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外国人の質問に対して「イエス、イエス」と相槌を打ってはいけない

プレジデントオンライン / 2020年4月4日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/anyaberkut

ビジネスシーンで英語を話す外国人には、どう対応すればいいか。『外資系1年目のための英語の教科書』の著者マヤ・バーダマンさんは「あいづちの『はい』のつもりでyesを続けてはいけない。『そのとおりです』と全肯定していると捉えられてしまう恐れがある」という——。

※本稿は、マヤ・バーダマン『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■あいづちの「はい」のつもりでyesを続ける人はまずいことになる

今回のテーマ:「細かいニュアンスを含めて賛成・反対を表明する」

他の参加者の意見への賛成・反対、そしてさらにコメントをするのもミーティングで効果的に貢献する方法の1つです。

意見を言うときと同様、賛成や反対の度合いも表現次第で調整できます。伝え方に幅を持たせてより細かく明確に立場や考えを主張してみてください。周りの反応や、その先の話の展開にも違いが出てくるようになるでしょう。

【The Essentials ―本当の基本―】
1 賛成や同意の度合いによって表現を調整する
2 相手へ気を遣いながら反対意見を述べる

■一流は「賛成・同意」の強さを自在に変えられる

1 賛成や同意の度合いによって表現を調整する

相手の発言や持ち上がったアイディア・意見について、賛成や同意を示す際に、「まったくその通りです」と言うのと「そうかもしれません」と言うのでは賛成の度合いが異なります。意見を言うときと同様、その都度表現を変えて調整すると、相手により明確に伝わります。

賛成・同意の強さ*上段ほど「強」、下段ほど「弱」
I completely agree.
I agree entirely.

完全に賛成・同意します。
I believe thatʼs true.
そうだと思います。
I believe youʼre right (about...).
(~について)あなたは正しいと思います。
I agree with you on that.
それについて同意します/同じように思います。
I think so too.
私もそう思います。
That may be true.
そうかもしれないです。
You may be right.
そうかもしれないです。

■あいづち代わりのyesは超危険だった

あいづちの「はい」のつもりでyesを使うのは危険です。英語でyesはあいづちではなく「はい」「正しいです」「そのとおりです」といった意味で捉えられてしまう可能性があるため、yes, yesを連発すると全てを肯定していることになってしまいます。

ビーチに描かれたYESの文字
写真=iStock.com/anyaberkut
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/anyaberkut

仮に相手が「あいづちのつもりなのだろう」と理解してくれた場合でも、yesを連発するとうるさく感じられてしまうかもしれません。英語で話すときはアイコンタクトが「聞いていますよ」の合図になります。

アイコンタクトを取りながら、I knowやI see、I follow you、I understandのような表現を良いタイミングで取り入れて、相手の話を聞いていることを示しましょう。

相手に同意や賛成を示すためにI agreeや I agree with you(同意/賛成します)と言葉にすると、より明確です。さらに上表(賛成・同意の強さ)でご紹介しているように、賛成の度合いによって表現を調整すると、具体的に「どの程度同意/賛成しているか」が伝わります。

■英語話者にキレられない、妥当な反対意見の言い方

2 相手へ気を遣いながら反対意見を述べる

Agree to disagreeという表現があります。「反対の意見を持つこと自体に同意する」という意味で、筆者が勤めた最初の外資系企業で聞き、その後も職場やリーダーたちのスピーチに登場しました。

考え方や意見の多様性を尊重し、大切にする姿勢が表れています。違う意見から学ぶものもあり、物事を別の視点から見られ、改善にもつながることがあります。

反対意見を言う時は、その理由を述べ、diplomatic and kindであることを心がけます。ちなみにここで言うdiplomaticは「外交上の~」の意味ではなく、人を責めたり攻撃しないように言動や行動に気を配れる人を表す言葉です。このagree to disagreeのマインドセットとdiplomatic and kindな態度で、「誰にでも意見を持つ自由があり、それを認める」ということを示します。

また、伝え方にも気を配ります。一方的に自分の意見を言う、直接的でぶっきらぼうな表現を使う、相手の逃げ場がなくなるように追い詰めたり責める、ということをしないよう、表現方法に注意します。

本書で紹介するクッション言葉を用いた表現や、言いにくいことをやんわりと言うための表現を参考にして、ご自身の意見やアイディアを発信してみてください。相手に反対の意見を述べるときは、場面に応じて次のような流れで対話を進めましょう。

相手へ気を遣いながら反対意見を述べる方法
A:相手の意見を受け入れ、共感する・理解を示す
I understand what youʼre saying.
おっしゃっていることは理解しています・よくわかります。
I see what you mean.
おっしゃっていることはわかります。
I understand your point.
おっしゃっていることは理解できます・よくわかります。
相手へ気を遣いながら反対意見を述べる方法
B:自分の考えを述べる、提案する、代替案を出す
(Iʼm afraid) I have a different opinion on that.
(恐れ入りますが、)私は違う意見です。
I see it from a different perspective.
私は違う見方をしています。

■一目置かれる英語で人の意見に反対する話し方

相手へ気を遣いながら反対意見を述べる方法

C:その考えや案をバックアップしたりサポートする事実や証拠を出す

反対意見を述べるだけではなく、代替案や、相手に新しい見方や解決策を提案できるようにフォローします。自分の考えを裏付ける事実や証拠を出すことができれば説得力が加わり、相手は責められていると感じにくく、建設的な話し合いに発展するきっかけにもなります。

According to [research], ...
[調査]によると…
Based on what Iʼve found, ...
調べたことによると…
As a result of further investigation, ...
さらなる調査の結果、…
Stepping Up
一歩上を行く
相手へ気を遣いながら反対意見を述べる方法
D:これまでの(相手の)話とリンクさせて相手にも考えを述べる余裕を与える
Those are my thoughts, but please correct me if Iʼm wrong.
それが私の考えですが、間違っていたら教えてください。
I may be wrong, but that is my perspective on this [issue].
What are your thoughts?

間違っているかもしれませんが、それが私の[この件]に対する考えです。
あなたはどのように思われますか?

■日本語の「恐れ入りますが」を英語で言うにはどうするか

言いにくいことを言うときのクッション言葉

反対意見を言う、相手にとって不都合なことや残念なことを伝える、断るなど、言いにくいことを言うときには発言の文頭にクッション言葉を添えて丁寧に伝えます。

言葉通りクッションで覆うイメージで、日本語で言う「恐れ入りますが」「残念ですが」などと同じように、その次に続く発言からの「衝撃」をやわらげたり、相手に心の準備をさせてから伝えるという思いやりです。

Iʼm afraid that...
申し訳ございませんが…/恐れ入りますが…
Unfortunately, ...
残念ながら/あいにく…
Iʼm sorry to trouble you, but...
お手数をおかけいたしますが…

■角が立たないように「断る」方法

「難しいです」の直訳は伝わらない
マヤ・バーダマン『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)
マヤ・バーダマン『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)

日本語では、相手に直接的に断るのを避け、角が立たないように「難しいです」と婉曲的に言うことがあります。しかし、これを英語でThat would be difficult.と直訳しても、その裏にある本音や気配りは伝わりません。文字通り「それは難しいです」と受け取られ、人によっては引き受ける前提で「やるけれど、(その作業や内容などは)難しいです」と捉えられるかもしれません。繰り返しになりますが、ビジネスでは曖昧なまま相手を迷わせて誤解させてしまうのは危険です。丁寧に表現しつつ、はっきりと伝えましょう。

本当に考えたいときは、以下のようにその旨を伝えます。

Iʼd like to think about this a little further.
もう少し考えたいです。
Can I get back to you on this tomorrow?
明日お返事してもよろしいでしょうか?

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マヤ・バーダマン 仙台市生まれ。上智大学比較文化学部卒業。ハワイ大学へ留学し、帰国後は秘書業を経て、ゴールドマン・サックスに勤務。医学英語に携わったのち、別の外資系企業に勤務。著書に『英語のお手本 そのままマネしたい英語の「敬語」集』『英語の気配り マネしたい「マナー」と「話し方」』『英語の決定版 電話からメール、プレゼンから敬語まで』(朝日新聞出版)『品格のある英語は武器になる』(宝島社)などがある。

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(マヤ・バーダマン)

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