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どんな時でも、世界のリーダーたちが3カ月に1度歯医者へ通う理由

プレジデントオンライン / 2020年4月29日 11時15分

時事通信フォト=写真

3カ月に1度が理想とは言われるが、ついサボりがちな歯科検診。だが定期的に歯科に行く人は、感染症にも罹りにくいという。

■日本人よ、歯科検診をナメるな

「人は見た目が9割」という言葉があります。グローバルビジネスにおいて、歯の手入れは仕事の結果に直結します。欧米では、お金持ちやビジネスエリートほど歯並びがいい。富裕層たちは、子どもが高校生になるまでにはキレイな歯並びにさせるのが当たり前です。それは金銭に余裕があり、教養もあるという印。インテリの証しです。日本のように、大人になってから歯並びを直すという概念はありません。日本の歯科矯正は、3年ほどの長い年月と、100万円以上の高額な費用がかかることもあり、大人になって金銭的に余裕ができてから始める人が多いです。

しかし理想の治療時期は、顎顔面と全身の発育を矯正できる幼少期です。顎や口元を整えることは、知力にも影響してきます。実は、口呼吸する子どもは知能が低い傾向があります。口呼吸ばかりしていると、鼻が狭く、顔面が細くて長くなり、鼻の上のほうも伸びるため、脳の容量が少なくなるのです。頭の形が出来上がってから歯並びを直しても、骨格はもう直りません。だから矯正は、子どものうちに済ませておくべき。「矯正をしていない人は教養がない」とみなされてしまいます。

日本のビジネスエリートでも、それを理解している人は必ず歯をキレイにします。事実、歯をキレイにしたことで、ドメスティック企業からグローバル企業へと成長させた経営者も存在します。想像してみてください。もし歯科医である私が、歯並びが悪くて口も臭い、不潔なオジサンだったら……。私に直してもらいたいとは思いませんよね。そういうことです。見た目に気を使えない経営者は、どんなに語学堪能でも世界では格下に見られます。日本の孫正義や柳井正など、優秀な経営者・起業家は、みんな自信に満ちた表情で、歯や歯並びもキレイです。

ビル・ゲイツやイーロン・マスクも、自分の体が健康でキレイで見た目もいいことにすごくこだわります。その点にストイックだからこそ、部下もついてくるのです。ドナルド・トランプだって、スタイリストがついてスーツもネクタイもすべてシーンに合わせて戦略的に選んでいますし、それが当たり前。グローバルでビジネスエリートになろうと思うのなら、まずは「国際標準の美」を知ること。これが重要であり、基本中の基本です。

ビジネスエリートやVIPたちは、歯のトラブルがあってもなくても、3カ月に1度は歯科検診に行き、違和感があればすぐに相談します。歯の痛みが酷くなってからとか、歯が抜け落ちそうになってから、急いで歯医者に駆け込むようなことはありません。彼らは病気にならないようにケアをします。海外は医療費が高いこともあり、日本のように「病気になったら病院へ行く」という考え方はありません。

■いい歯医者さんを探すコツ

そもそも病院へ行かない体づくりをするのが、病院としての役割です。一流のビジネスパーソンには、コンサルタント的な役割の医師がおり、常に相談しています。彼らは忙しいのに、定期的に歯医者に行く時間が果たしてあるのか。疑問に思うでしょうが、定期検診を3カ月に1回受けても、たったの年4日です。もしも虫歯が1カ所できたら、治療のために10回前後通うことになります。タイム・イズ・マネーのエリートなら、どちらを選ぶかは明白でしょう。

もちろん一般の方にも定期的な歯科検診をおすすめします。いい歯医者さんを探すコツですが、リアルな口コミが一番いいと思います。ネットで探すのはNG。自分の知り合い、できれば自分より階級が上の人に教えてもらいましょう。優れたビジネスパーソンは、どのような治療が一番有益かを知っています。

私のクリニックにも、経営者や芸能人などさまざまなVIPが国内外から訪ねてきますが、インプラントやホワイトニングをやる前に、生活習慣についてきっちりお話しさせていただいています。例えばカウンセリング料1万円で1時間お話ししたら、「ああ、今日はいい話を聞いた。子どもや孫たちにも教えてあげよう」と満足して帰ってくれる。それで家族みんなが病気になりにくくなりますよね。

■検診に通う人は感染症に罹りにくい

歯は健康のバロメーター。歯磨きをきちんとするだけでも様々な病気の予防ができます。インフルエンザがいい例です。歯をブラッシングしている人ほど、インフルエンザ罹患率が低いことが、アメリカの研究等でわかっています。また、定期的に歯科受診をしている人は、感染症に罹りにくいこともわかっています。口の中は「バクテリアリザーバー」と呼ばれるほど、ばい菌の繁殖所になっています。仮に丸一日歯を磨かないと仮定した場合、口内のバクテリア量は約1万倍にも増えます。

歯周病の人とそうでない人では、細菌量がなんと1億倍も違います。その状態でインフルエンザや新型コロナなどのウイルス等を口から吸い込み、歯磨きをせずに寝てしまうとどうなるでしょう。喉から体内へウイルスが入り、抵抗力が落ちていれば肺炎で死ぬこともあります。癌の治療がうまくいっても亡くなってしまうケースは、原因のほとんどが肺炎です。だから口腔ケアが大事なのです。欧米ではこのような歯科治療が標準です。日本の歯科医がやっている「何色の歯にしますか?」のような業務は、アメリカなら歯科技工士の仕事です。

歯磨きは、朝に1回、寝る前に1回しましょう。菌が最も繁殖するのは就寝中だと覚えておいてください。デンタルフロスを使えばさらに完璧。ただしフロスは歯ブラシで磨く前にするのが鉄則です。歯と歯茎の間に汚れが溜まっていると、心筋梗塞や脳梗塞など循環器系疾患になりやすいことがわかっています。歯の表面だけをちゃっちゃと適当に1日3回磨くなら、朝晩2回の歯磨きにフロスも追加するほうがだんぜん効果的です。

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吉野 敏明(よしの・としあき)
医療問題アナリスト
歯学博士、歯科医師。医療法人桃花会一宮温泉病院理事長、東京医科歯科大学非常勤講師、誠敬会クリニック銀座院長。鍼灸漢方医の家系11代目。著書に『デキるビジネスマンはなぜ歯がきれいなのか?』ほか。

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(医療問題アナリスト 吉野 敏明 構成=力武亜矢)

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