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95%の人が保育園に入れる、本当に有効な「保活テクニック」4つ

プレジデントオンライン / 2020年4月6日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/paylessimages)

保育園事情は自治体によって異なるだけでなく、保育園入園活動(以下、保活)に関する情報もまだまだ少ない。そのため、「保活は出産してから始めればいい」と思っている人も多いのではないだろうか。しかし、リクルートで『保活コンシェルジュ』として活躍する酒田絵美さんは、「保活は入園の1年前からスタートすると言っても過言ではありません」という。

■復職1年前の4月から保活を始めれば、入園確率は上がる

2019年度の東京都の入園決定率を見ると、約3人にひとりの子どもが保育園に入れなかったと読み取れる結果が出ています。年々、待機児童問題は解消されていると言われていますが、働くママたちにとっては厳しい状況であることに違いはありません。しかし、きちんとした手順を踏んで入園活動をすれば、入園の確率は大きく上がると私は思っています。

保育園事情は自治体によって大きく異なるだけでなく、保活に関する情報もまだまだ少ないので、「保活は赤ちゃんが生まれてから始めればいい」と思っている人も多いのではないでしょうか。でも、保活は入園の1年前からスタートすると言っても過言ではありません。2021年度4月の入園を目指すなら、この4月から保活をはじめたほうが良いでしょう。そこで、「どのように保活を進めていけばわからない」という方のために、4つのコツをお教えしたいと思います。

■1.住んでいる自治体の「入園のしおり」を手に入れるべし

保活のことを考えたときに最初にやりがちなのがネット検索なのですが、「○○駅 保育園」などで検索をかけても、地図やクチコミが出てくるだけでどうすればその保育園に入れるのかまではわかりません。妊娠がわかった時点でできるだけ早めにしてほしいのが、住んでいる自治体が発行している「入園のしおり」を読むことです。「入園のしおり」とは自治体の保育園入園情報をまとめた冊子。最新版は毎年10~11月頭にならないと配布されないので、まずは昨年度のものをゲットしましょう。「入園のしおり」には住んでいる地域の保育園にまつわる情報が凝縮されています。最初から全部を理解する必要はないので、力を抜いて、一通り目を通してみてください。「家の近くにはこんな保育園があるんだ」とか、「こういうルールになっているのね」というのを肌感で掴んでおくだけでも知識を得るという点において違ってきます。

「入園のしおり」は自治体のホームページからもダウンロードできますが、市区町村役所の窓口で配布されている冊子にはホームページに掲載されていない新園情報や重要な変更点、必要な提出書類のフォーマットがセットになっている場合が多いです。10~11月頭には翌年度の申込み書類が配布されるので、実際に申込みをする際には、必ず市区町村役所の窓口で冊子を手に入れるようにしてください。

■2.保育園をリストアップし、夫婦で希望順位をつけるべし

「入園のしおり」を一通り読み終えたら、「入園のしおり」に掲載されている一覧や自治体のホームページを見ながら近隣の保育園をエクセルなどにリストアップしてみましょう。

少し遠くても、後から焦って探さなくてもいいように、自転車で15分以内、最寄駅の前後2駅くらいまでを目安に、10~20園ほど挙げておけるといいと思います。このリストがこの先入園までの期間使用する「My保育園リスト」になります。仕事で言う、アタックリストですね。

リストができたら、「入園のしおり」や各園のホームページなどを見ながら、保育園ごとに細かい情報を追加していきます。認可・認可外などの種類や申込方法、申込開始時期、送迎時間や保育料などの保育条件、この他にも気が付いたポイントなどをまとめておきましょう。それぞれの保育園には「教育が充実している」、「設備が整っている」、「家から近い」などといった特徴があると思うので、まとめた情報を基にどういうことを大事にして保育園選びをするかを夫婦で話し合ってみてください。

次に、夫婦の価値観に合わせて、リストに希望順位をつけましょう。この順位は今後の保育園見学などを通じて随時変動していくはずですが、どの保育園から優先的に見学・申込みするかを把握しておくためにも、入園希望先を順位付けする作業は非常に重要だと思います。

■3.戦略的なコミュニケーションで、入園の可能性を探るべし

認可保育園への入園可否は点数で判断されるので、まずは自分の世帯の調整指数が何点なのかを確認しておきましょう。その上で住まいの自治体の窓口などに行き、「我が家は夫が◯点、私が◯点で合計が◯点、加点となる調整指数が〇点で合計が〇点なのですが、自分の世帯点数は〇点で合っていますか?」と申込みまでに確認しておきましょう。諸所のケースがあるので担当者ははっきりとしたことは教えてくれない可能性もありますが、「◯点のご家庭は、昨年度は●●●保育園に入れていますか?」などの具体的な質問をして、希望園の昨年度のボーダー点数を探ってみてください。自治体によっては、ボーダー点数を公開しているところもあります。

入園の可能性を探るにはコミュニケーション能力も重要です。働いて培ってきたノウハウを生かして、可能な限りの情報を仕入れてください。また、自治体によって「認可外保育園に通園している児童を含める/含めない」「育児休業を取得している保護者の児童を含める/含めない」など、定義の解釈と自治体が公開している「待機児童数」が実態とは異なる場合も。自治体の入園可能性を調べる際は、「待機児童の定義」まで留意して数値を見るようにすることも忘れないでください。

■4.保育園見学に行き、認可外保育園は申込みをしてくるべし

認可外保育園のなかには、4月下旬から先着順で来年度の申込みを開始するところもあります。希望順位が高い園にはなるべく早めに見学予約を入れておくことをおすすめします。なお見学に行っても、申込方法の案内がその場でされないことがあります。せっかく見学に行って良い印象を持っても、申込みまで完了しないと後から見学に来た方が入園してしまいます。本当に入園を希望している場合は、可能であれば見学の際に申込みもしておきましょう。別途書類を提出しなくてはならないときは申込書だけもらって来て、後日提出しに行けばOK。保育園の先生とまたコミュニケーションが取れるチャンスなので、できるだけ直接足を運ぶほうがいいと思います。

保育園見学の繁忙期は10月のため、7月頃に見学予約を締め切ってしまうところもあるのですが、おすすめは5月から8月のお盆前までくらい。この時期は園庭や保育園を開放している園もあるので、赤ちゃんが生まれていたら一緒に遊びに行くのもいいですね。ちょうど1年先輩の赤ちゃんたちの様子や先生方の保育の雰囲気もわかる頃かと思います。

見学に行ったら、「おむつの持ち帰りがあるのか」や「ベビーカーを置いておける場所があるのか」など、自分が気になるポイントもチェックしておきましょう。そして気付いたことは家に帰ってからリストに追記しておくと、最終的に希望順位をつけるときの判断材料になります。

■情報収集と入園可能性の分析が保活成功のカギ

『保活コンシェルジュ』 酒田絵美さん
『保活コンシェルジュ』酒田絵美さん

希望順位をつけるために徹底的に保育園のリサーチをしてくださいと言ってはきましたが、残念ながら保育園はまだまだ選べる状況にないというのが現状です。なので、「徒歩だけでなく自転車やバス利用なども含めて通えるかも!」と思ったら、申込みを検討することをおすすめします。認可保育園の申込の上限数は自治体によってバラつきがありますが、必ず認可外保育園を含めて、希望の復職時期に合わせた申込みをしておきたいところです。

事実に基づいた情報収集と、入園可能性の分析が保活の成功のカギとなります。必ず自分自身で調べ、夫婦で入園希望先を選定して申込みをすすめれば、入園の確率はかなり上がると思います。

文=福田彩(ふくだ・あや)

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酒田 絵美(さかた・えみ)
保活コンシェルジュ起案者 (株)リクルート
三児の母である自身も子どもの保育園入園に苦戦、育休を延長した経験を持ち、「他にも困っている社員は多いはず、この経験を会社のために活かしたい」と、社内向けに「保活コンシェルジュ」プロジェクトを開始。育休中に取得した保育士資格を活かしつつ、全ての自治体の保育園資料を読み込み冊子化。保活相談では一人ひとりにあった保活の正解を提供し、2年連続で相談者の95%以上を保活成功に導く。リクルートの「保活コンシェルジュ」

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(保活コンシェルジュ起案者 (株)リクルート 酒田 絵美 写真=iStock.com)

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