乾燥した肌をリカバーさせるために「長時間のシートマスク」はなぜ逆効果か
プレジデントオンライン / 2020年4月2日 11時15分
■間違い美容法3「吹き出物ができやすいので、保湿クリームは使いません」
吹き出物は、ほとんどの場合ニキビで、睡眠不足や不規則な食事といった生活習慣の乱れのほか、乾燥によっても引き起こされます。保湿が不十分で肌が乾燥すると、肌のバリア機能が低下。炎症が起こって、ニキビだけでなく、湿疹やシミ、ちりめんジワもできやすくなります。
また、皮脂がたくさん出ているからといって、肌がうるおっているわけではありません。肌の保水機能を担っているのは、肌の一番表面の角層にある「皮脂膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」の3つ。「皮脂膜」は肌の表面を覆って水分の蒸発を防ぎ、「天然保湿因子」は角質細胞内で水分を保持。そして「細胞間脂質」は水分を抱え込みつつ細胞同士を接着させ、水分の蒸発を防ぎますが、水分を保つ割合は「皮脂膜」が2~3%、「天然保湿因子」が17~18%、「細胞間脂質」が80%と、「皮脂膜」の貢献度がもっとも低いのです。そのため皮脂が多く、肌がテカっていても、細胞間脂質や天然保湿因子が不足していると、肌は乾燥してしまいます。
ですので、すべての肌質の人に保湿は必要。毎日のケアで保湿クリームを塗ることが、肌のうるおいを保ち、ニキビや湿疹などのトラブルを防ぐことにつながります。
■間違い美容法4「シートマスクは、表示時間より長くのせるようにしています」
シートマスクは長時間、顔にのせるほど効果が高まると思う人が多いようです。しかし、肌は濡れたままの状態が続くとバリア機能が低下し、逆に乾燥を招くもの。さらに、シートマスクにはさまざまな成分が入っており、長時間シートをのせて湿布をするような状態になると、成分の浸透が高くなりすぎて、かぶれの一種である「刺激性接触皮膚炎」になることもあります。そもそも化粧品は、失われた角層のうるおいをサポートするもので、肌の表面にのせれば十分。成分を奥まで浸透させようとする必要はないのです。
シートマスクは、記載された適正時間のせたらはがし、その後、保湿クリームを塗りましょう。また、毎日シートマスクを使う人もいるようですが、週に1~2回程度、使用するのがおすすめ。特に肌が弱い人は、肌の様子を見ながら使用してください。
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銀座ケイスキンクリニック院長 医学博士/皮膚科専門医
皮膚の働きや美肌に導くスキンケア、安心安全な美容医療など、的確な診断とわかりやすい解説で多くの女性たちに支持されている。雑誌やTVなど多くのメディアでも活躍中。著書は『365日のスキンケア』(池田書店)、『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など
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(銀座ケイスキンクリニック院長 医学博士/皮膚科専門医 慶田 朋子 構成=籔智子 写真=iStock.com)
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