エリートコースから脱線した「早慶OB・現役生の残酷すぎる現実」
プレジデントオンライン / 2020年5月23日 11時15分
■早慶を踏み台にする人、される人
「あなたはいい大学に入ればいいの」
そう、母親に言われ頑張って入った早慶。なのに、生活は相変わらず苦しい。なぜだろう。世の中の早慶のイメージと今の自分があまりにもかけ離れている……。
たしかに、早慶の卒業生は輝かしく見える。帝国データバンク2019年6月時点の調べによると、上場企業社長の出身大学は慶應が264人で最も多く、次いで早稲田が187人と、東大の175人を凌駕する。政界では、早稲田は野田佳彦、森喜朗、小渕恵三など7人、慶應は小泉純一郎、橋本龍太郎など4人の総理大臣を輩出。私大ではトップ2だ。
しかし、そのエリートコースは卒業生に約束されたものではない。自らレールから外れる人もいれば、思わぬ形で辛い人生を歩むはめになってしまった人もいる。
本稿では、普段注目される早慶の表の部分ではなく、裏の部分にスポットライトをあてる。日本を裏で操る三田会とは一体何なのか。どうして同じ大学なのに、学部によって格差が生まれるのか。海外になぜ早慶の高校があるのか。なぜ、早慶なのに苦しむ人たちがいるのか。彼らは、一体誰の踏み台にされたのだろうか。
■早慶のウラその1「就活グループに入れず、地獄を見るハメに」
「慶應義塾は『最も就職に強い大学』のひとつとされています。実際に毎年の就職状況は高い実績を残しています」――慶應義塾大学の公式HPにはこう書かれているが、実際の就職先には「格差」が存在する。
入社してわずか半年で会社の不祥事が発覚し、その影響でリストラの憂き目に遭った安田さん(仮名)は、これでも慶應義塾大学理工学部の卒業生だ。
「僕、昔からえげつないぐらい面倒くさがりで。4年になっても就活にやる気が起きなくて、業界分析もせず手当たり次第にエントリーした結果、書類選考すら落ち続けていましたね」
別の慶應OBによると、やる気のある慶應生は就活の時期になるとグループをつくって情報共有をするという。だが、そこにあぶれると安田さんのように情報弱者となり就活で惨敗する。
いよいよ内定が1つもないというところで、友達に紹介された不動産会社を受けてみた。面接では「志望動機はお金です」と堂々と言った。その会社は賞与が完全歩合制で、そこが安田さんの目に魅力的に映ったのだ。
「受験勉強のときもお金がモチベーションでした。いい大学に行けばいい企業に就職できて、お金がたくさんもらえるじゃないですか。今この受験勉強を時給換算すると何万円になるだろう、って考えてましたね」
内定が出たが留年し、書面上はアルバイトとして入社。だが、与えられた仕事は正社員と同じだった。最初に配属されたのは、投資用物件の営業の部署。資料請求をした個人客に電話をかけ、商談のアポをとる仕事だ。
事件が起きたのは、安田さんが入社して半年ほど経った頃だ。会社が不動産の売買契約を締結する際、買い主が提出した融資書類を改ざんして金融機関に提出していたことが発覚したのだ。会社は宅地建物取引業法に基づく業務停止命令を受け、安田さんがしていた個人営業も停止となった。
「売却後の物件を仲介会社に紹介する間接営業の部署に異動になりました。当時は不祥事発覚直後で社内がすごく混乱していて、社員の管理をするどころではない状況でした。僕は『今なら休んでもばれないぞ!』と思って2週間無断欠勤しましたね」
その後も、営業先には回らず家に直帰して寝てばかりの毎日。会社には虚偽の営業レポートを提出していた。そんな生活を1年続けていたところ、細々と取得していた大学の単位をようやく取り終えて卒業できることに。3回目の4年生の秋だった。
「でも、ちょうどそのタイミングで希望退職の募集がありました。不祥事が発覚してから賞与もカットで、ずっと経営が厳しかったんですよね。退職金として年収の4分の1の額がもらえるし、働くのも面倒なので迷うことなく手を挙げました」
退職してから現在までの約半年間、失業保険と退職金で食いつないでいる。自らの状況を「まじでやばい」と語る安田さんだが、転職活動はしていないという。「最近はトランプのポーカーにハマっています。早く大会で優勝して、プロとして食っていきたい」。
そう語る彼に未来はあるのか。
■早慶のウラその2「労働否定集団、だめ連の末路」
今? 幸せっちゃ幸せだけど、キビシイっちゃキビシイ。働かないで生きるって自分で決めたわけだけど、実際問題、それでは死んじゃうから、結局のところバイト生活。週に1回飲食店、バーテンとヘルパーを月に2回ずつ。あとは日払いのバイトをポツポツとして月に10万円弱の収入。風呂なし共同トイレのアパートで家賃は3万5000円。風呂は近所の銭湯に週1からって感じ。なんとかなってはいるけども、基本的には口座を見るたびに、「キビシイ!」って思うような経済状況です。
自分の何が「だめ」だったかというと、まず大学に7年間も通っちゃった。その間何をしていたのかと聞かれてもそれも困っちゃう。ノンセクト系の左翼運動をずっとしていたけど、授業はサボりまくっていたし、ただズルズルと7年間。まず受験勉強のときから、「これ意味あんのかな」と思っていたから、在学中もなんだかよくわからねえ。そもそも、自分がいたのは第二文学部っていうよくわからねえ学部だし。
大学を出てからはいちども就職してません。というか、就活すらしていない。「だめ」なのならしょうがないじゃんってことで、無理して頑張ってサラリーマンになることはないって思想もあるんだけど、正直それだけじゃない。自分ではもう気が付いているけど、ただ単に働きたくなかっただけで、その言い訳をしているだけなんじゃないかっていう。後付けの理屈で活動ってことにしてグジュグジュ言っていただけなんじゃないかっていうね。ぶっちゃけ、こっちのほうが濃厚かもしれない。でも今の生活でも「幸せだ」と感じる瞬間は多々あるわけで、結局何が正解だったかなんてわかりゃしない。
しかし、第二文学部を出て、好きな仕事して金を稼いでいる奴もいる。自分も素直に就職すればよかったんじゃないかって思うこともそりゃある。
でも自分みたいにかなり低い水準でやっている奴が周りに結構いるもんだから、ここまでこれたって気もする。かといって、ずっとこのままでいたいというわけでもない。そりゃ、金はあったほうがいいからね。ホームレスやっている知人を見ると、立派なもんだなとは思うけど、今のところ自分はそこまでは……って感じだよね。せめて、ショボい部屋くらいはほしい。明日は朝5時に起きてバイトに行くわけだけど、これじゃ、サラリーマンのほうが楽なんじゃないか……?
この世界は、ちゃんと働くとなったら問答無用で週5日っていうのがかなりキビシイ。週3日でもOKな世の中なら、今働けていない人ももっと働くようになるかもしれないと思うんだけど、どうだろうか。
だめ連とは1992年、早稲田大学の同期生であった神長恒一とペペ長谷川が結成した集団。共著書に、『だめ連の働かないで生きるには?!』(筑摩書房)など。
■早慶のウラその3「現役慶大3年生のソープ嬢の言い分」
次の舞台は日本最大のソープランド街、吉原。そこで高級ソープ嬢として働くミカさん(仮名)は、慶應義塾大学商学部3年生のお嬢様だ。彼女が初めて夜の世界に入ったのは大学入学直後。
「私、昔からすごいオタク気質なんです。高校時代からテニプリ(テニスの王子様)の2.5次元俳優に熱中して、推しの凱旋公演のために全国を駆けずり回ってました。割のいいバイトをしたいなと思って、大学からガールズバーで働き始めました」
その後、さらに高時給を求めてキャバクラへ。オタク活動の資金づくりはそれだけで十分だったが、とあるきっかけで風俗に足を踏み入れた。
「オタ活とは関係なく韓国旅行に行ったとき、コスメや洋服に20万円ほど散財してしまって。このままではクレカが払えなくなってしまうという窮地に陥ったんです。キャバクラとかと違って風俗なら普通に日払いOKだから、急いでオナクラで働き始めました」
オナクラを選んだ理由は、下半身を脱ぐ必要もなく風俗の中で最もソフトだからという。最初は風俗にやや抵抗感があったものの、その後ホテヘル、デリヘル、果てはソープへと目覚ましい「成り上がり」を遂げる。
「私って貞操観念が狂ってるんですよ。昔からTinderで男と遊びまくってたりしましたし(笑)。自分で言うのも何ですが、風俗嬢に正常な頭の子なんていません」
彼女が風俗の世界にどっぷり沈んだのは、コスパの良さだけではない。ガールズバーなどの飲み屋と違い、風俗は風営法で営業が深夜0時までと決まっているので、次の日に大学で1限(朝9時)から授業があっても生活リズムを崩さず通えるのだ。型破りな働きぶりをしつつも根は真面目なところに、慶應生らしさが垣間見える。
そもそもデリヘルからソープへ移ったきっかけも、「ルール破りをしたくない」という真面目さからだった。
「デリヘルって本番行為が禁止なのに、『1万円あげるから本番やらせて』と交渉してくるお客さんが多かったんです。指を入れられるのも陰茎を入れられるのも、私としては同じでした。でも私はこういうルール破りが嫌いで、『だったらソープに行けよ』と思いながら断り続けていました。でも、そのうち断るのにも疲れてしまって……。それなら、自分がソープで働けばいいんだという考えに行きつきました」
最初に勤めたソープランドは川崎。主に大衆店で働いていたが、客層の悪さに辟易して辞職した。大衆店では一日に相手をする客の数が多い分、マナーの悪い客に当たることも多い。コンドーム着用の店にもかかわらず、「ルール破り」をして生で行為をしたがる客も多かったという。これではデリヘル時代と同じである。吉原の高級ソープなら客層も良いだろうと思い切って面接を受けたら、「なんか受かっちゃった」そうだ。
「私が風俗で働いていることは、両親は知りません。パパは女の子のお店に行ったことがないくらい真面目な人だから、真実を知ったら悲しむと思います……」
明日は祖母も呼び、家族で誕生日のお祝いなのだと語るミカさん。慶應生ならば、持ち前の頭脳を生かして起業や株で大金を稼ぐことはできなかったのか。壊れた感覚はもう戻らない。
■早慶のウラその4「仕事も趣味も、正真正銘のパチンカスの早大OB」
4番目は依存症に悩む早大OBだ。パチンコメーカー勤務の富良和(ふらわ)さん(仮名)は、29歳にしてパチンコに生涯2000万円以上をつぎこんだ「(自他ともに認める)パチンカス(パチンコ依存症)」である。
パチンコデビューは5歳のころゲームセンターで。パチンコ好きの父親に連れられて初めて一緒に玉を打ったとき、強い光と音が織りなす非日常感に感激したという。中高生時代は、休日のたびにおじさんに交じって開店前のゲームセンターに1人で並び、一日中パチンコを打つ生活を続けた。高校3年の受験生時代も、塾の帰りに寸暇を惜しんで週3~4回、1回あたり2~3時間ゲームセンターのパチンコ台と向き合う。わずかな勉強時間の中で、パチンコで鍛えた集中力を発揮し、第1志望の早稲田大学人間科学部に現役合格を果たした。合格発表日の朝もパチンコ店に並んでいた。
「父親と2人で並んでいたのですが、そういえば今日は早稲田の合格発表日だとハッと気付いて。電話で確認できるのでその場でかけたら、受かっていたんです。父親も『今日は俺が全部パチンコ代出してやる!』と言って大喜びでしたね。運を受験に全部使ってしまったのか、その日は2人でぼろ負けしましたけど(笑)」
幼少期からそこまでパチンコにのめりこんだ一番の理由は、「アニメ好きの延長」だという。
「パチンコでテレビアニメでは見られない演出が流れるのが楽しくて。大当たりまでに演出の分岐が何万通りもあるので、『次はどうやって当たるのかな』と考えながら打つのにハマってしまいました。ちなみに小中学生時代に一番好きだったのはルパン三世です」
大学では有名テニスサークルに所属していたが、パチンコを優先させるために1年間でやめた。親戚中からもらった成人のお祝い計20万円も、たった3日でパチンコに溶かした。さすがに親に激怒され、1日500円の小遣い制になった。
趣味が高じて、就活でもパチンコメーカーに応募。業界トップの会社に内定をもらったが「実力主義の多忙な社風なので、パチンコをやる時間がなくなる」という理由で辞退し、同業他社に入社した。
パチンコにお金をつぎこむため、ランチは会社近くのスーパーに売っている1個50円のジャンボどら焼きを4分の1ずつ4日間にわけて食べていた。
「実は僕、あんこが嫌いなんですけど、生きるために仕方なく。ある日特売で1個39円になっていたので買い占めたら、上司から『職場の共有の冷蔵庫をジャンボどら焼きだらけにした奴は誰だ!』と怒られました」
結婚後は月3万円の小遣い制。当然、パチンコ代は足りないので同期社員たちに頭を下げて100万円ほど借金をしている。
「それでも足りなくて、嫁の財布からお金を抜いたりもしていました。気付かれないように毎日1000円ずつ。でも、ある日1万円札しか入っておらず、仕方なくそれを抜いたらバレて激怒され……。『どうしても今日髪を切りたかったんだ』って言い訳しました」
パチンコの楽しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと語る富良和さん。取材後、近所のパチンコ店で未経験の筆者に一から打ち方を教えてくれた。「あの、さすがに今日のパチンコ代って経費で落ちませんよね……?」という一言から切迫感が伝わってくる。家には妻と生後4カ月の赤ん坊がいる。たまに勝ったときに借金を返しているというが、勝つのは10回に1回程度。子供の将来のためにも、彼自身が早く確変状態に入り借金を完済できるのを願うばかりだ。
■早慶のウラその5「秘密結社三田会では会員は何をしているのか」
さて、このページでは少し趣旨を変え、日本をウラで支えているともいわれている慶應の学閥「三田会」について触れたいと思う。
三田会とは約35万人の慶應の卒業生による組織だ。しかし実態としては細分化されたさまざまの三田会がそれぞれ活動している。主に年度三田会、勤務先・職種三田会、地域三田会、諸会の4種類に分けられる。それぞれは、懇親会などを開いて親睦を深める一般的な同窓会の顔を持つ一方で、企業のトップ人事、選挙時の集票、業界再編時などに絡み「日本を陰で動かす秘密結社」などとも噂される。
類似組織として、創価学会があげられる。三田会は福澤諭吉という絶対的な先生の教えのもと集い、三田会内で仕事を回すなど互助会的な役割も果たす。創価学会と異なる点は、三田会は“入信”すればいいわけではなく、原則として大学を卒業しないと入れない。
さて実際に会員は三田会で何をしているのか。20代の男性三田会員は語る。
「僕は地方の地域三田会に所属していますが、月1回の会合では会費集めや領収書の作成などの雑用をしています。上は80代のおじいちゃんが杖をつきながら参加します。正直、会計管理は煩わしいですし、“作法”にうるさい面倒な先輩もいます。たとえば、会で塾歌(校歌)を歌う前に酒を飲んではいけないとか、壇上に上がる際はまず塾旗(校旗)に一礼しろ、とか。でも、いいこともあります。19年結婚した際は先輩が経営する式場で挙げました。先輩から『料金は君が決めな』と言われ、相場より200万円安くしてもらいました」
ちなみにその男性によると、三田会によっては『日吉会』なるものも存在する。「文系学部の上級生が通う三田キャンパスに対して、下級生が通う日吉キャンパスから取ったもので、若手三田会員の親睦会です。ゴルフに行ったり、地元の女の子と合コンしたりします。地方に友達が少ない転勤族なんかには重宝されていますね」。
親睦がメインの地域三田会に対して、職種三田会の中には「不動産三田会」という異色な三田会が存在する。不動産関係のOBの集いで、毎月1回の月例会では物件やテナントに関する情報が激しく交換される。会場には多くの資料が置いてあり、もちろん、その中には「不動産三田会限定」の情報も、多くある。その場でとんでもない金額の商談が成立することもあるという。
「不動産三田会に参加する一番のメリットは会員の信頼度の高さです。不動産業界には怪しい人が多いですし、不動産三田会員であれば、事前に相手を調べなくてもある程度は商談が進められる。会員の多くは大手企業の社員ですが、個人の名前でやっている人も結構います。慶應出身者は他大に比べて裕福な人が多いですからねぇ」
企業でも三田会が幅を利かせる。上場企業社長は慶應出身者が最も多い。トヨタの豊田章男社長も卒業生で、キリンは3代も慶應の社長が続く。企業によっては三田会員であることが出世条件で、某総合商社の40代早大OBは「うちの稲門会(早大OB会)は弱すぎて三田会がうらやましい」と嘆く。
■早慶のウラその6「二文廃止でニートとなった40代フリーター」
悲しいな、こんな話をするの。またうつ病になっちまいそうだ。俺は中学を卒業してから、ずっとフリーターさ。昔から社会をなめていて、高校進学なんて才能のない凡人が選ぶ道だろって周囲を見下し、中卒になった。そんなだから誰も俺に寄り付かなくて、22歳のときにうつ病になった。
3年間引きこもった後、「このままじゃ人生やばい」と焦り、大検を取ってから25歳のときに初めて二文を受験したんだ。二文には変わった学生がたくさんいるみたいだし、受験科目も1科目と論文だけ。自分みたいな人間でも入れると思ったんだよ。でもさ、小中もろくに勉強していないから漢字が書けない。論文がひらがなだらけになっちゃって不合格。俺、地頭はいいから漢字さえ書ければ合格したはずなんだよ。
そこから何回か受験したんだけどさ、常にうつ気味でモヤモヤ、グダグダと数年間……。社会人入試だから、たとえば会社の上司の推薦状が必要なんだ。でもバイト先でも孤立していたから、父親にバイト先の上司の名前で推薦状を書いてもらっていた。父親は、俺が受験勉強なんてろくにしていないのを知っているから、「俺がどんな気持ちで書いているのか考えたことあるのか」って毎回嫌みを言われたな。
そのころは、滞納している携帯電話料金の督促の電話をするバイトをしていたんだけど、「おまえ、なに携帯止めてんだ、殺すぞオラァ!」って客にいつも怒鳴られて、またうつ。「おまえ、学歴低いだろ」って電話越しに罵られたこともあって、「私の家は代々、高学歴の家系です」とかつい言っちゃって。思い出すと死にたくなってくる。なんかもう、生きていたくない。
そして29歳のときだよ。俺はスカイプで知り合った上海在住の女の家に転がり込んでいたから、日本にいなかったんだ。ネットで二文の募集がその年で最後になるって知った。結構悩んだけど、30代にもなってまたイチから頑張るのがカッコ悪いとかブツブツ言ってたら、なんとなくラストチャンスが終わっちゃった。客観的に見ると、「死ねよ、コイツ」って思う。これが自分だって信じたくないよ。
二文さえ合格していれば、俺の人生は変わっていたはずだよ。というか、廃止になるのがもう少し遅ければ、俺も早稲田大卒だったかもしれない。タイミングが悪すぎた。なんで俺が日本にいないときになくなるんだ。その部分に関しては早稲田大学を恨んでもいいって思っている。
自分で言うけどさ、俺って持ち前の才能みたいなものがあるから人の役には立てるんだ。自分の金のこととか、もうどうでもいい。ボランティアでもいいから人の役に立って、俺も生まれてきてよかったんだなって思いながら死にたいよ。
(プレジデント編集部、ライター 万亀 すぱえ)
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