テレワーク時代に1行で「すごく感じのいい人」と思わせる、メールに添えるひと言とは
プレジデントオンライン / 2020年6月13日 11時15分
※本稿は臼井由妃『心が通じるひと言添える作法』(あさ出版)の一部を再編集したものです。
■メールのやりとりをどう終わらせたらいいか
メールをやりとりするなかで、「いつ終えればいいのだろう?」と、悩んだことがある人も多いでしょう。
「Re. Re. Re.……」と返信メールが繰り返されるほど、自分から終えるのは勇気がいるものです。
友人や同年輩の知人など、気楽に話ができる方ならば、なんとか終えられるかもしれませんが、相手が目上の方やはじめてお会いする方、しばらくメールのやりとりをしていなかった方だと、タイミングを計るのは難しいですよね。
その思いは、相手も同じです。
「そろそろ終えてくれないかな?」
「ここで返信を打ち切ったら、マズイかしら?」
やきもきしている可能性があります。
スムーズに「終了宣言」できるのが、気が利く人というものです。
実は、それもひと言でうまくいくのです。
来週の火曜日、午後一時に渋谷の△△カフェで待ち合わせたい旨のメールを受け取ったとしましょう。
あなたが相手に、
「了解しました。来週の火曜日、午後一時に△△カフェに伺います」
と返信したところ、
「それでは、来週の火曜日、午後一時に○○カフェでお待ちしております」
と、相手からメールが届きました。
さて、あなたはどうしますか?
「お返事ありがとうございます。当日お会いできるのを楽しみにしております」
と返信されますか?
それとも、スケジュールの確認がお互いにできているのだから、これで終了していいと考えますか?
■自分から“終了宣言”をしよう
以前私もこのような状況に陥り、迷ったうえで、「お返事ありがとうございます~」と返信したところ、相手からさらにメールが送られてきて、終了のタイミングがつかめず、無意味なメールのやりとりを繰り返してしまったことがありました。
こういうとき、とても有効なひと言があります。
「お忙しいと思いますので、返信は不要です」
「返信のお気遣いは無用です」
これらのひと言があれば、相手は安心してメールを終えることができます。
「失礼ではないか?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
相手にムダな時間を使わせないように配慮している、つまり、相手を敬い、大事にしているからこそのひと言ですから、「気が利く人だな」と、あなたを見直すでしょう。
「終了宣言」は、むしろメールでの大切な作法です。
ちなみに、私は1日100通を超えるメールをやりとりしていますが、こうした「終了宣言」をしてくださる方は、1パーセントもいません。
それだけに、終了宣言のひと言は輝いてみえます。
終了宣言のタイミングは、場所や時間の確認がお互いに取れたとき。
ぜひあなたから「終了宣言」をされてくださいね。
■「P.S.」と「……」で“また会いたい人”になる
メールや手紙は、余計なことを書かず、できるだけ簡潔に、わかりやすい表現をするのが原則です。ビジネスシーンならなおさらでしょう。
でも、「お世話になっています」から始まり、「今後ともよろしくお願いいたします」で終わる文章って、とても味気なく感じますよね。
「常識をわきまえているけれど、なんだかかたい」とか「心を開いて話すのは難しいかもしれない」など、普段の相手を知らなかったり、長い間会っていなかったりすると、そう思えてしまうのも無理ありません。
かといって「最近、どう?」「相変わらず忙しそうだよね」など、くだけた言葉遣いは、「この人、大丈夫かな?」と信頼してよいのか、迷ってしまいます。
そんなとき、役に立つのが「P.S.」です。
「P.S.」とは「PostScript」の略。
手紙やメールなどで本文のあとに、ちょっとしたことを書き添える、「追記」「あとがき」「追伸」のことです。
できる人、ステキな人、とまわりから言われるような人は、本文できっちり大事なことを伝えたあとに、信頼を損なわない程度にやわらかいひと言を「P.S.」として添えるのです。
この「P.S.」があることで、さらに信頼が深まることもあります。
■P.S.を使いこなすコツは三つ
「P.S.」を書くコツは、次の三つです。
そのうえで、「ちょっとだけ」プライベートな顔を「P.S.」でのぞかせる
2.相手のプライベートな領域に少しだけ踏み込んで書く
3.自分のことを語る場合は、自慢話は避け、失敗談や笑えるエピソードを書く
たとえば、こんな感じです。
![臼井由妃『心が通じる ひと言添える作法』(あさ出版)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/8/d/200/img_8d4f499f3ca923c31af9f730026b3a0c212250.jpg)
*犬を飼っている方への「P.S.」
「P.S.もうすぐ○○ちゃん(愛犬の名前)のお誕生日ですね」
*歴史好きな方への「P.S.」
「P.S.私も歴女の仲間入りをしようと思案中です」
*オシャレに気を配っている方への「P.S.」
「P.S.○○さんのセンスを学びたいです」
*お会いした際の雑談を活用した「P.S.」
「P.S.教えていただいた○○、試してみました。最高ですね」
こんな「P.S.」があると、相手は「私に関心を持ってくれている」とか、「好みを覚えていたんだ」と感激します。
*趣味や好みが浮かばない(まだそこまでは知らない)方への「P.S.」
「P.S.最近ダイエットを始めました」
「P.S.先日、値札を一桁読み間違えました。年齢でしょうか?」
自分の近況を独り言のようにして、ひと言添えるのもいいでしょう。
自慢話はタブー。ちょっと笑えたとか、共感してもらえそうなものがオススメです。
*相手への関心の度合いを示したいときの「P.S.」
「P.S.○○様の笑顔にいつも癒されています」
「P.S.○○様の行動力に脱帽しています」
■「P.S.」に「……」をプラスするのもオススメ
「……」とは、言葉には言い表せないものの置き換えですが、文章を読んだ方が「ひと息」ついたり「間」を置いたり、考える時間をつくる働きもあります。
たとえば、こんな感じです。
2「P.S.撫子(なでしこ)の花を見ていて、○○さんを思い出しました……」
3「ありがとうございます、本当にありがとう……」
1は、相手への関心の深さを示しながら「……」でさりげなく願望を伝えています。
2は、照れくさいけれど伝えたいという想いが「……」に込められています。
3は、言い尽くせない感謝の想いが「……」によって表されています。
いかがですか?
会話でも文章でも人の記憶に残るのは、締めの言葉です。
たとえ最初に厳しいことを言われても、最後にやさしいフォローがあれば、厳しさが中和され、重苦しさは残りません。
「P.S.」と「……」を使い、余韻のあるメッセージにしましょう。
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エッセイスト、ビジネス作家、経営者、講演家
33歳で結婚後、病身の夫の後を継ぎ専業主婦から社長に転身。独自のビジネス手法で成功を収め、多額の負債を抱えていた会社を優良企業へと育てる。その手腕がさまざまなメディアで紹介され、日本テレビ系で放送された人気番組「マネーの虎」に出演するなど、好評を博す。著書も多く、『仕事・人生・人間関係がうまくいく「すなお」の法則』『デキる女は仕上げがうまい』(ともにあさ出版)『やりたいことを全部やる! 時間術』(日経ビジネス人文庫)等。
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(エッセイスト、ビジネス作家、経営者、講演家 臼井 由妃 写真=iStock.com)
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