ライター絶句!「見なきゃよかった…」人気キャバ嬢のメモ
プレジデントオンライン / 2020年4月21日 19時15分
■すぐ帰る客も時には必要である
キャバ嬢と聞くと、無教養でおバカなオネーチャンを思い浮かべがちだが、この世界で生き延びている嬢たちはほぼ例外なく顧客ノートを作っている。それに基づく緻密な接客で売り上げを伸ばしているのだ。
今回、2人のキャバ嬢にそれぞれの顧客ノートを見せてもらった。そこから浮かび上がってくる彼女たちの接客術とは?
まず1人目は新宿・歌舞伎町の某店に所属するAさん(24歳)だ。
彼女に見せてもらったのはバインダーに保管されていたルーズリーフの束。これで客の情報を管理しているそうだ。
ノートに目を通し、まず気づいたのは、客が事細かにプロファイリングされていることだ。
年齢、タバコの銘柄、好きな酒といった基本事項はもちろん、接客時の注意点も詳細に書き込まれている。『(タバコの)火をつけられるのがキライ』『否定的なことは言っちゃダメ、病むから』など、その多くはパーソナリティに関する記述だ。
「お客さんの観察は大事ですよ。疑似恋愛を楽しみに来たのに騒がれたら興ざめでしょうし、その逆も同じで、ワイワイ騒ぎに来たのに色目を使われたら、すぐほかの子に行かれちゃいますから」
彼女の顧客ノートには、もうひとつポイントが。常連客をタイプ別に分類しているのだ。たとえば1回の来店でたくさんカネを落とすものの、来店の頻度が低い場合は「単価高」と記される。逆に単価は低いが頻繁に店に顔を出す客は「単価低・本数」となる。
店によっても異なるが、キャバクラの給与形態は時給に加え、指名につき1本で1000~2000円、飲ませてもらったドリンクの10%前後を報酬としてもらえる店が多い。
さらにAさんが働くような比較的客単価の高い店では、ポイント制で時給が決められる。たとえば指名は1本で2ポイント、同伴出勤であれば4ポイントといった形だ。月単位でこのポイントを集計し、それに応じて来月の時給が決まる。
そのため、たくさんカネを使って長時間居座る客が常に歓迎されるわけではない。月末にポイントが足りず、時給ダウンのおそれがあるときは、短時間で帰る指名客のほうが効率よくポイント稼ぎができるため、都合がいい。
こういった分類が、Aさんの収入増の手助けとなる。
「指名数はクリアしているけど、出勤時間が足りないときは、単価高の客に営業をかけまくるんです。指名客が来なくてお店がヒマな日は『今日はもうあがって』と言われ、時給がもらえなくなりますから。逆も同じで、指名数が足りないときは本数客でポイントを稼ぎます」
なるほど、確かに理にかなっている。しかしAさんの収入は月に30万~60万円ほどで、彼女いわく「私くらいの収入なら歌舞伎町じゃなくても掃いて捨てるほどいる」という。
■キャバ嬢向けの顧客管理アプリが
続いて、Bさん(20歳)の顧客ノートを見てみよう。六本木の某店で働く彼女はキャバ嬢向けの顧客管理アプリを利用しており、Aさん同様、客の特徴を細かに記している。
そもそも「キャバ嬢向けの顧客管理アプリ」があるというのが恐ろしい。それほどキャバ嬢にとって顧客管理は当たり前のことなのだろうが、やや話を聞くのが憂鬱になる……。
彼女は常連客を彼女への貢献度、つまり同伴の頻度や金払いの良さなどによって1~4軍に分類している。Aさんと違うのは、客のちょっとしたエピソードを盛り込んでいることだ。
「たとえばお客さんが会話の中で『高校のとき、はじめて家族のために夕飯を作ったんだ』みたいな話をしたとするでしょ。そういう些細な話が出ると必ずメモっとくんです。次にお店に来たとき、その話をしたらチョー喜んでくれるんで」
■客に惚れさせてなんぼの商売では不可欠なテクニック
客の立場からすればそんなことまで覚えてくれていたのかと嬉しくなり、ひいてはそこからキャバ嬢への好意も芽生える。客に惚れさせてなんぼの商売では不可欠なテクニックといえるだろう。
「だから話の内容が些細なほど効果も高くなるんですよね」
ところで彼女のノートには「○」「×」といった記号が散見される。いったい何なのか。
「『○』は頭の良い女、『×』はバカな女って意味で、お客さんの好みを表しています。男の人って賢い女が好きか、バカな女が好きかで両極端に分かれるでしょ」
都内の一流私大に在学中のBさんは英語が堪能。しかも、もともと自身が興味を持っていることもあり、政治・経済の話題に明るいのだが、客によって素のキャラとおバカキャラを演じ分けているのだという。
「たぶん、男の人のプライドにかかわる事柄だからだと思うんですけど、経験上、このキャラ選択を失敗したら絶対にもう挽回できません。お客さん、逃げちゃいますから」
しばらく、キャバクラに行くのはやめておこうか……。
(富士 弥勒)
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