1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

アイデアがアイデアを生む!タカラトミー流「メモの魔力」

プレジデントオンライン / 2020年4月22日 9時15分

タカラトミー開発部 前田一歩氏

前田さんは、日本おもちゃ大賞2016共遊玩具部門大賞を受賞したタカラトミーアーツのねこ型楽器トイ、「ムニュムニュ ドレミファキャット」の生みの親。現在は同社の人気商品「ゾイド」の開発に携わるタカラトミーのエース社員だ。見れば、ただのメモとしては完成度の高いことがわかるだろう。そんな彼女のメモの極意とは?

■アイデアがアイデアを生むためのメモ

学生時代から、とにかく思い付いたことがあればすぐにメモする習慣がありました。溜まっていったメモ帳を見返せば、そこから何か新しいアイデアが出てくる、そう実感しています。会社に保管しているメモのバックナンバーには年月を記してあり、「あのときはこんなことを考えていたな」と振り返りながら当時のメモを引っ張り出す。アイデアがアイデアを生むと思っています。

そのために意識していることは、「見返したときのわかりやすさ」。重要なコンセプトは線で囲い、あとから見たときに際立つようにしていますが、これにも種類があります。吹き出しになっているのは補足的なコンセプト。四角で囲われているのは全体的なコンセプト。それが1ページのなかで多すぎても、なにが大切かわからなくなってしまう。むやみやたらに囲ってもいけないのです。

また、文字だけでなくイラストを多用しているのは、アイデアが生まれたそのときの感情を大事にしているからです。文字だけでは伝わらないニュアンスまで感覚的に残します。

■その場で感じたことをパッとメモする

アイデアは机に向かって考えることもありますが、ほとんどは日常生活のなかで生まれます。現在携わっている「ゾイド」は生体がモチーフ。はじめにどの動物を選ぶかという部分から始まる。私には2歳と4歳の子どもがおり、よく動物園へ連れて行きます。そこで、子どもが食いつく動物や、特徴的な動作などをメモする。その場で感じたことをパッとメモするため、基本的には黒ペン一色です。色を使っているのは、あとから見返したときに、さらに重要な部分に加えたものだと記憶しています。

前田さんが手掛けたヒット商品「ムニュムニュ ドレミファキャット」
前田さんが手掛けたヒット商品「ムニュムニュ ドレミファキャット」

入社したばかりの頃は、どうしたら商品化できるか自分でもわからないようなアイデアしか思いつかなかった。しかし、開発部にいると日々、最先端の技術に触れることができる。ほかの業界の新技術や新素材、それをどうおもちゃに落とし込むかを考えるようになり、メモもより具体的なものへと変わっていきました。

試行錯誤したメモは今後、他の部署に異動したとしても必ず役に立ちます。私はそう考えているので、たとえば「トミカ」や「リカちゃん」など、自分が担当していない商品についても、アイデアはメモするようにしています。

アイデアを逃さない! 価値を生むメモ保存術

----------

前田 一歩 タカラトミー開発部
2010年タカラトミー入社。開発本部、広報課などを経て、18年からはボーイズ開発1課に所属。「ゾイドワイルド」の商品開発を担当している。

----------

(タカラトミー開発部 前田 一歩 構成=プレジデント編集部 撮影=藤中一平)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください