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世界で日本人は「ニーハオ」と言われるのはなぜか

プレジデントオンライン / 2020年5月30日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Deagreez

発売11カ月で世界200万部、そのうち4分の1が日本で売れている(2019年12月時点)『FACTFULNESS』。同書は、私たちの世界に関する「勘違い」を「10の本能」に分類している。今回、その10の本能を現代ニュースに絡めて紹介していく。第9回は「パターン化本能」だ――。(全10回)
▼パターン化本能
「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み

「人間はいつも、何も考えずに物事をパターン化し、それをすべてに当てはめてしまう」。これがパターン化本能だ。誰もが頭の中のイメージに基づいて人類の大半をステレオタイプに押し込めようとする。だがパターン化は間違いを生み出しやすい。自分の分類は間違っているかもしれないと疑ったほうがいい。同じ集団の中にある違いや、違う集団の間にある違いと共通項を探し、好奇心を持ってその分類自体が正しいのか問い直すべきだ。

■「ニーハオ」と言われる日本人

世界で新型コロナウイルスが流行し始めた際、欧米では中国人に対する差別や攻撃が強まっているという報道がたびたび聞かれた。中には、同じアジア人である日本人も、中国人と間違われて攻撃されることがあったという。

どうして彼らは日本人を中国人と勘違いしてしまうのか。日本人からすると、中国人との顔立ちはなんとなく違うと感じることができる。しかし、ほかの地域の人が見分けるのは難しいようである。アジア人といえば、みんな一重まぶたで吊り上がった目である、というステレオタイプが存在する。

ヨーロッパに留学経験がある筆者も、街を歩くと「おい、ニーハオ!」とからかわれることは何度もあった。海外に行けば、日本人も中国人も韓国人も、みんなひとくくりにされるのだ。そして大体は幸か不幸か中国人と決めつけられる。アジアで最も人口が多いからだろう。

アジア人をひとくくりにする欧米人。これは物事を何も考えずにステレオタイプに押し込めようとする、「パターン化本能」に該当する。

■“ガイジン”という言葉で一緒にしないで!

さて、私たちのほうはどうか。欧米人といえば金髪で青い瞳で、アメリカ人もドイツ人もフランス人も同じだと思っていないだろうか。しかし、実際に欧米人をよく見ると特徴には違いがある。上に挙げた、ゲルマン系、ラテン系、スラヴ系という代表的な民族の違いでも実感いただけるだろう(※民族とは、そもそも文化と言語を共有する集団で、身体的特徴による分類ではなく、あくまでも傾向にすぎない)。

“ガイジン”という言葉で一緒にしないで!

たとえば金髪で青い瞳は、ゲルマン系に多い顔立ちである。ゲルマン系は現在のドイツやデンマークに起源を持つ。細く高い鼻の形をした人が多く、日本人が想像するステレオタイプの欧米人に近い。しかし欧米人はさまざまな民族から構成されている。イタリア半島にルーツを持つラテン系は、髪や瞳の色は黒い人が多い。ロシアやウクライナなど東欧諸国に多く分布するスラヴ系は、グレーや黒い瞳を持つ人が多い。

世界にはたくさんの人々がおり、ひとくくりに語ることはできない。私たちがよく分類として使う、アジア人、欧米人、アラブ人の中にも、細部をよく見ると明確な違いがある。集団の中にある違いや共通項を探し、分類自体が正しいのかを調べていくと、より世界を深く理解できるだろう。

(プレジデント編集部)

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