地獄の好感度差…「全日本人激怒」の渡部便所不倫vs「全日本人が共感」の手越会見

プレジデントオンライン / 2020年6月29日 17時15分

ジャニーズ事務所退所後の記者会見で、ポーズをとる元アイドルグループ「NEWS」の手越祐也さん=2020年6月23日、東京都内 - 写真=時事通信フォト

■渡部建がついに口を開いた……

緊急事態宣言が解除された6月、自粛明けに飛び込んできた二つの芸能ニュースに日本列島は翻弄される二週間となった。

一つは、美人女優と結婚した好感度抜群のお笑い芸人の不貞行為。もう一つはジャニーズ事務所の人気アイドルグループのコロナ禍の外出スキャンダルだ。

まずは、6月4日発売の『週刊文春』で、複数人の女性との不倫が報じられたアンジャッシュの渡部建さん。彼は同誌発売前に芸能活動の自粛を文書で発表し、現在、すべてのレギュラー番組を降板。今もなお、芸能活動を自粛している。

現在まで記者会見も開かず、メディアへの露出は一切控えていた渡部さんだが、25日発売の『週刊文春』で、所属事務所人力舎社長の玉川大社長とともに文藝春秋社を訪問し、同誌の独占インタビューに答えている。

インタビューでは、渡部さんは佐々木希さんのことについて「今でも妻を愛しています」と表明し話題となったが、筆者はそもそも当初玉川社長は渡部さんの扱いを「(不倫スキャンダルを起こした)他の方々がやってきていることと同じようにするしかないと思っていました」と語ったことに注目する。

つまり、渡部さんはお笑い芸人なので、不倫スキャンダルをまずは謝罪させたあとは、“ネタ”にして、芸能界に復帰させる流れを想定していたようだ。

※編集部註:初出時、「人力舎社長の玉川善治社長とともに」としていましたが、正しくは「人力舎社長の玉川大社長とともに」でした。お詫びして訂正します。(6月29日23時07分追記)

■渡部建と同様にスキャンダルで日本中が沸いた手越祐也

だが、玉川社長によると、そのシナリオは渡部さんの詳しい不貞行為の内容を聞いて崩壊した。

多目的トイレで15分で口淫を済ませ、女性に1万円札を雑に渡す。さらに、複数人の女性とLINEのビデオ通話で互いの行為を見せ合うといった“プレイ”を何度も行っていた事実を重く受け止め、自粛以外の選択肢はなくなったと玉川社長は語っている。

そしてもう一つのスキャンダルは、これまで何度も女性関係が週刊誌に取り上げられていた元NEWSの手越祐也さんだ。手越さんは6月19日にジャニーズ事務所を退所し、23日に記者会見を開き、その様子を自身のYouTubeで生配信した。

手越さんは東京都内で緊急事態宣言が発令されていた期間に、港区内の飲食店で女性を含む複数人と会食していたことが『週刊文春』で報じられ、事実上の謹慎処分を受け、その後の動向が注目されていた。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ジャニーズ事務所は、V6や嵐、KinKi Kidsなど所属事務所アーティスト76人からなる期間限定ユニット「Twenty☆Twenty」を結成し、売り上げを医療機関などに寄付するプロジェクトを発表していたが、手越さんはこのプロジェクトから外される決定が下された。

■攻めに強く、守りに弱い芸能人

お笑い芸人の渡部さんとアイドルの手越さん、くしくも女性にモテることで知られる2人がアフターコロナの芸能界をにぎわせる存在となったが、その後二人に抱かれるイメージは大きく二分されることになった。

手越さんについては、2時間にわたる記者会見で一連の行為に対する謝罪はあったものの、会見後半は退所後のビジョンについて語る時間が多く、SNS上では「メンタルの強さ」「自身が自粛期間に外出していた正当性」をポジティブに評価する声があがった。

一方、渡部さんについては今もなお、ネガティブな印象がつきまとっている。

渡部さんの独占インタビューが掲載された前出の25日発売の『週刊文春』では「今でも妻を愛しています」と語っているが、その一方で不倫関係にあった女性に対しては「気持ちがまったくなかった」とコメントしており、これが女性を侮辱しているとさらなる炎上を招いている。

両者のスキャンダル後の対応はなぜかくも大きく分かれてしまったのか。

「攻めに強く、守りに弱い」芸能人という存在の危機対応力について、二人の発言をもとに分析していこう。

■手越会見、危機管理的な評価ポイントとは

まず、手越さんについては、危機の際に世間から大きく評価されたポイントが2点ある。

一つは、記者会見を開き、自ら記者からの質問に答えたことだ。

一般にスキャンダルにあった芸能人は、過剰なバッシングを恐れ、記者会見を開かず、渡部さんのように一切姿を現さなくなるケースが少なくない。

むろん、渡部さんのような不倫によるスキャンダルが起きた場合は、迷惑をかけた妻である佐々木希さんや仕事相手、スポンサーなどの関係者だけに謝罪すればよく、全国民に謝罪する必要はまったくない。

その点で渡部さんは記者会見を開く必要はないとも言える。

だが、これは残念ながら理想論にすぎないだろう。

世間に姿を一切現さないとなると、ネガティブなイメージだけが肥大化し、彼が自身の声で謝罪と釈明をしない限り、メディアは彼を一方的に憶測も含めて叩くケースに陥ってしまうのが実情だ。

一方、手越さんは事務所退所表明後に、自身のYouTubeチャンネルという新たなステージをメディアに指定し、記者会見を開いた。

その質疑応答は2時間に及んだが、そこで答えた内容によって、彼自身の“生の声”が世間に発信されることとなった。

■「その話は今回で終わり」と区切りをつけることに成功

会見中、銀座の飲食店に女性を呼び出した件について「コロナをうつされても困るので、ちゃんと(かかっていないか)確認した」と、さも自身の行動がコロナ対策を徹底していたといった趣旨の発言をしていたが、自身がコロナに感染している可能性を考慮していないなど、問題となる発言も少なくなかった。

だが、彼は自身の“生の声”を伝えることで、世間の憶測によるネガティブなイメージをある程度制御することに成功したと言えるだろう。

具体的には「退所は決まっていたことなので、その後の進路に不安があった。自分にとっては不要不急の外出ではなかった」という旨の主張をしている。

その真偽については議論の余地があるが、『週刊文春』が報じた内容に対し、自身の声で「回答」をした点は事実上の沈黙を貫く渡部さんと大きく異る点だ。

さらに、評価できるポイントの2点目として、グループに迷惑をかけたなど自身の非を一部認めたものの、今後のビジョンを話すことで、「その話は今回で終わり」と区切りをつけることに成功した点が挙げられる。

■あれはビジネスプロモーションの会見だった

もちろん、手越さんが23日に開いた記者会見によって、ジャニーズ事務所や仕事の関係者への謝罪が済んだというわけではない。

だが、2時間にわたる記者会見によって、謝罪だけでなく、事務所退所後にボランティア活動や、グローバルに展開するビジネスを構想している点を語ったことで、世間の関心は、彼のスキャンダルよりも、今後の手越さんの行動に注目が移ることとなった。

つまり、記者会見は、手越さんにとってひとつの鎮火作業の役割を果たし、さらに自身の今後のビジネスのプロモーションの場として機能してくれたのだ。

ここまで、手越さんの対応を見れば、渡部さんがいかに“守り”が不得手だったか明らかになってくる。

■守りが弱すぎるアンジャッシュ渡部、最悪の意思決定

自身が起こした不倫の詳細について、渡部さん自身が「大変失礼で、卑劣で、最低なやり方」と語るように、彼はその内容には触れてほしくないのが本音だろう。

仮に彼が記者会見を開き、その詳細について自身で何時間でも説明すれば、それ以降は不倫の話題にかんしてある程度“鎮火”させることができたかもしれない。

しかし、渡部さんは突然の自粛に入ったことで、なかばすべての仕事と世間への説明を“ドタキャン”するに至ってしまった。

筆者は、これは渡部さんにとって、最悪の意思決定だったと考える。

渡部さんは恋愛心理学を紹介したYouTubeチャンネルや、大物芸能人やアスリートとのツーショットを投稿しているインスタグラム含め、ポジティブな情報のみをこれまで発信し続けていた。

すでに報じているが、渡部さんは過去出演している「アメトーーク!」で、自身が得意とする恋愛心理学も、グルメも、スポーツも、自身の芸能界で生き残る戦略として努力して身につけてきたものであったことが明らかになっている。

だが、彼は危機に陥ったときの対応という意味での努力は一切してこなかったのである。

■何が命運を分けたのか

いわば、渡部さんは自身が芸能界という山を上り詰めていくまでの“攻め”についてはストイックに学ぶ努力を惜しまなかったものの、いざというときに転落した際の“守り”の戦略、つまり命綱は一つもつけていなかった。

それが手越さんとの命運を分けた。

2時間にわたる記者会見で、あっけらかんとした顔でハキハキと冗談交じりで記者の質問に答えていた手越さんに対し、25日発売の『週刊文春』で独占インタビューに答える渡部さんは、なぜか黒いネクタイを締めた喪服姿で涙を流しインタビューに答えている。

その悲哀感と、手越さんの開き直った表情は、まさに危機が起きた際の対応力の違いが明確に浮き彫りになった姿と言える。

たしかに両者のスキャンダルの詳細は大きく異るものだ。

だが、近年SNSによって芸能人を含めた個人が影響力を持つようになった時代において、攻めよりも守りの戦略を固めることがタレントとして生き残る上で重要な指標になってきているのではないだろうか。

(ライター 柚木 ヒトシ)

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