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二流の人ほど「次回の打ち合わせの候補日をお知らせください」と聞く

プレジデントオンライン / 2020年6月23日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/itakayuki

次回の打ち合わせを決めるとき、どう切り出すのが正解なのか。話し方トレーナーの桐生稔氏は「『候補日をお知らせください』という聞き方はNG。候補日を具体的に伝えるべきだ。一流の人ほど相手が考えなくてもいい質問を心がけている」という――。

※本稿は、桐生稔『雑談の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■雑談上手の一流は、接続詞の使い方が凡人と異なる

【①雑談上手】

世の中には、物知り、博識、雑学王など、話すネタをいっぱい持っている人がいます。とくに「○○マニア」という人は、その分野の話になると話が止まりません。しかし、そういったマシンガントークからは、快適な会話の空間が生まれません。

では、話すことではなく、聞くことに徹すればいいのか?

桐生稔『雑談の一流、二流、三流』(明日香出版社)
桐生稔『雑談の一流、二流、三流』(明日香出版社)

それも違います。うんうん頷いて、話を聞いているだけだと、「この人ホントに聞いているの?」って疑われることもあります。よく夫婦喧嘩で「ねえ~! ちゃんと話聞いてるの!」「聞いてるよ!」みたなバトルは、こういったときに起こります。

では、何上手を目指すべきか? それは……話させ上手です。よく友人と会話をしていて、あっという間に時が過ぎていることはありませんか? きっとその友人は話させるのが上手なはずです。人間は聞いている時間よりも、話している時間のほうが、あっという間に過ぎるのです。

いかに相手が話したくなるような空間を作るか、ここが最大の腕の見せ所です。それを実現するには、一流が使っている「接続詞」に注目してください。

■“話を進める”接続詞で相手が話しやすい空間を作る

「○○さんってテニス10年もやられているんですか?ということは(接続詞)、学生時代からずっとテニスをやられているんですか?」
「そうすると(接続詞)、健康には結構気をつけているタイプですか?」
「ちなみに(接続詞)、他にも体を動かすことやられているんですか?」

「ということは」「そうすると」「ちなみに」、これらはすべて話を進める接続詞です。「最近全然休みがなくて~」と言われたときに、「へ~そうなんですか」と、頷いて聞いているだけだと会話は終了します。そこで、以下のように、話を進める接続詞を使って、どんどん会話を引き出していきます。

「全然休んでないんですね~。相当忙しそうですね。ちなみにどのくらい休んでないんですか?」
「もう7連勤ですよ~」
「そうなんですか~。ということはあまり寝てないんじゃないですか?」
「そうなんですよ~。あまり寝てなくて~」
「そうすると、お子さんともあまり遊べてなかったりするんじゃないですか?」
「そうそう、全然遊んでなくて~」

これを続けていると、「今日はすみません。私ばかり話しちゃって」と言われることが多々あります。しかし、これでいいのです。人間は話したい生き物です。聞いてほしいという欲求があるのです。欲求が満たされた空間は、相手にとって最高に快適な空間です。そんな空間を提供してくれた人とは、また話したいと思うのが必然です。

一流は聞くのもうまいですが、話させることが超絶にうまいです。上手に接続詞を使って、どんどん会話を引き出します。そして「またこの人と会いたい」という気持ちを醸成させているのです。

Road to Executive:一流は、話させ上手
☑接続詞を使って、相手から自然に会話を引き出す

■三流は雑談のネタを収集せず、二流はネタを収集するが……

【②ネタの収集】

いざ雑談がはじまってもネタが尽きて「何を話そう」「さっきもその話をしたしな」と、会話に困ることもあると思います。そこで事前に雑談ネタを仕込んでおく方法もあります。雑誌やネットで最新の情報をチェックして情報をストックしておけば、話せるネタは増えるかもしれません。

しかし、用意されたネタを出されても、唐突すぎて相手が違和感を覚えるかもしませんし、常に情報をストックしておくのも大変です。やはり、その場に合わせた最適なネタで会話が弾んでいくのがベストですよね。そんなときに使えるのが「ネタ連想法」です。

例えば、「今気になっていること」をテーマに連想してみましょう。「今気になっていること」と言えば、「話し方」。「話し方」と言えば、「落語家」「政治家」「お笑い芸人」……。

この中から一つピックアップして、「落語家」と言えば、「千原ジュニアさんの落語がおもしろい」「桂枝雀さんのうどんの食べ方は芸術」「落語家ではないが神田伯山さんの話力はすごすぎる」……。さらに一つピックアップして、「千原ジュニアさん」と言えば、「お笑い芸人」「吉本興業」「兄弟」「大喜利」……。

このように「○○と言えば」を使うと、いくらでもキーワードが出てきます。

■雑談の一流は、話のネタをその場で広げる

この「○○と言えば」を雑談に応用するとどうなるか? 例えばあなたが、「最近ダイエットしててさ~」と言われたとします。

あなた「ダイエットと言えば、今、流行りのダイエットってあるの?」
相手「炭水化物を抜くのが流行っているよ」
あなた「炭水化物と言えばどんなもの?」
相手「ご飯とかパンとか」
あなた「パンと言えば小麦だよね。うどんとか麺もそう?」
相手「そうだよ」
あなた「小麦と言えば結構食べるシチュエーションあるよね?」
相手「そうなんだよ。結構あるから大変で……」

わかりやすく「○○と言えば」を連発しましたが、「ダイエット→炭水化物→パン→小麦→シチュエーション」というように、「一つの情報から話を拡散していくことが可能」ということです。

ロジカルシンキングで言うロジックツリーです。一つの情報から、違う情報が現れ、その情報からまた違う情報が現れる。このように連想していくことで、話のネタは尽きることがありません。

「○○と言えば?」と質問されると相手も話しやすく、雑談はスムーズに広がっていきます。ぜひネタ連想法を使って、その場の状況に合わせた最適なネタで会話を広げてみてください。

Road to Executive:一流は、その場でネタを拡散させる
☑ネタ連想法を使って無限に会話を作り出す

■三流は「深く考えないと答えられない質問」をし、二流は「アバウトな質問」をする

【③質問の質】

雑談とは「雑=とりとめもない」「談=話」と書きます。「談」は言うに炎。話すことで会話に火を灯していくことを意味します。つまり、会話の中身よりも、話しているときの「心地よさ」「温かさ」「盛り上がり」を通じて人間関係を深めていくスキルです。

では、逆に「心地よくない空間」とは、どういった空間でしょう? 人間の脳は、考えると強烈に脳内エネルギーを消費します。皆さんも、テストで難題を解くときや、仕事で解決策が見えないとき、相当頭を使いませんか?

「頭を悩ます」という言葉がある通り、深く考えれば考えるほど、人間の脳は疲弊していきます。つまり、相手に深く考えさせるような質問を連発すると、相手の脳はフリーズし、心地悪さを感じて会話が止まってしまうのです。

■一流は即答できる具体的な質問を投げる

一流はそこを明確に理解しています。ですから、常に即答できるような「具体的な質問」を投げかけます。例えば、以下のように、アバウトな質問ではなくて具体的な質問をします。

①「最近忙しいですか?」という質問よりも、「最近土日はお休み取れてますか?」
②「趣味はありますか?」という質問よりも、「休日によくやっていることってありますか?」
③「何か体に気をつけていることありますか?」という質問よりも、「最近、ジムとか行っていますか?」
④「今夜何食べましょうか?」という質問よりも、「今日の気分としては、サッパリした魚系ですか? ガッツリ肉系ですか?」
⑤「最近何か勉強しいてますか?」という質問よりも、「最近何か本を読みましたか?」

よく、次回の打ち合わせを決めるときに、「次回の打ち合わせの候補日をお知らせください」と言われることがあります。自分の全スケジュールを見て、空いてるところを探して、三つくらい候補日を探して相手に投げないといけないので相当疲れます。

■「考えなくても反応レベルで応えられる質問」が一番いい

それよりも、「次回の打ち合わせですが、次の三つのうち、都合のいい日程はございますか?」と、具体的に示してもらったほうが選択するだけなので楽です。

一番いいのは、相手が「考えなくても反応レベルで答えられる」質問です。アバウトな質問には、答えるために考えなくてはいけないため、脳疲労を起こして居心地が悪くなります。

会話が広がらない、沈黙が続くというときは、投げかけている質問をもう一段ブレイク
ダウンして、具体的な質問に変換してみてください。

Road to Executive:一流は、「具体的な質問」をする
☑あまり考えなくても答えられるような質問をする

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桐生 稔(きりゅう・みのる)
モチベーション&コミュニケーション代表
メンタル心理カウンセラー、上級心理カウンセラー。グッドウィルの支店長、エリアマネジャー、音楽スクールの事業責任者を経て2013年より現職。現在、全国20カ所でコミュニケーションスキルを上げるビジネススクールを運営。著書に『10秒でズバッと伝わる話し方』など。

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(モチベーション&コミュニケーション代表 桐生 稔)

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