Withコロナ時代に「稼げる副業」に直結する、隠れた専門スキルの探し方3つ
プレジデントオンライン / 2020年7月13日 6時15分
■これから伸びるのはビジネスの専門家
みなさんがご存じのように、今回の新型コロナウイルス感染症問題で、イベントはすべて中止となり、飲食業や観光業などが大きな打撃を受けました。こういった業種は副業どころか本業としても厳しい。今はあえて手をつけないほうがよいでしょうね。
たとえば、これまで人気だった飲食業、結婚式の司会やミステリーショッパーなどイベント系は今後、やりにくくなることが考えられます。また一般の民家を旅行者に貸す民泊ビジネスも活況でしたが、これから参入するには適さないでしょうね。
一方、これから伸びる副業は、マーケティングや財務など専門知識を活かしたビジネス系。そういった専門知識を持っている人を求めている法人も多いので、副業を始めるなら、こういった本格的な業種を積極的に探すとよいと思います。
副業や起業を始めるために、新しいスキルを身に付けようとしたり、資格を取得しようとする人も多いのですが、それでは時間がどんなにあっても足りません。まずは自分の中にある専門性に目を向けましょう。
とはいえ、なかなか自分の持っている専門性というのは自分ではわからないもの。自分にはどんな能力があって、どんなサービスを提供できるのか、まとまった時間をとってじっくりと考えてみることが大切です。
■自分の専門性が見つかる3ステップ
ステップ1:自分の経験を書き出す
まずは自分のこれまでの経験を紙に書き出してみましょう。きれいなフォーマットにする必要はありません。殴り書きでもいいので、学生のときはこんな勉強をし、社会に出たらこんなことをやったというのを、どんどん書き出していきましょう。
仕事面(業種、職種、顧客、人脈、資格、スキル等)だけではなく、趣味や関心があること、挑戦したいこと、地縁や血縁などの人間関係なども含めて、これまでの自分を棚卸しするのです。自分ではその価値に気づいていないかもしれませんが、これらのすべてが、あなたがこれまで培ってきた貴重な稼ぎのネタとなります。
書くときは、なるべくまとまった時間を確保して静かな場所で書くこと。細切れ時間でやろうとしても、なかなか進みませんから、休日や長期休暇に部屋にこもるなどして書くのがおすすめです。
ステップ2:得意分野を編集する
紙に書き出しているうちに、自分の強みやセールスポイントが見えてきます。それを専門分野につなげて編集していくのが次の作業。それを今の社会と照らし合わせて、どう企業の問題を解決できるかを考える。そこまで落とし込むことが大事です。
ステップ3:センスのいい肩書をつける
自分にしかない専門性が見つかったら、肩書を考えましょう。どうやったらお客さんが来てくれるか、マーケティングの側面から考えるのです。
たとえば「税理士の資格があるから、副業で税理士をします」という話がよくありますが、本業で税理士をやっている人はごまんといるわけです。ですから、そういう人たちに太刀打ちするには税理士の肩書だけでは難しく、なかなか仕事がもらえません。
副業として仕事を獲得するには、税の知識を活かした“節税コンサルタント”など、ちょっと肩書を工夫してみることが必要。新しい仕事を創る気持ちで考えるのがポイントです。○○コンサルタントなどと名乗るのは気後れするという方もいるかもしれませんが、思い切って名乗ってしまうことで、身が引き締まるとともに見える景色が変わるのを感じるはずです。
■“リモートスキル”はウリになる
そして、これから実際に副業を始めるときに、カギになるのが“リモート”です。
たとえば、コロナウイルス問題前は、筋トレをお手伝いするパーソナルトレーナーという副業は、すごく人気でした。筋トレは一人だとなかなか続かないし、我流でやるとケガをしてしまう恐れもある。
そこでマンツーマンで正しいやり方を教えるというのがはやっていましたが、コロナウイルス問題でジムが閉鎖してしまい、仕事がやりづらくなってしまいました。でもその経験を活かして、オンラインで指導する人が増えてきたのです。そうなると在宅でもできますから、むしろやりやすくなっていると言えるのかもしれません。
また、リモートワークも増えましたので、リモートのプレゼンスキルを教える講師やリモートセミナーのコンサルタントといったニーズも増えています。企業の中には、YouTubeなどの動画を活用して宣伝につなげたいというところも多いので、そういう企業に対して、動画作成のノウハウを提供できると大きい強みになるでしょう。
私がコンサルをした方の中に、口下手な営業マンの方がいました。彼が考えた肩書は「訪問しない営業の専門家」というもの。これからの時代、さらにニーズがあがりそうです。
リモートなら北海道と沖縄など、場所が離れていても、同じ趣味のコミュニティをつくることができます。いまや世界中でつながっていますので、そういったコミュニティを対象にビジネスを考えていくことも可能です。
■副業はトライアル&エラーが訓練になる
大切なのは、とにかくやってみること。副業は本業のように失敗したら評価が下がるとか、うまくいかなくて誰かに怒られるということはありません。どんどんやってみて、失敗したら次から気をつける。トライアル&エラーの姿勢が大事です。
たとえばライティングの仕事も「自分に書けるだろうか」と躊躇(ちゅうちょ)しても、とにかくダメ元で書いてみる。私も最初は、編集者の方に怒られながら、「仕事は断らない」をモットーにやってみました。それが結果的に訓練になりましたね。
「自分には荷が重いです」「まだその域に達していません」と言って、引き受けるのをためらう方はすごく多い。でもそんなことをしていると、いつまでも上達しません。仕事は断らず、どんどん受けて、受けた仕事は全力でやる。
それがアフターコロナの副業の心得と言っても過言ではありません。
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アンテレクト代表
中小企業診断士。1966年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、大手金融機関を経て99年に独立。著書に『週末起業』(ちくま新書)など。
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(アンテレクト代表 藤井 孝一 構成=池田純子 写真=iStock.com)
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