「本業+副業」で年収1000万円を目指す単価の高い仕事3タイプ
プレジデントオンライン / 2020年7月14日 11時15分
■副業で月収30万円稼ぐには
本業と副業で年収1000万円に到達することは可能です。本業で600万~700万円、副業で300万~400万円稼ぐといったイメージでしょうか。
年収300万~400万円なら、月の収入は30万円ぐらい。この金額を達成するには、時給で働く仕事や若い人と競う体力仕事は難しいでしょう。やはり自分の専門性を活かした単価の高い仕事でないと達成できないでしょうね。
では自分の専門性を活かせる仕事とは、どんなものでしょうか。代表的なものは次の3つです。
① 法人の問題解決をする専門家
本業で培った専門性を活かし、プログラマーやコンサルタントなどの専門家として、法人が抱える問題を解決します。たとえば1社月10万円とすれば、3社で月30万円です。うまくいけば、本業の収入を超える人もいるでしょう。ここ最近は、法人側も副業人材を活用する動きがさかんです。企業が公募している場合もありますし、副業人材を紹介するサイトもふえています。
② コーチングや講師業
法人の専門家はハードルが高いという人には、コーチングや講師業がおすすめです。ただし新型コロナウイルス感染症問題を機に、リモートセミナーが増えていますので、リモートを使いこなせるかどうかがカギ。うまくいけば全国からお客さんが呼べるので、月収30万円も夢ではありません。特に女性向けのビジネスは女性の先生のほうが人気という傾向があります。何か教えられるものがあるという人にはいちおしです。
③ クリエーティブ系
ライティングや翻訳、デザインなどのメディア系のほか、料理や手芸など趣味を活かしたものも含まれます。料理が得意で料理の先生、ソムリエの資格をとってワイン会を主宰している人もいます。ストレッチやピラティスのトレーナーのオンラインレッスンも、コロナ問題を境に増えていますね。
■専門性を生かすも殺すもニーズ次第
しかしながら、いくら専門性があっても、世の中のニーズがなければ、仕事として成り立ちません。
たとえば、ずっと東京の大手化粧品メーカーでマーケティングをしていたからマーケティングの専門家として副業をしようとしても、その企業のマーケティングが必ずしも地方の中小企業のマーケティングに活かせるかどうかはわかりません。
自分がマーケティングの専門家と言いながら、企業が必要としているレベルに達しているかどうかもわからない。「その組織にいるからこそのスキル」という可能性もありますので、そのあたりの顧客のニーズは、しっかりと見極めたほうがいいですね。
私が主宰する週末起業セミナーの生徒さんで、印刷会社に勤めながら、自分のキャリアを活かして“出版コンサルタント”になった人がいます。印刷会社の営業だから印刷のことしかできないと考えると、あまりニーズがない。けれども自分のコネクションを考えると、出版社とのつながりがあると。そこで、出版コンサルタントとして本業を活かす方法を考えたわけです。そんなふうに柔軟に考えていくことが必要です。
■ファーストステップは身近なところから
副業を始めるときは、テストマーケティングをすることが大切です。まず家族や友人など周りの人に、そのサービスを使ってもらい、忌憚のない意見を言ってもらいます。料理や手芸などの教室をしたい場合は、最初は近所の友だちを集めて無料でやってみて、喜ばれたら有料で世間一般に向けて広くやってみるとよいでしょうね。
自分が思っているよりもニーズがあるということも多々あります。たとえばウェブ制作やプログラミング、ライティングなどは、その業界にいると、周りにいくらでもできる人がいるので、自分のスキルやそのスキルの価値を過小評価してしまう傾向があります。でも業界を変えてみると、意外に重宝がられることはよくあるのです。
やはりマーケットを探すときは、自分が既に持っているものを必要としてくれる場所を探すということが重要です。釣りをするときには、魚のいるところで釣らないとダメ。釣竿が悪い、エサが悪いという前に、釣る場所を変えてみるのがいちばん手っ取り早いのです。
■知っておきたい副業のNGポイント
副業を始めるにあたって気をつけてほしいのは、本業をおろそかにしないということ。特にリモートワークだと、本業と副業の境界が不明確になりがちで、気がついたら副業の仕事ばかりやって本業がおろそかになっていたということも少なくありません。「時間割」を作って、しっかりとセルフマネジメントをしましょう。
時間割をつくるときのコツは、まず仕事の時間を落とし込み、睡眠や食事、入浴の時間を入れますが、散歩や買い物といったリフレッシュする時間も入れること。健康面を維持する時間を取るからこそ、メリハリがきいて、セルフマネジメントがうまくいくのです。
また当たり前のことですが、法律を順守することも重要です。たとえば中古品を売るなら古物商許可、手作りのお菓子やお総菜を売るときも資格や許可が必要になります。うっかり許可をとらないまま始めている人も少なくありませんから、くれぐれも気をつけましょう。
また納税の意識がないのも困りもの。副業の所得が年間20万円を超えたら、確定申告をして所得税を支払いましょう。確定申告では、通常“雑所得”で申告することになります。
■副業で人生をもっと楽しく
アフターコロナを乗り切るには、副業も選択肢のひとつです。ぜひ副業をネガティブではなく、ポジティブにとらえてほしいですね。副業は本来とても夢のある話ですから。
女性の中には自分のキャリアを過小評価される方も多いですが、10年以上やってきたということは大きな蓄積です。自分が思っているよりも可能性を秘めていると思うんです。
ですからそれを、どう組み合わせて、どこに釣り糸を垂らすか。そこを工夫すれば、うまくいくし、うまくいけば楽しくなります。せっかくの短い人生ですから、本業も副業も有意義に楽しんでほしいと思います。
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アンテレクト代表
中小企業診断士。1966年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、大手金融機関を経て99年に独立。著書に『週末起業』(ちくま新書)など。
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(アンテレクト代表 藤井 孝一 写真=iStock.com)
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