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居眠り会議を一変、クリエイティブな会議にする法

プレジデントオンライン / 2020年4月21日 9時15分

博報堂BID局/スダラボ エグゼクティブ・クリエイティブディレクター 須田和博氏

■高校3年生の気持ちを取り戻す

私がメモをするときに一番大切にしているのは、「アイデアは容易に失われる」という実感です。アイデアは、パッと閃くのと同じように、一瞬で消えてしまう。だからすぐに書き留めたいし、忘れないようにしたいんです。

逃さないためには何より文字やスケッチを描くための速度が大事で、思いついた瞬間を逃さないようにすること。そして、書いた時間を特定できるようにすること。それが、私がメモをどう使うかの基本的な方針です。

歩くときには、必ずズボンのお尻のポケットにメモ帳を入れていますし、家のテレビの横にも紙を用意しています。いつでもどこでも、瞬時にストレスなくメモを取れるようにしたい。メモ帳はA6のノートで、もう35年同じものを使っています。

さかのぼると、メモを取り始めたのは高校1年生のとき。映像研究会に入って、8ミリフィルムで映画を作ろうとなり、まず台本を書かなきゃと、ネタ探しを始めたんです。そうして映画のアイデアを溜めるために、メモを取り始めました。以来、ずっと同じノートを使っています。

■これまでのノートはすべて保管

1冊を使い切るのに平均で2週間。いろんな人と会ったり、机のないイス席の講演会に参加したら、3日で書き終わることもあります。表紙に書き始めの日と書き終わりの日付を書いて、たとえば「○○さん語る」「××勉強会」と簡単にインデックスを書く。背表紙に日付を入れて、書棚に並べています。これまでのノートはすべて保管していて、大昔のものはさすがに倉庫に入っていますけど、何年何月何日のメモが欲しいと思ったら、取り出して見返すことが一応できます。仮に高校3年生の気持ちになる必要がある企画があれば、当時のノートを取り出して見ればいい。

移動中を含め常時使うA6ノートのほかに、机があるミーティングやセミナーなどで愛用しているのが、ただのA4のコピー用紙です。調達が簡単なのが最大の利点。普段から鞄に入れて持ち歩いていますが、突然ストックが尽きても、出先でも、会社ならどこでもコピー用紙はありますから。なんでも書ける無地の白で、自由度が高いのがコピー用紙のいいところです。

メモは「脳のモニター」だと私は考えています。「自分で考えていることは、書かないと実は自分にもわからないはず」というのが持論。アイデアって、頭の中でいくら考えていても、書いて人に見せることができなければ、ないのと同じ。だから、常に書き続けているのです。

A4の白紙にメモを取りながら打ち合わせをすると、私が書いたメモを相手が指さして説明に使い、話し合いがスムーズになる。メモ紙の上で、お互いの思考を一緒にやっている感覚です。この感覚はホワイトボードでも同じですが、板書は、特に会議の参加者全員が1つのことに意識を集中すべきときです。

A4のコピー用紙もホワイトボードも書いたものは、いずれもその日のうちにスキャンやスマホで撮影してデータ化します。それに日付とタイトルを書き込んで、案件ごとにフォルダに分けてパソコンに保存する。画像や切り抜き資料、録音や映像もすべて同じフォルダに整理しています。

A6のノートも、コピー用紙も、ホワイトボードでも必ず守っているのが、黒一色で書くこと。データ化した際、読みやすく、かつ容量が軽い。ペンは0.7ミリのボールペンと決めていて、替え芯をダース買いしています。同じように欠かせないのが、ホワイトボード・マーカー。常に黒のスペアを3本携帯しています。

ホワイトボードを使って会議することが多いんですが、会議室のマーカーは、ほぼ確実にインク切れしている(笑)。「なんで書けないんだよ」という書き始めのつまずきで、一番新鮮で大切なアイデアが失われる。この損失に比べれば、マーカー代など安いものです。

“発想の瞬間”を記録するスペシャルスキル

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須田 和博 博報堂BID局/スダラボ エグゼクティブ・クリエイティブディレクター
1967年、新潟県生まれ。90年多摩美術大卒業後、博報堂へ入社。アートディレクター、CMプラナーを経て現職。国内外で70以上の広告賞を受賞している。

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(博報堂BID局/スダラボ エグゼクティブ・クリエイティブディレクター 須田 和博 構成=伊藤達也 撮影=市来朋久)

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