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コロナで外出自粛の休日を豊かに過ごせる「大人の趣味」はどう見つけるか

プレジデントオンライン / 2020年4月22日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Amax Photo)

新型コロナウイルスの感染拡大で働き方が変わり、行動も制限されるようになって家で過ごす時間が増えている。ウェブメディア『FINDERS』編集長で、多様な働き方・暮らし方についての著書も多い米田智彦さんは、「ポストコロナは、個々の“余暇の過ごし方”が問われるようになる」と説く。

■趣味がない人はしんどくなる

首都圏などに出されていた緊急事態宣言が全国に拡大されました。この先、新型コロナウイルスの感染が終息したとしても、しばらく海外には行けないでしょうし、「行動に何らかの制限がある」という状態は、おそらく1年くらいは続くだろうと思います。

そうすると、問われるのは余暇の過ごし方です。趣味がない人は、この1年間はもちろん、その後の「ポストコロナ」の時代も、かなりしんどいと思いますね。

残念ながら日本人は、余暇の過ごし方があまり得意ではありません。遊びや余暇に対する意識も低い。特に年配の男性なんかは厳しいでしょうね。これまでも、やることがない、居場所がないといった理由で休日出勤するような人がいたくらいですから(笑)。

余暇をどう過ごすかは、新型コロナ渦中の今だけ考えればいいテーマではありません。そもそも新型コロナが広がる前から働き方の多様化は進みつつあって、リモートワークも推進されていました。通勤時間はなくなり、AI(人工知能)が発達すれば、さらに仕事の効率化が進むので、「自分の時間」は増えます。新型コロナで外出が制限され、突然余暇に目を向けざるをえなくなりましたが、今それを考えておくことは将来のためにもなるのです。

■余暇が増えてもハッピーになれない不思議

余暇が増えるのは本来幸せなことのはずですが、そう思える人は一握り。これまでであれば、海外旅行やスポーツクラブに行ったりしていたかもしれませんが、新型コロナが感染拡大している今は、そういうわけにもいきません。どう過ごしていいかわからず、結局、大人までもがテレビやゲーム三昧になってしまうわけです。

家庭をもつ女性の中には、家でゴロゴロする夫や子どもたちの分まで家事をしながら在宅で仕事をして、普段よりも忙しくなっている人もいるようです。せっかく家族で過ごす時間が持てるはずが、逆に困ってしまう。休日には疲れがどっと押し寄せてしまうのではないでしょうか。

とはいえ、急に「趣味を持とう」と言われても、自分にどんなものが合っているか、イメージできないと思います。参考に、僕の趣味についてお話ししようと思います。

■仕事一辺倒の僕が、生け花の師範免許を取得

実は僕も長い間趣味がなくて、趣味がある人のことをうらやましいと思っていました。好きなことを仕事にしてしまったので、特に趣味がなくてもよかったんです。好きな人に会って、好きなことを企画にしてコンテンツ化することができる編集者の仕事を20年間やってきて、「趣味=仕事」のような感じでした。

花屋の息子で生け花の師範をやっているという友人がいるのですが、彼に誘われたことがきっかけで、生け花にはまったんです。師範免許も取得したので、これからもう少し腕を磨いて、50代になったらセカンドライフは生け花の師範としてやっていこうと思っています。

■仕事でも家事でも育児でもない時間を

今は女性の習い事のように思われていますが、もともと生け花は、男性もハマりやすい趣味だと思うんです。室町時代に発祥したころは男性中心でしたし、要は立体造形なので、子どものころにプラモデルやジオラマなどに親しんだ男性には親和性があります。

歴史のある、はやり廃りのないものですし、いい趣味を見つけたなと思っています。今までは、仕事が趣味だったんですが、生け花という明確な趣味ができたことによって、「仕事ではないこと」が、日常の中に習慣として織り込まれるようになった。こういう時間がもてることには本当に救われています。

僕が編集長を務めている『FINDERS』は、「ビジネス×クリエイティビティ」を謳(うた)っているんですが、やはり誰にとってもこの2つがないと、サステナブルではないと思うんです。

僕の場合は経営者でもあるので、24時間365日仕事のことを考えてしまうんですが、生け花をやっているときはそこから解き放たれて、何もかも忘れてお花と向き合います。そして、作品を完成させる喜びがある。仕事でも、家事でも育児でもない時間が日常生活の中で少しでもとれると、心に落ち着きが生まれますよ。

■家でダンベル、スクワット、腕立て伏せの日々

余暇の過ごし方は、単に「自由な時間をどう潰すか」ではありません。自分の生活を豊かにするもの、社会とのつながりをもたらすもの、加えて、できれば心身の健康につながる過ごし方ができるとなおいい。

以前から、世界的に健康志向は強まっていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、健康に対する意識はさらに高まっています。人生100年時代と言われますが、寝たきりで100歳まで生きるよりも、健康で長生きしたいという欲求は高い。

とはいえ僕も、今は新型コロナの影響で生け花教室も締まっているので、花材を買ってきて家で活けるしかありません。映画も見に行けないし、スポーツジムにも行けませんから、家でダンベル、スクワット、腕立て伏せ、腹筋をやっています。

今は誰もができる範囲のことをやるしかありませんが、ポストコロナの余暇につながる「何か」を見つけるための時間にすると良いと思うんです。

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米田 智彦(よねだ・ともひこ)
FINDERS 編集長
1973年、福岡市出身。出版社、ITベンチャー勤務を経て、文筆家・編集者・ディレクターとして出版からウェブ、企業のキャンペーン、プロダクト開発、イベント開催、テレビ、ラジオへの出演と多方面で活躍。2011年の約1年間、旅するように暮らす生活実験「ノマド・トーキョー」を敢行。ウェブメディア「ライフハッカー[日本版]」の編集長を経て現職。著書に『僕らの時代のライフデザイン』(ダイヤモンド社)、『デジタルデトックスのすすめ』(PHP研究所)、『いきたい場所で生きる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)等がある。

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(FINDERS 編集長 米田 智彦 構成=大井 明子 写真=iStock.com)

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