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心理カウンセラーが伝授「片づけられない脳」を1日で変える魔法の暗示とは

プレジデントオンライン / 2020年4月25日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/onurdongel)

外出自粛にテレワーク。新型コロナウイルスの影響で、家ですごす時間が長くなり、散らかりっぱなしの部屋が「なかなか片づけられない!」なんて人も多いのではないでしょうか。今回は自身も片づけられない人だったという大人気心理カウンセラーの大嶋信頼先生に片づけの裏技を教えてもらいます!

※本稿は大嶋信頼『片づけられない自分がいますぐ変わる本』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

■散らかりっぱなしは脳が優先順位をつけられないから

片づけが苦手だった私は子どものころ、母親から「だらしがない」とよく怒られていました。「だらしない人は世の中に出たらバカにされるよ」とか「人から認められないダメ人間になるよ」といつも脅されるのですが、私はいざ「やろう」と思っても「ちっとも片づけられない」ということを繰り返していました。

成績がいい友達の家に行くと、「羨ましい」と思うぐらい部屋が整理整頓されていて、彼のノートを見ても、ものすごくきれいにまとめられています。

それに比べ私は、部屋はぐちゃぐちゃでノートもめちゃくちゃ。教科書を目の前にしたってすぐに気が散ってしまって10分以上集中することができません。

いつもそんなふうなので、「自分は頭が悪いから片づけができないんだ」ということを信じて疑いませんでした。

しかし、大人になって心理学を勉強するようになると、頭が悪いから片づけられないのではなく、脳のバランスに原因があることがわかりました。

一般的には計算や記憶、物事を理解する力、というのが優れていると「頭がいい人」と思われます。このような人は知能テストなどでいうところの「言語性知能」が発達しています。

一方で、パズルを組み合わせるとか、優先順位をつけて仕事をこなす、ということが優れていると「優秀な人」と思われます。このような人は「動作性知能」というものが優れているのです。

この二つの知能のバランスが悪い状態、つまり、どんなに「言語性知能」が高くても「動作性知能」が発達していないと優先順位がつけられなくて片づけられなくなってしまうのです。

するとどうなるのか?

たとえば私の場合で言うと、単純に「片づけをやらなければ!」と思っていても、そこに雑誌が落ちていると「雑誌に対する興味」のほうが上回ってしまって「片づけ」ができなくなります。

このちょっとしたことで集中力が保てなくなってしまう状態が、まさに優先順位を自分の中でうまくつけられていない状態というわけです。

■「捨てられない」「無駄なものを買う」も脳のせい?

他には「大切なものと捨てるものの判断」がつけられなくなってしまうということもあります。「いつか必要になるかも?」と思ってしまい、ゴミのようなものでも「捨てられない」という人がそれです。

必要なもの、不必要なものの仕分けができないのも動作性知能のバランスが悪く、ものがみんな同じような価値に見えてしまって、捨てられなくなっているのです。

これも私の場合ですが、汚い部屋だと何もできないから、「今日こそは」と気合を入れて片づけようとしていても、急に捨てるべきかどうするか悩んでいたゲーム機をテレビにつなげて遊んでしまい、「あーあ、今日も片づけられなかった」という感じになってしまいます。

自分の中では「捨てるかどうかを判断するためにちょっとゲームの内容を確かめてみよう」と思っているだけなのに……。本当に「ちょっと」のつもりなのですが、脳が優先順位をつけられず、いつの間にかゲームが自分の中で優先になって、ゲーム以外何もできなくなってしまうのです。

買い物に行ったら必要なもの以外も買ってしまう。これも優先順位がつけられないから起こってしまうことです。

「これも必要かも? あれも必要かも?」という感じでものを買い、ついでに100円ショップに寄ってガラクタのようなものまで買ってしまう。

そのあげく、ものがどんどん部屋の中にあふれてしまい、さらにひどくなると「不必要なものを捨てる」ということもできず、どんどんどんどんものが増えていくばかり。

これらは知能のバランスの問題なので、いくら親が「優先順位をしっかり決めなさい」と怒鳴りつけても、まったく意味がありません。怒られても優先順位を判断しようとすると脳は勉強したことがない化学記号を読んでいるみたいな感じで「ちんぷんかんぷん」な状態になってしまいます。

たとえ「いらないものを分別してみましょう」と優しく言われたとしても、脳が「全部いるもの」と自動的に判断してしまうので、同じことです。

■無理にバランスを取り戻そうとするのは危険

このような状態の人は、片づけられないのですから当然掃除もできません。部屋にホコリがたまっているのを見て「あー、汚いな」というところまでは気がつけても、優先順位が頭の中で決められないから「掃除をしよう」ということにはなりません。むしろダラダラするほうの優先順位が上となってしまって、周りの人から「汚い」と怒られても、「気持ちが掃除に向かない」という感じになってしまいます。

水垢がついたシンクとか蛇口なども「きれいにしたほうが気持ちがいいでしょ!」というのはわかっているけれども「やれない」。これも脳内の優先順位の問題だったりするのです。

この動作性知能のバランスに問題がある場合は「自分で考えて行動する」ということが困難になります。それを無理矢理やらせようとすると、かえって気持ちが落ち込んでしまったり、むしゃくしゃして気分が不安定になってしまったりするような心の不具合が起きてしまうこともあるので注意が必要です。

■あえて「片づけなければ」と思わないようにする

このように「片づけようといろいろ考えても片づけられない!」という時は「片づけなければをやめる」と唱えてみるといいでしょう。

大嶋信頼『片づけられない自分がいますぐ変わる本』(あさ出版)
大嶋信頼『片づけられない自分がいますぐ変わる本』(あさ出版)

「片づけなければをやめる」というのは片づけることを考えることも、実際に片づけようとする努力もしない、ということ。

言語性知能が高い人は「考えなければ片づけられないでしょ」と思ってしまいがちですが、それを考え始めてしまったら、その細かさに動作性知能がついてこられず、実際に片づけられなくなってしまいます。

具体的には、買い物などから家に帰ってきた時に「片づけなければをやめる」と頭の中で唱えてみるのです。

そうすると、そうすると、一時的に片づけのことを考えるのが止まったりします。

すると不思議なことに「あれ? いつもだったら部屋の中にゴミが落ちていても拾わないのに自然と拾っている自分がいる」などということが起こります。

つまり、「片づけなければをやめる」と自分の中で唱えてみることで体が自動運転のように動き出すのです。

■逆説の暗示で「片づけベタ」が「片づけ好き」に!?

この「片づけなければをやめる」という方法は、実は「逆説」という暗示のテクニックを使っています。

この「逆説」というテクニックは「大きな牛を何人もの大人がトラックに入れようとしても入れられない」という時に、体が不自由な子どもが「僕だったら簡単に入れられるよ!」と言ったことで発見されました。

その体の不自由な子どもがどうやって牛をトラックに乗せたのかというと、まず牛の尾を思いっきりトラックと反対方向に引っ張ります。

そして子どもが「いいよ」と手を離した時に、牛は「ドドド」とトラックのほうに走っていったのです。

言ってみれば、いつも「片づけたいのに片づけられない」と思っているのが「トラックに乗らない大きな牛」の状態。それを反対方向に引っ張るのが「片づけなければをやめる」という言葉です。

汚い部屋を見て「片づけなきゃ」と思ったら「片づけなければをやめる」と自分の中で唱えてみる。

すると逆説が働いて、言語性知能が高い人でも「考えないで片づける」という感じになり体が自然と動けてしまうわけです。

これを繰り返し唱えていると、どんどん逆説が働いて、まるで片づけ好きになったかのように自然と部屋を片づけていくような面白いことになっていきます。

本当に心の中で唱えるだけ。

すごく簡単にできるので、一度試してみてはいかがでしょうか?

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大嶋 信頼 心理カウンセラー
アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研究生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長、株式会社アイエフエフ代表取締役を経て、現在、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。短期療法のFAP(Free from Anxiety Program)療法を開発し多くの症例を治療している。

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(心理カウンセラー 大嶋 信頼 写真=iStock.com)

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