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最大200万円「申請すればもらえるコロナ支援」最終案内

プレジデントオンライン / 2020年6月21日 9時15分

新型コロナウイルスへの対策として、政府はさまざまな支援策を打ち出している。ただし、それはどれも「申請しなければもらえないもの」ばかりだ。ファイナンシャルプランナーの藤川太氏は「国民1人当たり一律10万円を支給する『特別定額給付金』も申請しなければもらえない。もらいそびれには注意が必要です」という——。

※本稿は、『プレジデントFamily2020年夏号』(6月5日発売)の記事の一部を再編集したものです。

■政府のコロナ支援金は「申請しなければもらえないもの」ばかり

新型コロナウイルスの影響で仕事を休んだり、出勤日が減った人も多いと思います。今回のように会社が休業要請した場合、会社は平均賃金の6割以上の「休業手当」を出す義務が本来あります。でも、実際には税金や社会保険料控除後の手取りは4割ほどまでに下がっていたり、緊急事態を理由に休業手当すら支払わない事業者もいたりするようです。本誌が発売される頃、給与明細を見てがくぜんとしている人も少なくないでしょう。

政府はこうした事態に対応すべく、さまざまな施策を設けています。国民1人当たり一律10万円を支給する「特別定額給付金」もそのひとつ。ただし、児童手当の受給世帯に支給される「子育て世帯への臨時特別給付金」を除いて、いずれも「申請しなければもらえないもの」ばかりです。支援が受けられるのに受けそびれることがないよう、制度を紹介します(最終ページに【自分で申請する主な支援制度9】の条件や支給額、申請窓口などを掲載。下記の「支援制度チェックリスト」を参考に該当項目をご覧ください)。

■コロナ対策でもらえるお金はどんな内容か? 申請漏れしていないか?

まずは、感染した場合に使える制度。新型コロナウイルスに感染して長期間休まざるをえなかった場合には「傷病手当金」を受給できます。傷病による休業4日目以降の所得が一部補償されます。業務上の感染であれば、労災申請もできますが、看護師でさえ認められないケースがあったようです。

続いて支援策です。パートをしていて、シフトが削られているのに休業手当をもらっていない場合は、事業主に「雇用調整助成金」を申請してもらえるように頼みましょう。この助成金は事業主に対する支援策ですが、休業手当の最大10割を国が肩代わりします。もとは正社員や契約社員だけですが、特例で雇用保険に入っていないパート従業員なども対象となりました。

特別定額給付金申請書
写真=iStock.com/Picturesque Japan
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Picturesque Japan

企業が最大200万円受け取れる「持続化給付金」は、フリーランスや自営業者でも受け取れます。前年よりも売り上げが半減した月があり、事業所得として確定申告をしている方が対象です(雑所得や不動産所得としての申告は対象外)。※註:経済産業省は持続か給付金に関して、主な収入を雑所得などで確定申告している一部のフリーランス事業者も給付対象者に加える見通しで、最大100万円を支給する。6月中旬より申請受付開始(日本経済新聞5月22日付)。

家賃の支払いが厳しくなった場合は、「住居確保給付金」の申請ができます。従来は離職・廃業後でしたが、今回は離職していなくても収入が減って住居を失う恐れがある人に拡大されました。持ち家の場合、住宅ローンに対する支援策はありませんが、支払いが厳しい場合は銀行に相談に行きましょう。今回は返済条件の変更に応じてくれる可能性が高いはずです。黙って滞納すると、最悪の場合自宅を競売に掛けられてしまうので、まずは相談してみることです。

文部科学省の教育費関連の支援策では、「高等教育修学支援新制度」があります。そもそもは住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯が対象でしたが、今回、家計が急変した世帯にも対象が拡大されました。すでに受け付けが始まっていますから、教育費の支払いが厳しくなった場合は、退学を考える前に、ぜひ申請を検討してみてください。

■「固定費の削減」をすることで家計防衛できる

私はこれまで、「最良の家計防衛策は固定費の削減である」と言い続けてきました。やりくり費(食費など)を切り詰めると、生活に潤いや楽しみがなくなってしまいます。それよりも、毎月決まって出ていく固定費(各種保険料、通信費など)を見直したほうが、痛みも少なく、しかも節約を持続できる。この考え方は変わりませんが、今回はかなり特殊な状況です。家計防衛の作戦も、変更する必要があるでしょう。それは楽しく、食費を節約することです。

親子で料理
写真=iStock.com/JGalione
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JGalione

この20年ほどで共働き世帯が増えて、需要が伸びたのが外食と中食(総菜や弁当)です。仕事から帰ってきて食事を作るのは大変なもの。つい外食や中食に頼りたくなります。ところが新型コロナウイルスの感染拡大によって、中食はまだしも、外食は難しい状況になってしまいました。自炊の機会が増えているはずです。

さらに、この状況は“自炊能力”を磨くチャンス。自炊は食費を圧縮できるだけでなく、栄養バランスも取りやすい。そして、子供と作れば家庭学習の材料にもなります。先の見えない状況ではありますが、子供と自炊を楽しみながら家計が守れれば、一石二鳥の効果があります。

投資の基本は「安く買って、高く売る」こと。これは簡単なようで、やってみると難しいことです。なぜなら、いつが安くて、いつが高いかを判断するのが難しいからです。

新型コロナウイルスの流行によって、世界経済は未曾有の危機に瀕しています。では、いまが「底」なのでしょうか。だとすれば投資の好機ですが、私は、底はいまよりも深く、長く続く可能性が高いとみています。

たとえば、去る4月20日、原油先物価格がマイナスになりましたが、これは史上初の異常事態。同様に想像もしなかったことが次々に起こる可能性もありえますから(大企業倒産など)、安易に大きな金額を投資するのはやめましょう。

一方、この緊急事態は、既存の習慣や価値観を大きく転換させました。たとえば、テレワークが一挙に普及したことで、都心にオフィスを構える必要は低くなるかもしれません。今後もテレワークが主体になるとは思えませんが、やればできることはわかりました。

都心の不動産価値は下がる一方で、テレワーク関連企業などは、急激に成長していくかもしれません。投資のキーワードは成長です。新時代に伸びる業種、企業はどこかを予測することが重要な視点です。

■知らなきゃ大損【自分で申請する主な支援制度9】

A:対象者の条件、B:支給対象期間など、C:支給額、D:申請窓口

※情報は『プレジデントFamily2020年夏号』(6月5日発売)掲載のものです。最新情報に関しては、各自治体や該当団体にご確認ください。

① 特別定額給付金
A 2020年4月27日時点で住民基本台帳に記録されている者に支給
B 給付対象者につき1回
C 10万円
D 市区町村

② 傷病手当
A 次の条件の両方を満たしたときに支給。
(1)業務外の事由による病気やケガの療養で働くことができないこと
(2)4日以上仕事を休んでいること
B 支給を始めた日から最長1年6カ月
C 直近12カ月の標準報酬月額の平均額の1/30×2/3×支給日数
D 加入している健康保険の保険者

③ 小学校休業等対応支援金
A 新型コロナウイルスに感染した、または、新型コロナウイルスによる小学校の臨時休業で子供の世話が必要な保護者で、個人で就業をする予定があった場合、または業務委託契約にもとづく業務遂行に対して報酬が支払われており、発注者から業務内容、業務を行う場所・日時などについて一定の指示を受けているなどの場合に支給
B 2020年2月27日〜6月30日の間で、業務ができなかった日
C 就業できなかった日について、1日あたり4100円
D 学校等休業助成金・支援金受付センター

④ 持続化給付金(中小法人等)
A
(1)2020年4月1日時点において、次のいずれかを満たすことが必要
・資本金の額または出資の総額が10億円未満であること
・資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2000人以下であること
(2)2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること
(3)2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(以下「対象月」という)が存在すること
B 2020年5月1日〜2021年1月15日
C 200万円を超えない範囲で対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入から、対象月の月間事業収入に12を乗じて得た金額を差し引いたもの
D 「持続化給付金」のウェブサイト※からWeb申請

※2020年5月21日現在 *https://www.jizokuka-kyufu.jp/

⑤ 持続化給付金(個人事業者等)
A
(1)2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること
(2)2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(以下「対象月」という)があること
B 2020年5月1日〜2021年1月15日
C 100万円を超えない範囲で、2019年の年間事業収入から、対象月の月間事業収入に12を乗じて得た金額を差し引いたもの
D 「持続化給付金」のウェブサイト※からWeb申請

※2020年5月21日現在 *https://www.jizokuka-kyufu.jp/

⑥ 緊急小口資金の特例貸付
A 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯(※新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、休業状態になくても対象となる)
B 返済猶予期間1年以内、償還期限2年以内
C 無利子・保証人不要〜20万円
D 市区町村社会福祉協議会、または労働金庫

⑦ 総合支援資金の特例貸付
A 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯※新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、失業状態になくても対象となる
B 返済猶予期間1年以内、償還期限10年以内
C 無利子・保証人不要(2人以上世帯)月20万円以内、(単身世帯) 月15万円以内、3カ月まで
D 市区町村社会福祉協議会

⑧ 住居確保給付金
A 離職・廃業後2年以内の者給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある者
B 原則3カ月(求職活動等を誠実に行っている場合は3カ月延長可能〈最長9カ月まで〉)
C(東京都特別区の目安)単身世帯:5万3700円、2人世帯:6万4000円、3人世帯:6万9800円
D 市区町村の自立相談支援機関

⑨ 高等教育修学支援新制度(家計急変の場合の特例)
A 住民税非課税世帯・準ずる世帯の学生(4人世帯の目安年収〜380万円)、または生計維持者(学生の父母等)の死亡、事故・病気(による就労困難)、失職、災害など
B 随時
C 授業料・入学金の免除/減額+給付型奨学金のプラス支給
D 各大学・専門学校等の学生課や奨学金窓口

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藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー
生活デザイン代表取締役社長。2001年に家計の見直し相談センターを設立以来、2万世帯を超える家計診断を行ってきた。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。

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(ファイナンシャルプランナー 藤川 太 構成=山田清機)

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