オンライン会議で一発で「サボり認定」されてしまう人の共通点
プレジデントオンライン / 2020年7月17日 9時15分
※本稿は、和田裕美『いざという時に結果を出す本番力』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。
■コロナ禍で人に会わない今こそ「本番力」が必要だ
最近リモートワークの増加によって、直接人と会う機会が少なくなった人もいるかと思います。であれば、コミュニケーション能力がなくてもやっていけそうだし、人前で話す度胸も会議でプレゼンする勇気も今のところは必要ないのでは?
いやいや、そうでもないのです。実はその逆で人に会わないときだからこそ、さらにそれらの能力が必要になっているのです!
と言うと、「え、なんで?」と思う人がいるかもしれません。はい、実はわたしも正直に言うと最初は同じように思い、コロナの問題が勃発する前に書き始めたこの原稿を目の前にして、「これは大幅に書き直したほうがいい? それとも落ち着いてから出版がいい?」などと真剣に悩んだのです。
しかし、悩む時間はそんなに長くありませんでした。というのもその後からあっという間に自分の会社もリモートとなり、オンラインでの講演、セミナー、打ち合わせ、取材などが毎日のように繰り広げられるようになったことで、あることを確信したからです。
「ああ、今だからこそ、本番力ってなおさらに必要なんだ」と。
■オンラインは対面より個人が目立つ
オンラインとはいえ実は意外にもこの関わり方は、かなり対面の要素を含んでいます。思った以上に距離が近かったり、画面上に個人がクローズアップされてしまうので、実は対面よりも個人が「目立つ」わけです。
さらに言うと「ネットだからいいや」「家にいるからいいや」と、ついつい緩んでしまう人が増えているので、「できる人」と「できない人」の差がとても顕著に見えてしまう。つまり、もはや顔を出さない匿名でもいい今までのネットの扱いとは、まったく違うものとなっているのです。
だから、人前で話す勇気も堂々とした態度も必要。ここぞというときの本番力は今だからこそ求められるのです。この時期を大きなチャンスに変えて、今まで以上に自分を磨いてみたいですか?
であれば、今はちょっとした工夫と勇気で今までの自分を変える滅多にない機会となるはずです。今こそ、あなただけの本番力を磨いてほしい。人との差がつくのは今、どれだけ努力したかにかかっています。
■「本番力」を身につけることのメリット
本書を読み進めてもらうと、「自分から手をあげる」「自分で本番をつくる」など、能動的な行動をとるように促していることがわかると思います。誰かに動かされるのではなく、自分から動くことによって、よりポジティブなマインドになり自信がついてくるからです。
そしてこの「能動的に動く」という姿勢は、今のような不安がいっぱいある環境においては、より一層必要とされることなのです。
受け身になって消極的な動きになると不安に飲み込まれて溺れそうになります。能動的になって自発的に動けるようになると、不安の波にさえ乗ることができ結果を出せる人になれます。
本番力を身につけることで根っこから強くなれる、折れない心を持つことができるのです。
■オンラインはリアル会議より「地雷」が多い
Zoomをやったことがある人はわかると思いますが、まだやっていない方に説明しておきます。これはパソコンかスマホのカメラで、顔を写し、一人一人の顔が四角いモニターにずらっと並んでお互いがお互いの顔を見ながら会話するというものです。
もちろん顔を出したくない人はカメラをオフにできます。その場合は、画面が消え真っ黒になり名前だけが表示されます。名前も匿名にしたい場合はそのように変更も可能。
さて、会社の会議であれば、後ろのほうに座って上司と目が合わないようにしていればよかったかもしれませんが、Zoomの場合はそうはいきません。全員の顔がパソコン画面いっぱいにずらっと並んでしまうからです。それも新入社員であろうと役職者であろうと同じように並ぶので、とても比較されやすいのです。
つまりはリアルな会議より顔を見られることになります。もちろん複数の場合は相手が誰を見ているかはわからないので、目の前に上司がいるよりも緊張が少ないかもしれませんが、いつ「田中さん、どう思う?」のように突然ふられるかわからないのです。
そして、だらしない座り方をしたり、下を向いているとかなり印象が悪くなります。家だからいいやと気を緩めると、きちんと座ってうんうんと誰かの話にしっかりと反応している人がとにかく他の人の何倍も好感度があがり、仕事ができそうに見えます。
むすっとしているのも目立つし、スマホを見るのなら、「スマホでメモをとっています」と事前に言っておかないと、すごく聞く態度の悪い社員と思われます。
■Zoom会議で他人と差をつけるには……
このように各個人が目立ってしまうからこそ、余計に積極的に手をあげて発言するほうが前向きなイメージを持ってもらえるし、そもそも他の人と「同じ階層」で顔出ししているので、手をあげる人とそうでない人は並んで比較されてしまいます。
周りに人がいなくても手をたたき、うなずき、笑ったりして、できる限りのリアクションをすること。こういう動きのある表現も本番力のひとつです。さらに、声が聞こえにくい場合は致命的で、なにを言っているのか伝わりません。ちいさな声はやる気がなさそうに思われます。
対面であれば、立体的な表現(体の微妙な動き)でカバーできたことが、平面になったとたん欠点として露骨に出てしまいます。だからこそこのオンラインという機会を利用して、今まで以上に発言し、ちいさな声の人はあと少しだけ声のボリュームをあげることが必要になります。より伝わる動きを意識してやってみてください。
「だったら、顔出ししなきゃいいじゃん?」と思う人もいるかもしれません。ただ、普通のセミナーを受講するとき、お面を被っていくわけじゃないですよね?
隣の人と会釈したり、ときにはロールプレイングもしますよね。だからできるだけ、「これがリアルのシーンだったら」と想像して同じように行動することが、自分のスキルを磨くことに繋がります。
家にいる時間が長くなればなるほど、コミュニケーションの取り方がわからなくなって、どんどん人前に出るのが怖くなり苦手意識をもつようになってしまいます。そうなると、社会がもとに戻ったときに今まで以上に人前で緊張してしまうことに。そうなるともっと自信がなくなってしまいます。
今はだからこそ、一歩前に出るときなのです!
■Zoomでサボり認定をされないために
テレワークを採用する企業が増えて、自宅からリモートで会議に参加したり打ち合わせしたりする機会も多くなったかと思います。そうなると周囲に人がいない、画面上の向こう側と距離があるという環境になるので、目の前にリアルに人がいないぶん相手の気配もわからないし、空気を読む必要もないので、そんなにコミュニケーション力いらないんじゃないか……と思っていたりしませんか?
たしかに、空気を読みにくいと思われるかもしれません。表情がわかりにくく、声も聞き取りにくいですから。しかし……、そうでもないんですよね。
わたしはこの1カ月間、毎日のようにマンツーマンから100名規模までオンラインでコミュニケーションをとってきましたが、実際に会うより2倍ほど疲れるのです。なぜかというと、画面を通して相手に思いを伝えるためには、画面越しだと伝わりづらい微妙な動作を通常より大げさにしており、声もいつもより張っているのです。
そう、オンラインってコミュニケーション力が、むちゃくちゃ必要なんですよ。
人間の五感は視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚ですが、対面だと(そのバランスは人それぞれだけど)ほぼそのすべてを使っているのです。でも画面上だと視覚と聴覚だけでコミュニケーションするわけですよね? つまり画面の顔と声に意識がより集中するってことだから、このふたつの感覚がフル活動するのです。
■明暗を分ける「リアクション」
もちろん伝える側だけじゃなく「聞いている受け側」も顔面と声によるリアクションがやはり2倍ほど目立ちます。聞き上手でうなずいている感じがよりわかりやすい人のほうが好感度は上がります。普段からリアクションの薄い人はさらに反応が相手にわかりにくいので、「あの人話聞いてないしやる気なさそう」と思われがちです。
だから反応がいい人はさらに好感度があがるし、そうじゃない人はさらに比較されて好感度が下がるのです。
それにリモートワークって自宅にいるわけですから、上司から「ちゃんとやっているのか?」と疑いをかけられることがあるのを忘れてはいけません。
一所懸命にパソコンの前に居座ろうとする猫を制しながら勤務時間通りかなり集中して仕事をしていても、いざ会議のときに反応が悪くて「やる気なさそう」と思われたり、トイレに行ったときにたまたま電話に出られないというだけでも、「やっぱりサボっているのでは?」と疑われてしまう可能性もある。
ちなみにこれはとある会社の人から聞いた実話なのです!
■好感度を上げるユーチューバーのテンポと抑揚
いや、わたしはここで猫と戯れて昼間からだらだらしてしまっていても、会議のときだけ反応よくしろとは言ってないのです。
ただ、なによりも一生懸命に仕事をしているあなたが、ちょっとコミュニケーション力が足りないだけでそういう疑惑を持たれるのはなんだか残念だと思う、評価を下げるのはもったいないと言いたいのです。
だから、やっぱりここは自分の空気をいかに好感度の高いものにするか? を考えてみましょう! たとえば、皆さん人気YouTuberの動画を見ているとわかると思うんですが、彼らの多くがやや大げさにテンポよく抑揚たっぷりに話していませんか?
![和田裕美『いざという時に結果を出す本番力』(ポプラ社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/8/200/img_f87bfa866640141f754bfda684c86e23141733.jpg)
あれ、日常の対面のシーンでもあのテンションじゃないと思うのです。画面の向こうの人にもっと伝えたいという思いがあるから、オーバーアクションになってしまうのです。媚びを売っていると言われようが好かれたほうが得なので割り切ってください。
とはいえ、目の前の人のほうがぜんぜんリアクションない場合もあります。その場合相手が部下なら注意できるけど取引先、お客様、上司だと「もっとリアクションして」なんて言えないですよね?(笑)
だからまずは自分を変えることです。オンラインコミュニケーションは先手必勝です。新刊『いざという時に結果を出す本番力』では、あなたのあなたの本番力を培うノウハウを解説していますので、参考にしてほしいと思います。
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株式会社HIROWA代表取締役
外資系教育会社での営業時代、世界2位の成績に。2001年独立。多業種での営業組織づくりに携わる。
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(株式会社HIROWA代表取締役 和田 裕美)
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