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これが対コロナ最強布陣「橋下総理、小池長官、吉村厚生相」

プレジデントオンライン / 2020年4月22日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/TkKurikawa

■菅直人と安倍晋三、一体何が違うというのか

新型コロナウイルスの猛威を前に、安倍晋三政権は国民の信頼を失いつつある。首相は「戦後最大の危機に直面している」とはいうものの、その対応は後手に回り、打ち出される対策はあまりに遅く、小さい。「1世帯に布マスク2枚配布」など国民の感情を逆撫でするかのようなメッセージも多く、急速に冷え込む人々の懐と呼応するように政権に向けられる視線は冷たさを増している。未曾有の危機を迎えた今、求められる内閣の「最強布陣」を探った。

「非常時においては、役人には100の力を120、130にして出し切ってもらわないと困る。そのためには裁量権をもたせて思い切り働けるようにしないといけない」「求められているのはそうしたスピード感で、地方任せにせず、国が前面に出ていって判断していくことが必要です」。これは今の安倍政権への言葉ではない。2011年に起きた東日本大震災の民主党政権の対応について、安倍首相が「週刊ポスト」の対談で語っていたものだ(2012年3月30日号)。「菅直人さんという人物のパーソナリティが、常識を超えていたということも大きいでしょう」とも批判していた安倍首相。2月末まで記者会見すら開かず、唐突な全国一斉の休校要請、ミュージシャン・星野源氏の曲とともに優雅にくつろぐ様子を投稿したコラボ動画……。今回のコロナ危機下の対応を振り返ると、違った意味で「常識を超えている」と映る向きは少なくないだろう。

■「コロナ危機管理内閣」に欠かせないのは国民目線

コロナ危機対応で強いリーダーシップを発揮している小池百合子都知事は4月15日の記者会見で、仁徳天皇がかまどの煙から困窮ぶりを把握し、民の苦しみを和らげたとの逸話を例に「残念ながら『民のかまど』のほうも、賑わいにはほど遠い。今こそ、行政としてあらゆる手立てを総動員する」と語り、過去最大となる8000億円の緊急対策を発表した。飲食店などへの出入り自粛は求めても「損失補償」はしないと繰り返す政府とは対照的に、東京都独自で「感染拡大防止協力金」を事業者に支給することを決定。さらにアーティストへの支援策やオンライン学習の導入促進、妊婦へのタクシー券配布など次々に手当てする様子は、二転三転する国の対策とは大きく異なる。

緊急事態下で重要なのは、「民のかまど」に為政者が敏感になることだ。今回の組閣名簿は、「コロナ危機管理内閣」に欠かせない国民目線、発信力、突破力、先見性などを独自に分析し、作成した。

■首相は橋下徹、一択だ!

その結果、「首相」に名が挙がるのは元大阪府知事の橋下徹氏だ。歯に衣着せぬ発言は物議を醸し、時に横暴との批判もつきまとうが、批判を恐れずに核心を突いていく「突破力」は有事のリーダーには欠かせない能力といえる。安倍政権に「明日の飯に困る人たちの状況が分からないのか、机上の論に基づいて(支援策には)様々な条件が付されている」「政治家は、国民が一番不安に思っていることに対して、ズバッとメッセージを発するのが仕事だ」(プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」4月14日配信)と厳しく迫る姿には共感する人も多い。

国の緊急事態宣言の根拠である新型コロナウイルス対策特別措置法に「補償」の規定がなく、現場の混乱を招いている点も問題視しており、4月16日に更新したツイッターでは「ほんとこの特措法はクソ法律だった。全国的な蔓延があれば全国的に緊急事態を宣言するのは当たり前。その際は政府が全権限と金も含めての全責任を負う」と痛烈に批判。特措法の欠陥を見逃した国会議員を叱咤激励しつつ、現実的な対策を論じていく姿勢にはインターネット上で「国政に復帰して」「首相になってほしい」との声が相次いでいる。

■官房長官は小池百合子! 厚労相は吉村洋文!

国からの「指示待ち」の知事たちが多い中で、1月24日に東京都と並んでいち早く対策本部を設置し、異彩を放っているのが大阪府の吉村洋文知事だ。世論調査で8割もの人々が緊急事態宣言を求めていた中で、吉村氏は早期発令を小池氏とともに要求し、矢継ぎ早に対策を講じている。コロナ対応をめぐる全国の知事の評価は、はっきり明暗が分かれているが、「一人でも多くの命を守りたい」と発信し続けて次々に手を打つ2人の知事は非常事態下でも動じる様子はない。SNS上には、ハッシュタグをつけて「#吉村寝ろ」「#百合子ありがとう」と支持する声も相次いでいる。

国民にわかりやすい明快な説明力と発信力で「政府のスポークスマン役」に適任との観点から「官房長官」には小池氏、現場の声を吸い上げながら国民目線を持つ「厚生労働相」として吉村氏を候補に挙げた。

安倍政権の初動対応を振り返る時に忘れてはならないのは、新型コロナウイルスの「震源地」となった中国からの入国制限が3月5日までなされなかったことだ。海外からの帰国者に「陽性者」が続出したことを考えれば、入国制限や帰国者対応に失点があったことは否めないだろう。

■そして内閣官房参与は…

この点を早い段階から言及していたのは、安倍政権にも近い作家の百田尚樹氏だった。1月22日に更新したツイッターでは「中国からの観光客は一時ストップするべきと思う。国と国民の命を守るとはそういうこと」と指摘。そのうえで「経済的には打撃で、一部の業者は悲鳴を上げるだろうが、もし病気が大流行したら、国の打撃のほうがはるかに大きい」と警鐘を鳴らしていた。

同じく警告していたのは、美容整形外科「高須クリニック」の高須克弥院長だ。高須氏は、1月24日からの春節(旧正月)連休中に外国人観光客が多く訪れることも見据え、同月22日のツイッターで「一時的に鎖国したらいい」と指摘。4月15日には、小池都知事が3月下旬に言及してワイドショーや評論家から猛批判を浴びた「ロックダウン」(都市封鎖)についても、「腹をくくって、政治生命をかけて武漢なみの都市封鎖をすべきです」と提言している。

2人の言葉は、為政者にとっては時に耳障りなこともあるだろうが、有事対応で機動的・多角的に対策を講じていくためには必要な助言との指摘も多い。政治家や官僚の視点から距離を置いた政権アドバイザーとして、「内閣官房参与」のようなポストが望まれる。

■菅義偉は総務相! 財務相は玉木雄一郎!

それぞれが「一国一城の主」である国会議員の中で、地方全体を見渡すことのできる政治家は限られるが、人一倍それを注意深く見ているのが菅義偉官房長官とされる。権力中枢にいながら与野党にパイプを持ち、総務相を経験して総務官僚から絶大な信頼を得る菅氏のもとには全国津々浦々の情報が日々入っている。現在は首相官邸内に生じた摩擦で指令系統から外れているとも指摘されるが、全都道府県が緊急事態宣言の対象となった今、地域ごとの実情を踏まえた国の対策が欠かせない。「ポスト安倍」に名前が挙がる菅氏だが、その調整力と突破力を「総務相」の立場で発揮してもらいたいところだ。個別の現金給付に否定的だった麻生太郎財務相に対し、早くから消費税減税や「一律10万円給付」などの必要性に言及し、ロックダウン法案や家賃猶予法案の検討を提唱してきた国民民主党の玉木雄一郎代表は「財務相」として名をあげさせてもらった。

コロナウイルスとの闘いが長期化も予想される中、安倍首相はジャーナリストの田原総一朗氏と面談した際、今回の危機を「第3次世界大戦」に例えたという。世間とのズレが指摘される今、安倍首相には、政治の師と仰ぐ小泉純一郎元首相の座右の銘「無信不立」(信無くば立たず)を思い出してほしいところだ。

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麹町 文子(こうじまち・あやこ)
政経ジャーナリスト
1987年岩手県生まれ。早稲田大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーランスとして独立。婚活中。

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(政経ジャーナリスト 麹町 文子)

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