやりとりのきっかけになるので、次につながるようにプラスαの表現をひとこと添えると良いでしょう。自分のことをより知ってもらい、または相手についてより知るきっかけとなり、信頼関係を築くことにつながるでしょう。

●プラスαの表現
Itʼs a pleasure to meet you.
お会いできて嬉しいです。

●名前と部署を伝える
My name is Sayaka Komatsu. Iʼm an Associate in the Finance department.
ファイナンス部門のアソシエイトの小松沙也加と申します。
●「今後ともよろしくお願いいたします」のひとことを添える
I look forward to working with you.
一緒にお仕事ができるのを楽しみにしております(「今後ともよろしくお願いいたします」のニュアンスで使える)。※「よろしくお願いいたします」の直訳がないので、場面によって適した表現を使います。
●相手についてひとこと述べる
Iʼve heard your name often from my coworkers.
同僚があなたの話をしているのをよく聞きます。※ポジティブなニュアンスです。
●メールのやりとりが続いたあと、実際に会うのが初めてのとき
Iʼm happy to finally be able to meet you in person.
やっとお会いできて嬉しいです。
●プラスαの要素
以上のような表現に笑顔を添えるとより良い印象になります。「演技でも良いので、笑顔で自信があるように見せるだけで印象が変わる」。これは筆者自身が緊張する場面で上司から受けたアドバイスです。このように、言葉遣い以外の要素にも気を配ることをおすすめします。

■おうむ返しなどの機械的な挨拶は自分の評価を下げる

コラム「Best Practices ―現場からのヒント―」

●ワンパターンにならないように

マヤ・バーダマン『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)
マヤ・バーダマン『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)

ここでご紹介したフレーズを積極的に使うのは良いことなのですが、その際に、The Essentialsの1で紹介した、おうむ返しを避けるということを念頭に置くようにしましょう。外資系の企業で働くと、外国人の同僚、初めて会うクライアント、アメリカの本社から日本を訪問する役員など、様々な方と挨拶をする機会があります。

こういったシーンを英語で切り抜けるとなると、日本語のときよりも緊張してしまうでしょう。慣れないうちは相手が言った言葉を繰り返したり、決まった表現に頼ったりと、機械的な挨拶になりがちです。なるべく相手と違う挨拶を返し、自分から挨拶をする場合にも表現のバリエーションを意識すると良いでしょう。

●表現は現場で覚えていく

ここでご紹介したフレーズはあくまでも基本として覚えておき、挨拶をする場面で、相手がどんな返事をするかを聞き、ご自身のボキャブラリーに加えていくことをおすすめします。ストックが増えれば臨機応変に対応でき、相手によってカスタマイズできるようになります。

こうした心がけで毎日の挨拶をすると、様々な相手や場面でも自信を持って気持ちよく挨拶ができるようになるはずです。英語を使う現場こそが皆さんの「生きた英語の教材」です。挨拶に限らず、現場の中でフレキシブルに学んでいき、アウトプットをしていくことが、語彙を増やして、使う表現ややりとりの幅を広げることにつながります。

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マヤ・バーダマン 仙台市生まれ。上智大学比較文化学部卒業。ハワイ大学へ留学し、帰国後は秘書業を経て、ゴールドマン・サックスに勤務。医学英語に携わったのち、別の外資系企業に勤務。著書に『英語のお手本 そのままマネしたい英語の「敬語」集』『英語の気配り マネしたい「マナー」と「話し方」』『英語の決定版 電話からメール、プレゼンから敬語まで』(朝日新聞出版)『品格のある英語は武器になる』(宝島社)などがある。

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(マヤ・バーダマン)

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