働き方の"ニューノーマルに対応できない人"を待ち受ける不都合な現実3つ
プレジデントオンライン / 2020年6月11日 11時15分
■「オンラインではできないこと」を出社してする時代に
この3カ月でテレワークが一気に進みました。5月28日、日立製作所は、新型コロナウイルスがもたらした新常態(ニューノーマル)を見据え、在宅勤務を標準とした働き方を推進すると発表。同社は30万人もの社員を抱える日本有数の大企業ですから、この決定は社会に相当なインパクトを与えたと思います。
リモートワークを実施してみると、今までは会社に行って話し合わないと解決できないと思っていたことが、意外とできてしまう。「意外に大丈夫なんだな」というのが、現在、多くの人が抱いている実感ではないかと思います。そうなると当然、これまでのように通勤に1時間、2時間をかけるのか? という疑問も生まれますよね。「通勤時間をプライベートに使ったほうがいい」と考え、ますますリモートワークを希望する人が増えてくるでしょう。
自粛が求められている今は完全リモートワークが多いですが、今後「withコロナ」「afterコロナ」の時代には、リモートワークと出社してのリアルワークが併存していくはずです。「beforeコロナ」に比べると確実にリモートワークの率は増え、「オンラインではできないことを出社してやりましょう」ということになっていきます。
■「仕事ができない」と思われる人の特徴3つ
そうした働き方の変化の中で、多くの人はメールやチャットでやり取りする、Zoomなどのツールを使うという基本的なシステムには対応できていると思います。しかしその次の段階、リモートワークならではの仕事のやり方にシフトチェンジできずにいる人は多いのではないでしょうか。それでは評価を下げてしまいかねません。afterコロナに評価を下げてしまう人の特徴は大きく3つあると考えられます。
1.オンライン会議で必要なことを十分に伝えきれない人
有名な「メラビアンの法則」によると、人間が話すときに重視するのは、言語情報が7%、話し方などの聴覚情報が38%、見た目や表情などの視覚情報が55%。オンラインでは、この見た目や表情というのが伝わりづらい。ですから、「伝わる情報量は減る」という前提で、それを補うために音声とテキストでしっかり伝えていく必要があります。分かりやすい資料を作ったり、事前に準備のヒアリングをしたりという作業が発生するわけですが、それをせずに、「これまでどおり話せば済むだろう」「これまでの会議がオンラインになっただけ」という感覚でいると、うまくいかないのです。
2.人の感情をうまく読むことができない人
オンラインでは感情が伝わりにくいがゆえに、小さいことで信頼が崩れていきます。例えば、メールの文章がわかりにくい、テキストの間違いが多い、言っていることがわかりにくいなどと思われているのに、その現状を認識しないままに仕事を続けていくと、新しい仕事の機会が減り、自分の評価がどんどん下がっていくことになってしまいます。相手からフィードバックを得る機会を積極的にもったり、ミーティング中に「わかりにくい点はないですか」などの細やかな声かけをするなど工夫が必要です。
3.レスポンスが遅い人
仕事をうまく進めるためには信頼の積み重ねがそのベースになるわけですが、今はその信頼が蓄積できるサイクルが短くなっています。これまでなら、何かを頼まれてちゃんとお戻ししたということを積み重ね、「この人はできた」「あまりできなかった」という評価がなされ、相手もそれをわかってくれているところがありました。ところがオンラインのやり取りではお互い不安なので、すぐにメールの返事をしないなど、レスポンスが遅いだけで“信頼残高”がどんどん減っていってしまいます。
■リモートワークに適応できない人に訪れる厳しい現実
上記のような人には3つの厳しい現実が待っているでしょう。1つは仕事が増えてしまうことです。これまでは直接話せば済んでいたことが、相手に理解してもらえない場面が増え、余計なやり直しや停滞が発生するためです。2つ目は、信頼が崩れ、自分がやりたい仕事や楽しい仕事ができる機会が減ること。そして最後に、少し衝撃的な言い方になりますが、仕事が失われるリスクもあります。または、職業そのものがなくなる可能性すらあります。例えば、営業の仕事はこれまでは営業先と対面で話して進めていたことができなくなります。実質的に従来のやり方では契約も取れなくなり、これまで通りの営業職の価値そのものが下がってしまいます。そういった変化がさまざまな職種において速いスピードで起きていくでしょう。
■適応できるかどうかに年齢は関係ない
仕事を過去の延長線で積み上げてきた人が、そのやり方を捨てるのは難しいことかもしれません。しかしニューノーマルに合わせて自分を変え、どんどん新しい方向で実験していく姿勢が必要になります。これは年齢というよりもマインドセット(思考様式)の問題で、60代や70代の人でもチャレンジさえすれば適応は可能です。逆に20代でもその意識を持たないと、仕事が失われるリスクがあるのです。
すでに「beforeコロナ」の時代から、日本の終身雇用制は維持できないと言われ、「自分のキャリアは会社に頼らず自分でつくる」という意識も広がっていました。コロナ後は、失業のリスクを恐れすぎずに、自分を変えていくことがますます大切になるのです。
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「グロービス学び放題」事業リーダー
埼玉大学教育学部卒業、グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了。サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコムを共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービスに参画後は小売・グローバルチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行う。現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。グロービス経営大学院や企業研修において思考系、ベンチャー系等のプログラムの講師や、大手企業での新規事業立案を目的にしたコンサルティングセッションを講師としてファシリテーションを行う。
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(「グロービス学び放題」事業リーダー 鳥潟 幸志 構成=小田慶子 写真=iStock.com)
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