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医師が教える"感染症に負けないからだづくり"「プロ推奨の散歩・ヨガの共通点」

プレジデントオンライン / 2020年6月21日 11時15分

郊外の人気のないところで1人で散歩をするのはOK - PIXTA=写真

■運動も感染症に負けない体づくりには欠かせない

厚生労働省は「健康づくり運動」として「健康づくりのための身体活動基準2013」を発表しています。そこでは全年齢層における身体活動(生活活動・運動)の考え方として、以下の内容が挙げられています。

①現在の身体活動量を少しでも増やす(例えば今より毎日10分ずつ長く歩くようにする)。
②運動習慣をもつようにする(具体的には30分以上の運動を週2日以上行う)。

まず①について厚生労働省は『+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう』をメインメッセージとし、ハードルを下げて、できるところから始めようという声かけを行っています。

厚生労働省は主に生活習慣病の予防を念頭に日ごろからの運動を奨励していますが、免疫細胞を含む体の機能を正常化するためには、生活習慣病を遠ざけることも重要になってきます。いわば生活習慣病は万病のもと。その意味で、運動も感染症に負けない体づくりには欠かせません。

■末梢血管まで血液が巡る運動を

また、「運動」習慣についても、何も本格的なスポーツをやる必要はありません。いきなりスポーツに近いことを始めれば、ひざなどを痛める可能性がありますから、おすすめできません。長期間続けられることが大前提ですから、まずは自分のできる範囲で、気軽に取り組めることから始めてみるのがいいでしょう。

先に日光浴の効用についてお話ししましたが、日差しが出ているうちに運動をすれば一挙両得となりますので、ぜひ合間を見つけて実施していただきたいところです。

もし外出が難しければ、戸建ての方なら自宅の階段を上り下りする、ヨガやピラティスを自宅で行う、あるいはストレッチをするだけでも十分、効果があるでしょう。

特にウオーキングやヨガなど、ゆっくりとした、深い呼吸をしながらできる運動は理想的です。息の上がるような、運動強度の高いものはおすすめしません。運動によって呼吸が速く浅くなった状態では、末梢血管まで血液がいかず血流が悪くなり、免疫力も低下します。

私のクリニックでは患者さんに「タイチ」(太極拳の英語名)をおすすめしています。太極拳は体重移動を意識しながら関節と普段使わない筋肉を同時に動かすのですが、運動機能や感覚神経、心肺機能を実に効果的に高めることができます。

今はインターネットでさまざまな動画を見られる時代ですから、この機に室内で簡単にできるヨガやストレッチ、太極拳などの動画などを探してみるのも1つの手かもしれません。

テレワークの導入などで在宅時間が長くなった方は、いつもなら掃除機で10分で終える部屋の掃除を、あえてホウキで掃いたり、雑巾がけをすることで体を動かすのも効果的です。ストレスは免疫にとって大敵ですから、この機に滞在時間の長くなった家を快適な状態に保つべく、取り組んでみてはいかがでしょうか。

筋トレも悪くはありませんが、週1回の筋トレをやるよりは、一日15分の有酸素運動を毎日やるほうが効果的です。

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白澤 卓二(しらさわ・たくじ)
白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。90年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。順天堂大学大学院教授などを経て、白澤抗加齢医学研究所所長。お茶の水健康長寿クリニック院長。千葉大学予防医学センター客員教授。近著(翻訳)に『SUPER IMMUNITY』がある。

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(白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤 卓二 構成=梶原麻衣子)

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