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全実名公開! 「超安定株70選」経済低迷の日本を襲うデフレ…今仕込むべき銘柄は

プレジデントオンライン / 2020年6月25日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/phongphan5922

■民間エコノミストの主な見解「ポストコロナはデフレ」

国内のGDP成長率は4~6月期は前期比年率マイナス21.3%の落ち込みが予想され、また2020年度の実質GDP成長率はマイナス5.39%とマイナス成長予測です。コロナ収束後はデフレリスクが存在しています。ポストコロナはインフレかデフレかといった論争がありますが、民間のエコノミストの主な見解はデフレです。コロナショックは、長く続く需要の減少と、需給の悪化をもたらす可能性が高いとされています。これらは、幅広い価格に低下圧力をかけることになります。コロナ問題収束後も、経済の低迷は長期化し、元の経済水準を取り戻すまでに約5年かるとの試算もあります。このような中で、銘柄選定は非常に難しいと言えるでしょう。安定成長する企業とはどのような点に注目したら良いのでしょう。

ポイントは、「オリジナリティのある企業・成長産業に属している企業・業績推移が堅調」です。これらの点を抑えることで安定成長株を抽出することができます。

オリジナリティや成長産業に属しているかどうかは、1つ1つ個別の企業を見ていく必要があります。一方、業績推移に関しては、スクリーニングを利用することで、ある程度ふるいにかけることができます。業績推移の良い企業だけをふるいにかけ、銘柄が絞れた後に、1つ1つ銘柄の中身を吟味することをお勧めします。

■アナリストが注目銘柄をピックアップ

新型コロナの打撃により、企業の業績予測が難しいことから、銘柄の選定が通常時よりも難しくなっています。今回は、過去の業績推移から、中長期で安定的に成長している企業の中から注目の銘柄をピックアップしていきましょう。スクリーニング要件はマネックス証券のスクリーニング「銘柄スカウター」を利用して選定しています。

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<安定成長・スクリーニング要件>
通期で直近10年間の増収回数(売上高):7回以上
通期で売上高の成長率が3年間:10%以上
通期で直近10年間の増益回数(営業利益):7回以上
通期で営業利益の成長率が3年間:10%以上
通期で営業利益率の利益率が3年間:10%以上
自己資本比率:50%以上
(マネックス証券「銘柄スカウター」より抽出:6月19日時点)

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「直近10年間に営業利益と売上高が7回以上伸びている」点は、10年間に安定的に成長を続けてきている企業を抽出し、売上高の伸びがあることで成長性のある企業を抽出できます。成長率については、「直近3年間の売上高の成長率が10%以上」「直近の3年間の営業利益の成長率が10%以上」「直近の3年間の営業利益率の利益率が10%以上」とかなり、厳しい基準に設定しています。中には20%を超える成長率を誇る企業も数社ランクインしています。「自己資本比率50%」は財務の健全を確保したい狙いがあります。ランキング順位は今期予想で営業利益の増益率が高い順にランキングにしました。今期予想が出ていないものもありますが、過去の業績推移が良い企業を見逃さないように、その点を含めてコメントしています。

■グロース株が優位な時間帯

新型コロナウイルスの影響による経済の縮小に対応するため、超金融緩和策が各国で取られていますが、この金融緩和の期間が長期化することも予想されます。そのような中で、グロース株(成長性ゆえに株価の上昇が期待できる株)とバリュー株(割安感が強い株)のパフォーマンスを比べると、グロース株がバリュー株を上回っている傾向にあります。業績不透明な中で、その企業のもつ「成長性・独自性」に期待する動きとなっています。

ランキングのなかで、グロース株の代表例といえばエムスリーです。今期は予想を非開示としていますが、医療のデジタル化をリードするエムスリーの存在感は増しています。製薬会社が医師向けに医薬品情報を提供するサイトを運営しており、登録する医師は国内の約9割に及びます。医療サービスのオンライン化も追い風であり、非接触のサイト利用は急増し、株価は6月に上場来高値を付けています。「エムスリーしかない」まさに、替わりがない企業。オリジナリティの高さこそが、機関投資家の保有にもつながっています。

MonotaROも、グロース株・オリジナリティの高さのある企業の代表でしょう。事業者向け工業用品間接資材の通信販売「モノタロウ」と一般消費者向け通販を展開しています。月次売上高は前年同月比10.4%増、3月や4月の同20%強増と比較すると伸び率は鈍化しているものの、営業日数調整後ベースではここ2カ月と同様の伸び率を確保しています。企業活動低調な中で、底堅い売上推移の継続を評価する動きが優勢になっています。大企業向けが下振れするも、個人向けが好調で牽引役となっているようです。直近、10年間の増収増益は10回、3年成長率は売上高23.6%、営業利益18.6%と、高成長を続けてきている企業であり、コロナ収束後の景気後退局面でも成長が見込めるでしょう。

■5G・データセンターの需要拡大で半導体は底堅い成長

5Gの流れと共に、今回のテレワークの急増でデータセンター投資が急拡大しています。その流れを受けて、世界の半導体出荷は回復途上にあります。

ランクインしている、東京エレクトロンはデータ通信量の増加に伴い、データセンターや5Gスマートフォン向け半導体需要が拡大するとの見解を示しています。メモリ投資も回復してきており、装置需要の継続が見込まれます。直近10年間に増収増益は7回になります。

また、レーザーテックはEUV露光装置を使うマスク欠陥検査装置が業績を牽引しています。エヌビディアやインテルなどの堅調な値動きが続いており、半導体市況の回復を買う流れが鮮明となっています。レーザーテックは半導体マスクブランクス検査装置のオンリーワン企業であることからも、ファンド系資金の継続的な買いなどが株価を押し上げています。直近10年間の増収は7回、増益は8回になります。

■ITシステム関連がコロナ収束後も拡大

コロナショック後、日本株相場をけん引してきたのは主に医薬関連と情報通信株がメインです。特に、システム関連株の値動きはコロナショック前から好調な値動きが続いていました。人手不足に直面する企業から業務効率化目的のシステム受注が増加し、企業のIT投資は大きな流れとして、定着しつつありました。その中で、今回のテレワークの急速な拡大は更なる追い風となっています。テレワークの拡大はコロナ収束後も拡大余地のある分野でしょう。

3月企業の決算発表において多くの企業が2020年度の見通しを示せない中、ITサービス企業が健闘しています。ランクインしている、システム情報もその1つです。同社は金融・通信向けのソフト開発が主力で、大企業や官公庁向けのシステム構築や更新の案件が増加しており、安定的に成長しています。直近10年間の増収増益は8回、3年成長率は売上高23.4%、営業利益32.3%となっています。

■Eコマースを支えるサービスの拡大

外出制限が行われるなかで、一気に普及したのがEコマースです。外出制限の解除が行われたとしても、新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンはまだ開発段階で、感染症拡大の第2波が警戒される中で、消費のオンライン化は今後も継続されるでしょう。当然、オンラインストアやオンライン決算の企業の株価は大きく伸長しました。その中で、広告という切り口でランクインしているバリューコマースに注目です。同社はアフィリエイト広告トップ級でZホールディングスの子会社です。「Yahoo!ショッピング」の出店者向けCRM(顧客管理)ツールが伸びています。同社も独自のビジネスで安定成長が見込める銘柄だといえます。

それでは、安定株ランキングを公開します。まずはランキングの1~20位です。

【図表】安定株ランキング 1~20位

■続いて、21位以下を大公開!

【図表】安定株ランキング 21位以下

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馬渕 磨理子(まぶち・まりこ)
テクニカルアナリスト
京都大学公共政策大学院を卒業後、法人の資産運用を自らトレーダーとして行う。その後、フィスコで、上場企業の社長インタビュー、財務分析を行う。

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(テクニカルアナリスト 馬渕 磨理子)

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